いずれ日本でも話題になる――海外発の期待PS2タイトルを先物買い(1/3 ページ)
次世代機タイトルに注目が集まったE3 2006だったが、会場では発売から7年目を迎えたPS2タイトルも注目作が出展されていた。特に人気があった作品、「GOD OF WAR II」など、日本未発表のものを中心に紹介してしたい。
PS3、PS2、PSPとPSファミリーの新作タイトルがまんばんなく出展されているE3のSCEブースでは、基本的に発売前や開発中の初出し作品にはすべて“EXCLUSIVE(要は独占スクープってことだ)”のマークがつけられている。ただし、今年のSCEブースにおいてPS2関連の“EXCLUSIVE”なタイトルは「FINAL FANTASY XII」、「YAKUZA」(邦題:龍が如く)、「OKAMI」(邦題:大神)といった日本で発売済みのものや、「MADDEN NFL 07」、「NBA 07 FEATURING the Life Vol.2」といった北米市場向けスポーツゲームが多く、日本側から見るとそれほど新鮮味は感じられなかった。
とは言え、やっぱりPS2は今でも最大シェアを誇る主力のゲーム機である。よく見ていけばネットワークとEyeToyカメラを使った新しいカラオケコミュニケーション「Sing Star(こちらはPS3版も開発されている。詳細はこちら)」や、人類を破滅させるため地球に降り立った宇宙人の活躍(?)を描くシュール系アクション「DESTRY ALL HUMAN2」、ポストGTA的として期待される「SCARFACE」をはじめ専用タイトル、さらにマルチプラットフォームに組み込まれたスポーツ系の新作タイトルなどなど、作品の量で言えば相変わらずトップクラス。全体を見ればPS2ラインアップはここ近年ないほど円熟度が増し、完成度の高い作品が勢揃いしている印象なのは日本と変わらない。ここではその中から「これはぜひ日本でも発売してもらいたい」、「日本で発売されても話題になるだろう」と思う完全新作をピックアップしてみよう。
PS2最大のサプライズは「GOD of WAR II」、会場は連日大人気
E3会場に出展されたPS2タイトルの中でもっとも大きな注目を集めていたのが、ギリシャ世界の舞台をモチーフに軍神となった元スパルタの戦士・クレイトスの新たな戦いを描いたアクションアドベンチャー待望の続編「GOD of WAR II」だ。前作「GOD of WAR」は昨年2005年に発表された作品だが、北米や欧州では“2005 Game of the Year”といった数々のユーザーからの人気を総ナメにした良質アクションとして知られているため、E3では連日プレイアブル台の前には次世代ゲーム機タイトルと同じくらいプレイ待ちの人々が終始並び続けていたほど。日本ではまだ見た目の“洋モノ”っぽさから敬遠している人も多いようだが、海外では本作の登場以降“ポストGOW”を目指す作品が増えており、「次世代アクションゲームのベンチマーク」と言えるほど重要な作品となっている(PS3版「Heavenly Sword」などはまさにそのひとつ)。日本版「GOD of WAR 」はカプコンから発売されているので、アクション好きな人はぜひ食わず嫌いせずプレイしておくといいだろう。なお本作も前作と同様、SCEAサンタモニカスタジオが開発を手掛けている。


「GOD of WAR II」のゲームシステムは、前作をそのまま踏襲している。基本的な操作は□ボタンのLight Attack(弱攻撃)と△ボタンのHeavy Attack(強攻撃)、○ボタンのGrab(つかみ)を組み合わせてさまざまなコンビネーションを繰り出し、四方八方から出現する敵をひたすら倒していくだけ。敵を倒し経験値を稼ぐとさらなるコンビネーション攻撃や魔法攻攻撃(弓による遠隔攻撃)も行えるが、昨今のアクションゲームのように「大量の敵をなぎ倒す爽快感」や「要素を詰め込んで複雑なアクションを楽しむ」類のものではなく、内容自体は非常にシンプル。しかしながら敵1体1体の攻撃・攻略法が徹底的に作り込まれているために、プレーヤー側の感覚としては「ひたすら中ボスクラスの敵達と熾烈な攻防を繰り返していく感じ」が味わえ、非常に中身の濃いアクションが楽しめるようになっている。コンビネーション攻撃中でも常にR1ボタン/右アナログスティック入力でガード/緊急回避行動がとれることで「敵の攻撃をぎりぎりまで見切る」というアクション本来の面白さを3Dゲームでうまく表現できている。


また本作独自のスタイルと言えるのが、敵1体を倒すごとにプレーヤーのテンションを盛り上げる“CSアタック(コンテキスト・センシティブ・アタック)”の導入だ。これはある程度敵の体力を減らし敵の頭上に○や×などのコマンドボタンが表示されてから各種コマンドを連続入力すると、「敵に駆け上って頭上から強烈な一撃を叩き込む」、「力押しで敵の心臓目がけ剣を深く突き刺し絶命させる」といったケレン味あふれるフィニッシュシーンが楽しめるものだ。残虐なシーンでもあるが、このシステムのおかげでプレーヤーはかつてないゲームのテンポを体験できる。さらにステージ各所にはさまざまな仕掛けを解きながらルートを確保する……という謎解き要素もふんだんに入っており、“古典的なアクションアドベンチャーの面白さ”を追体験することができる。



なお今作では怪鳥グリフォンに乗って空での戦いが楽しめたりと、さらなるゲーム体験も用意されているが、何よりもキャラクターの動きに自動で追随する3Dカメラの絶妙な動き、練り込まれた敵とのバトル、60フレームでハイレスポンスな操作感、そして硬派なゲーム性と(昔の洋ゲーのようにただ難しいのではなく、やり込むことで攻略法が次第に見えてくる)、洗練されたゲームバランスが顕在だったのがうれしい。完成度は現在40%で、2007年第一四半期発売が予定されている。
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