「DQ」、「FF」の次世代機向け4タイトルが明らかに――スクウェア・エニックス プレスイベント:E3 2006(2/2 ページ)
「ここでスクウェア・エニックスが全力を挙げて進めている次世代プロジェクトを紹介します。口頭で説明する前にご覧ください」と切り出したスクウェア・エニックス コーポレート・エグゼクティブの橋本真司氏より紹介されたのは、FFシリーズ最新作となるFINAL FANTASY XIIIと、それに関連するプロジェクト「FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY XIII」だった。
会場で上映されたムービーは、実機映像も多数含まれているということで、かなり作り込まれている印象を受けたFINAL FANTASY XIII。ゲームの内容としては、シリーズの中でも、最も文明が進んだ未来、魔法とテクノロジーが融合し進化した、誰も見たことのない未来世界を舞台に、そこで生きる人間たちの物語が描かれるという。
プロデューサーである北瀬佳範氏は、「今回見ていただいたムービーはスタートラインに過ぎない。FFの名を冠す以上、“対応ハードの持つ性能を極限まで使い切る”を命題に、さらなるクオリティアップへの挑戦を続けていきたい」とコメントした。
また、こちらの記事でも触れている通り、“FINAL FANTASY XIII”という名が付くタイトルはほかに2つある。そのひとつが、ラテン語で“行動を起こす”の意味を持つアギトの名を授けられた「FINAL FANTASY アギト XIII」となる。次世代のケータイをターゲットにして開発が進められている本作は、新しいオンラインRPGを目指すという。
ディレクターの田畑端氏は、「例えば敵との戦闘では、ケータイの持つロケーションフリーな通信性を生かした、その場その場でプレーヤーがパーティを組むといった、バトルスタイルが導入できます。いつでも、どこからでもアクセスできる、最も身近なFFを目指したい」とコメントした。
続く2つ目、ラテン語で“向きを変える”の意味を持つヴェルサスの名が付く「FINAL FANTASY ヴェルサス XIII」は、「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN」と「KINGDOM HEARTS II」のスタッフが開発を務めるタイトル。上映された映像を見た限りでは、現代とさほど変わらない時代設定のようにも思えたが、主人公と思わしき青年のいる聖堂や、それを取り囲む防具で身を固めた集団など、幻想的な雰囲気漂うものとなっていた。
FABULA NOVA CRYSTALLIS全作品のコンセプトデザインとキャラクターデザインを手がけ、本作ではディレクターを務める野村哲也氏は、FINAL FANTASY ヴェルサス XIIIについて「今までにない新しいFFということで、アクション要素の高いものを考えています。物語は“絆”をテーマに、痛みを感じるリアルなキャラクターとストーリーを描いていきたい」とコメント。続けて「これまで自分たちが追ってきた作品性のひとつの完成形にしたい」と、その意気込みを語ってくれた。
FABULA NOVA CRYSTALLIS3作品が紹介され、再度登壇したのは橋本氏。同氏は「既存のFFの概念を自ら打ち壊しつつも、これまで挑戦し続けてきたFFらしい新たな試みをしたい。これはまだスタートに過ぎない。この先、(FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY XIIIに関して)“新たな発表”を心待ちにしていただきたい」という意味深な発言を行い、新プロジェクトの説明を終えた。
すべてのタイトル紹介を終え、最後に壇上に登場した和田洋一氏は、まず開発スタッフに感謝の気持ちを述べた後、「私たちスクウェア・エニックスは、レスポンスに優れた高品質な製品を出すことが使命だと思っています」とコメント。また、次世代ゲーム機はゲーム作品の品質に衝撃を与えるだけでなく、ゲームのビジネスモデルを大きく進化させる力があるとし、今後も『Compilation of FFVII』の展開を始めとしたポリモーフィックコンテンツ(一昨年からスクウェア・エニックスが提唱している事業戦略で“ひとつのコンテンツをさまざまなプラットフォームやメディアを越えて幅広く展開するビジネスモデルで、作品同士の相乗効果をもたらす”というもの)をまい進していくことを改めて強調するとともに、力強く将来へのビジョンを述べて幕を閉じた。
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