インタビュー
» 2006年05月02日 20時36分 公開

「MI2」のプロデューサーになぜ大抜擢されたのか?KOFマキシマムインパクト2:FALCOON氏インタビュー(3/3 ページ)

[松井悠,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

―― ゲームを買う1つの理由として「MI流に解釈されたあのキャラクターを触ってみたい」と思ってもらいたいと?

FALCOON そうですね。そういう思いもありますし。現行、2D版のKOFだと、なんとなくキャラクターの登場が予測されがちかな、と思っているんですよ。だから、それをいい意味で裏切っていきたい。

―― MI2はコンシューマーベースのチューニングがされてるということですが、アーケード版のMI2についてはどうですか? 会社的、現実的にできる、できないという判断ではなく、個人的にやりたい、やりたくないといった意味では。

FALCOON 僕としてはやりたいですが……会社としてビジネスの部分がどうかというのがあって。GOがかかればもちろんやりたいと考えていますし、こちらからも持ちかけたりといったことはしています。アーケードって、やはり敷居の低さが素晴らしいなと。アーケードは1プレイ100円。MI2を試しに遊ぼうとする7140円(税込)かかりますから。それはアーケードからすると70倍じゃないですか。やっぱりユーザーがこわくて手を出しにくいのも理解できます。

2Dから3Dへの変更は、ただの移植作業ではない。MIシリーズの目指す場所とは。

―― 2Dから3Dの変更というところでは、いままでにいろいろなメーカーさんがチャレンジされています。たとえば、アリカさんは「ストリートファイターEX」シリーズを手がけていて、その先に今なおファンを多く抱えている「ファイティングレイヤー」があります。「鉄拳」や「バーチャファイター」とは違った「2D格闘ゲームっぽい3D格闘ゲーム」というところでは、どんな考えで作ってらっしゃったんでしょうか。

FALCOON ファイティングレイヤーは基板を持ってますよ(笑)。個人的にかなり好きです。3Dという部分で、やっぱり意識せざるを得ないのがバーチャファイターと鉄拳ですね。バーチャファイターは、MI2を作る軸で考えたときに、興味の対象ではなくて、やはり鉄拳が大きくあるんです。個人的に好きなゲームっていうのもありますけど。バーチャファイターって、「ものすごい良くできたジャンケン」だなっていう印象があるんです。完成されたシステムの中で行われるジャンケンにどれだけ勝てるか、というのが気持ちいいと思ってるんですね。

 鉄拳はまぁ、もっと違うところにあるのかな、と。僕が好きなところは、コンボの組合せにすごく自由度があるところとか……。僕の中で鉄拳は半分パズルゲームで、コンボの構築がすごく楽しいんですよね。「これは意図してこの猶予フレームを残してるのかなぁ」とか思いながら遊んでいるんです。僕はコンボを試すのにマクロを組んだりもして調べているので、そのときに「おお、ここでこのフレーム残しておくのは神だな」とか楽しんでいます。

―― それは、作り手側の視点で、という事ですね。

FALCOON そうなんですよ、もちろんデザイン部分でハッとする部分もありますし、キャラクターの構築の仕方っていうのも勉強になりますし、システム部分に関しても……たまに、「ちょっとこれはどうかな」というのもありますけど、それは僕自身の好き嫌いの部分だから問題ではなく、基本的にはやっぱり面白い。ただ、僕は別に鉄拳を作ろうと思っているわけじゃないんです。あくまでも、MIを作ろうとしているので……。2DのKOFを3DのMIにしていく上で避けられない、超えなければならないのはやはり「ストリートファイターEXの壁」なんです。

―― 2Dの一大タイトルを3Dへとうまく変更していった前例いうことですね。

FALCOON ええ、あれをどうやって越えいくんだろうと。EXはかなり前衛的なシステムを入れ込んでいるゲームなんですよ。ただ、EXとMIで一番違うかな、というのはジャンプの感覚です。MI2を作るにあたって考えたのは「3D的な作りにしましょう」というのではなくて、もうほんとに2Dで遊ぼう、と。2DのKOFって悪い意味で「バッタゲー」と言われたりしているんです……ぴょんぴょん飛んだ方が強い、飛ばないと死んじゃう、と。MIを作るにあたって、一番プレイしてくれる人たちはどの層なのか、と考えると、やっぱり2DのKOFユーザーたちなんですね。3Dだからって鉄拳やバーチャの人たちが「やってみようか」なんて思わないでしょうし。

MI2での新システム「さばき」

FALCOON 今回は開発に許された時間というのが本当に切実で……。海外販売とスケジュールの絡みとかもあったり、ビジネス的に「MI2をどう売っていくか」っていう基本のモデルを1年前に組んだときに、発売予定日は死守しなければならなかった。なので、「本当にMIでやりたいこと」はもっともっと先にあるんです。今回、そこにいくためのひとつの区切りとして、例えば「さばき」を入れたんですね。2を作るにあたって、あんまり多くの変更は望まなかったんです。しかし、それを会社は嫌いましたね。「売りづらい」と。「営業的なインパクトが無い」って言われました。

 2DのKOFっていうのは、毎回変わったシステムを入れています。「なんとかキャンセル」とか、「何とかシフトシステム」とか。オペレーターに売るために「こんなにキャラ増えました」とか、こんな「システムが増えました」とか、営業はアピールしたいわけです。

 それをするときに、「さばき」しかない、「スーパーキャンセル」しかない。「それじゃ売れない」ってことで「タッグ戦に出来ないの?」、「それはもうだいぶ前にナムコさんがやってますから」とか、「じゃあ3対3にしてみればいいじゃない」、「それはもう以前にセガさんがやってます」だとか。

 MIは、ユーザーが時間をかけて新システムに慣れてきて、次にこういうシステムが欲しいって思ったものを乗せていって、、どういうリアクションさせてっていう、長いスパンで考えているんです。「さばき」も、万能に見えてわざと足りない部分というのを残してあるんです。「さばき」慣れた人には次はこれが欲しくなる。そこを、シリーズを重ねる上で、市場を見ながらやっていきたいなと。

―― 「さばき」をやってみて思ったんですが、SNK系の打撃を返して放り投げる、いわゆる「当て身投げ」にしませんでしたよね。そこは、やっぱり試合の流れを中断したくなかったからですか?

FALCOON そうですね。やはりさばいたからどうする? さばかれたらどうする? というところを一番面白くしたかったんですよ。MI2は、とにかくゲームのテンポが速いんですが、慣れてくると結構覚えられるんです。相手の技が見えたときに、ここだっていう「さばきポイント」が確実に見えてくる。「さばき」からの流れを認識してもらったほうがよりゲーム的な部分がが深くなると思ったので。

ユーザーに喜んでもらえるイベント、そしてその先にある「MI」とは

―― 今回、プロモーションはかなり「普通のゲームプロモーション」とは違いますね。イベントの記事を見ていても「開発者が自分たちのものに対して、こうお客さんに伝えたい」という声が届いているイベントだな、という印象がありました。ありがちな「声優を呼んでファンサービスしとけばいいんだろ」とか「体験版配布すればいいんだろ」的なイベントにしていない。そこは、FALCOONさんがプレーヤーとしての視点を持ってるからなのかと推測できるのですが。。

FALCOON そうですね。やっぱり、ファンの方にはサービスをしていきたいというのもあります。悪く言うとファンの抱え込みだとかって事になるんですが、これは作り手としてしっかりやっていくべきところだろう、という使命感が強いですね。言ったらメーカーが主催しているコミケみたいなもんですよね。そういうノリがあるんですよ。敷居が高くない会社というか、ユーザーフレンドリーですよね。

 「忘年会も毎年恒例したい」と言ってますし。ユーザーさんが遊びに来るときには、とにかくステージでゲーム大会やったりとか、コスプレのイベントやったりだとか、クイズ大会やったり、トークショーやったり。とにかくゲームイベントに来て、遊園地に来て楽しんでいるような思い出になるようにしてあげたいなというのがありまして。

―― 「おもてなし」が好きなんですね。

FALCOON そうですね。「おもてなしするから買ってよ」みたいなね。悪魔みたいですよね……僕(笑)。

―― 今回、色々あって辞めようかなと思っていた時期に、プロデューサーになって、念願のゲーム制作をできて、というところですが……辞めませんよね? 「いい区切りになったから……」なんて思ってませんよね?

FALCOON いやいや、辞めませんよ。まだまだやりたいことがありますし、MIはまだ次がありますんで。ストーリー的に、いまは中間のところなんですよ。だから、最低でも完結までは。基本的に、KOFは3部作で完結してきているので、一応次で完結の予定をしています。でも、まずはMI2をぜひ買っていただいてからのお話です!

KOFマキシマムインパクト2
対応機種プレイステーション 2
メーカーSNKプレイモア
ジャンル3D対戦格闘
発売日発売中
価格7140円(税込)
(C)SNK PLAYMORE


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2311/06/news020.jpg 柴犬「友達〜!!!」 お母さんの寝坊で散歩が遅れた柴犬、ワン友に会えず……→怒りMAXの拒否柴発動に母「スマン……」
  2. /nl/articles/2311/06/news041.jpg 素潜りでイソマグロを突いたら海に引きずり込まれ…… 水深25メートルの激闘が100万再生「怖い」「磯のダンプカー」
  3. /nl/articles/2311/05/news045.jpg カナダ留学中の光浦靖子、得意の手芸でまたしても力作を生み出す 「クオリティ高すぎ」「もープロですね」
  4. /nl/articles/2308/06/news018.jpg 柴犬がプールからあがろうとした瞬間……! 「何回見ても爆笑」「好きすぎる」コントのようなずっこけハプニングが発生
  5. /nl/articles/2311/06/news047.jpg 隣家にいった飼い主、ふと視線を感じると柴犬たちが……? じーっと監視するワンコきょうだいの圧に爆笑
  6. /nl/articles/2311/06/news117.jpg 「スト6」フランス大会決勝、モニターにペンキで中断 環境団体乱入で
  7. /nl/articles/2311/06/news068.jpg 村重杏奈の“最強遺伝子”な弟、7歳バースデーお祝いに黄色い声 姉とうり二つな姿に「幼さが抜けて更にイケメン」「可愛いしカッコイイ」
  8. /nl/articles/2311/04/news008.jpg 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. /nl/articles/2311/04/news016.jpg 突然現れた痩せて汚れた野良猫、「ごはんくだちゃい」と訴えてきて…… 距離が縮まっていく姿に「涙が出ます」と100万再生
  10. /nl/articles/2311/05/news052.jpg 「ここはあんたが座る席じゃないよ」 末期すい臓がんの叶井俊太郎、優先席に座るも高齢者から非難 妻・倉田真由美が明かす
先週の総合アクセスTOP10
  1. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  2. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  3. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!
  4. 「BreakingDown」出場の元プロボクサー、5人から一方的に暴行される 顔面数針縫うも「私は1発も攻撃してません」
  5. 「頭が大きい」「普通ではない」 パリス・ヒルトン、9カ月長男の受診勧めるコメントにぴしゃり「世の中には病んでる人がいるみたい」
  6. 「最期の最期まで闘って」 元「妄想キャリブレーション」水城夢子さん、27歳で病死 2年前には“しばらく療養が必要な病状”で休止
  7. 3児の母・杏、異次元スタイルのパンツスーツ姿が衝撃的 目を疑う脚の長さに「身長の半分股下」「えっ! 本当!? っと思っちゃうくらい」
  8. 志穂美悦子、68歳バースデーに鍛えられた筋肉バキバキの肉体美披露 「いろいろやりたいことがある」「まだ見ぬ自分へ」
  9. 柴犬と父のやりとりに「20分これ見て爆笑してます」「気持ちよすぎるいい返事」 お笑いコンビを超える関係性が100万再生
  10. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 病名不明で入院の渡邊渚、3カ月ぶりSNS更新で「表情に違和感」「そこまで酷い状況とは」 ベッド上で「人生をやり直すこともできません」
  2. 動かないイモムシを助けて1年後のある日、窓の外がありえない光景に 感動サプライズが「アゲハ蝶の恩返し」と話題
  3. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
  4. 「千鳥」大悟、大物美人俳優にバッグハグされた表情に注目集まる 「マジ照れのお顔ですね」「でれでれやん」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 神田愛花アナ、拡散された女子中学生時代ショットにスタジオ騒然「ヤバい」→“アネゴ感”でSNSもざわつく
  7. 「生きててよかった」 熊谷真実、美麗な初“袋とじ”グラビアで63歳の色気全開 真っ赤なドレス着こなす姿に「すごいプロポーション」
  8. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  9. 双子モデル・吉川ちえ、美容整形後のひたいが“コブダイ”状態へ 多額の費用要した修正手術で後悔も「傷がこんなに残りました…」
  10. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!