ビル・ゲイツ氏がE3に初登場――Xbox 360を1000万台出荷と宣言:E3 2006「マイクロソフトプレスブリーフィング」(1/2 ページ)
今年のMicrosoftのプレスカンファレンスは、E3初登場となるビル・ゲイツ氏の登壇や、Windows関連の話題が豊富だったりと、例年とはかなり趣の異なるものだった。Windows関連や、新たなLiveネットワーク構想などについて語られた内容を紹介していこう。
今年のE3でのMicrosoftのプレスカンファレンスでは、ここ数年とは異なり、PC関連の話題が豊富であった。特に、次期Windowsとして2007年初頭に発売が予定されている「Windows Vista」関連の話題について、かなり長い時間を割いて説明が行われた。
もちろんその内容はゲームに関するものが中心であり、そういった意味ではE3でのプレスカンファレンスとしてふさわしいものではある。しかし、例年のプレスカンファレンスと比較すると、かなり趣が異なるように感じたのも事実だ。
まず最初に発表されたのが、「Games for Windows」という、Windows向けゲームのブランドプログラムだ。これは、Windows向け(Windows Vista向け)のゲームに「Games for Windows」というブランドロゴを付けることで、各ゲームに「Windowsで動作するゲームである」という共通のアイデンティティが与えるだけでなく、販売戦略なども含めた総合的なプログラムとなっている。
例えば、販売店などでは「Games for Windows」ロゴが書かれたショーウィンドウにゲームパッケージが並べられる、ということも行われるようだ。今後Microsoft Game Studiosから発売されるWindows向けのゲームタイトルは、すべてこのGames for Windowsロゴが付けられることになる。また、このブランドプログラムはサードパーティパブリッシャーにも解放されており、今後Windows向けゲームの多くがGames for Windowsロゴを付けて登場してくることになるだろう。
また、Windows Vistaで実装されることになっている、マルチメディア機能強化のためのAPI群であるDirectXの最新バージョンとなる「DirectX 10」についても紹介され、DirectX 10ベースで製作されているゲームの優位性、特に描画品質の優位性が、実際のゲームデモを交えて紹介された。
利用されたゲームは、Windows Vista向けに開発が行われている、Electronic Artsの「Crysis」だ。グラフィック面で非常に高い評価を受けた「Far Cry」の開発メーカーであるCrytekが開発中の最新ゲームで、DirectX 10ベースの非常に高度で最先端の描画技術が駆使されている。実際に会場で流されたデモ映像は、Xbox 360での描画クオリティを凌駕すると言ってもいいほどで、まさに別次元のクオリティであった。
Microsoftエンターテイメント&デバイス部門インタラクティブエンターテイメント事業部担当バイスプレジデントであるピーター・ムーア氏は、Windows VistaおよびGames for Windowsの登場について、「新たなゲームプラットフォームのローンチと位置づけ、これまでにないほど力を入れて取り組んでいく」と、Xbox 360とともにゲームプラットフォームの柱として成長させていく意気込みを語った。
ビル・ゲイツ氏、E3初登場
ここで、これまでE3とは全く無縁であったMicrosoftの超大物が、ピーター・ムーア氏によって招き入れられた。その超大物とは、Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏だ。ゲイツ氏は、日本の「東京ゲームショウ」で基調講演を行ったことはあるが、E3のプレスブリーフィングに姿を表したことがなかった。しかし今回、そのゲイツ氏が登場したことは、Microsoftが、Xbox 360だけでなく、Windows Vistaもゲームプラットフォームとして強力にアピールしたいという思惑があるからだろう。
ゲイツ氏は冒頭で、「Xbox 360だけでなく、Windowsやモバイル機器など、Microsoftの様々なのプラットフォームでゲーム環境やネットワークサービスを展開していますが、今後それをさらに拡張させ、またシームレスな環境へと発展させていきます」と語り、今後Microsoftがどのようにゲーム環境を発展させていくのか説明した。
まずはじめに、Xbox 360の発売地域として新たに8ヶ国が追加されると発表した。その8ヶ国は、南アフリカ、チリ、インド、ブラジル、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキアだ。そして、Xbox 360の出荷台数は、2006年6月末までに550万台が見込まれており、さらに競合他社のマシンが登場するまでに1000万台の出荷を目標とする、とゲイツ氏は宣言した。
競合他社のマシンが登場するまで、ということは、当然2006年11月までに1000万台の出荷を行う、ということになる。製造態勢を強化したこともあるとは思うが、それにしてもかなり強気の宣言のように思う。とはいえ、北米や欧州などでのXbox 360の売れ行きを見る限りでは、その数字も不可能ではないのかもしれない。ただ、その中での日本での状況はかなり厳しいものがあるが、そういった中で日本市場に関する対策について、今回の基調講演でほとんど語られなかったのは非常に残念であった。
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