移植ではない(?)渾身のPSP新作と、心意気の詰まったムービー:鉄拳シリーズ開発者インタビュー(3/3 ページ)
次世代機でのリアルタイムレンダリングの第一歩――「鉄拳6」
続いて大々的に発表されたプレイステーション 3版「鉄拳6」についてお聞きした。E3 2006のバンダイナムコゲームスブースでは、巨大なスクリーンに各タイトルのトレーラー映像が流れていたのだが、「鉄拳6」の映像は「とある大聖堂の中で戦う仁とリリのもとにバイクでファランが駆けつける。仁がデビル仁に変身しビームを発射。大聖堂が崩れ去る」という数分におよぶ作品。以前からムービーのクオリティには定評がある鉄拳チームだが、今回の映像のクオリティの高さも並々ならぬものがあった。気になるそのトレーラー映像に関してお話を聞くことができた。
――「鉄拳6」の話に移りたいと思います。すごいクオリティのトレーラー映像でしたね。
原田 プリレンダムービーによるトレーラーがすごければ、ゲーム本編がどうであれ期待に胸躍らす人が多いですよね。4、5年前くらいまでは自社で作るところが多かったので、プリレンダムービーのクオリティに各社で差がありました。しかし、ここ3年くらいの間に、外部の会社へ発注して作成する会社も増えてきまして、しかもその会社のレベルがすごく高くなってきています。そのおかげでプリレンダムービーのクオリティも各社で差がなくなってきたので、トレーラーの質が横ならびになっているように感じています。
このため、美麗なプリレンダムービーを用意することはいくらでもできるようになりましたが、プレーヤーが求めているのは“ゲーム”ですよね。このため我々は、ちょっと前までムービーで動いていたクラスの高い画質で、リアルタイムで動くものを作りたいと思ったんです。リアルタイムのレンダリングで空間を表現したかった。だからプリレンダとくらべれば見劣りはするはずなんです。鉄拳に限らずそれは全体的な話で、プリレンダのほうがきれいなんです。ただそこを最終的には「これリアルタイムなの? プリレンダなの?」ということが分からないくらいのムービーを提示したいんです。
その前提として、我々がプレイステーション 3をもっと知らなくてはいけないわけです。プレイステーション 3というのは我々にとっても新しいハードです。知るためには“リアルタイム”というところから入っていかなくては遅れをとってしまう。目指したところは、プレイステーション 3の機能をいかに使い切るかではなくて、「目指している映像がこれだから、それに近づけるためにプレイステーション 3の機能をどう活かすか」という点です。最終的にはそれでも足りないくらいのことをやりたいと思っています。
公開した映像はカット割されているように見えますが、本当に実機上でリアルタイムで動いている映像なんです。このため、どの視点からも見ることができるものをカットしただけで、カット割なしである視点だけで見るということも本当は可能なんです。我々としては手探り状態でまず第1歩ということで作りました。プリレンダできれいなムービーを見せるという選択肢もあったのですが、ここはひとつ本気で次世代の格闘ゲームの映像を作るために、多少難しいところから取り組んでいかなくては、という感じでした。
我々は秒間60コマにこだわり続けています。リアルタイムレンダリングの我々の定義は、HDのモニターで60フレームで動いているということ。そういう意味では今回のトレーラーでそれは達成できましたね。よく見るとリアルタイムならではのアラもありますし、今後はさらに何十ステップも段階を踏んでいかなくてはならないんですが、まずはこれが第1歩なんです。
――あの4人(映像に登場していた仁、デビル仁、ファラン、リリ)が鉄拳6に出るということなんでしょうか。
原田 いえ。そこは何も考えずに作りました。あくまでも実験的な映像ですので。
――心意気が詰まったムービーということですね。
原田 そうですね。これからプレイステーション 3で作っていく、リアルタイムでやっていく、という決意表明ということですね。
――プレイステーション 3の新コントローラに関しては、何か考えがおありですか。
原田 6軸検出システムなどの機能に関しては、まだ検証できていないんです。きっとそういうことを含めて今後いろいろ考えていくとは思います。敵をつかまえたあとにコントローラをねじってきゅっと締めるといった機能があったら面白いですね(笑)。敵のほうもコントローラをねじって、絞め技から投げ抜けしようとしたり(笑)。そういう新しい要素はあれば面白いでしょうね。
――発売時期などは決まっているのでしょうか。
原田 いえ。全く未定です。
――アーケードでまず登場して、それから家庭用ゲーム機で発売されるという今までの流れとは変わってきますか。
原田 その点も今はまだ発表してませんが、ユーザーの期待は裏切らない方向で動くつもりです。鉄拳チームは今までもそうでしたが、ユーザーの声をできるだけ聞いてから決めてきました。鉄拳チームはそういうスタンスなので、その点はご安心ください。
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