レビュー
» 2006年06月02日 14時10分 公開

パワプロシリーズ、ついに海を越える――野球の本場メジャーリーグの風を感じろ「実況パワフルメジャーリーグ」レビュー(1/3 ページ)

軽快な実況とコミカルなキャラクター。しかしそのかわいらしい見た目とは裏腹に、かなり本格的な野球的思考を要求される「実況パワフルプロ野球」シリーズ。そのコミカルさとストイックさをあわせもった大人気シリーズの、メジャーリーグ版がついに登場。

[小城由都,ITmedia]

日本人の活躍がめざましいMLBが、とうとうパワプロに

 2006年3月に開催された、野球の祭典「ワールドベースボールクラシック」。幾度もの難関を超え、何と日本は初代世界一に輝いた! あの大会は、野球に興味のなかった人にもきっと大きな感動を与えたに違いない。中でも日本チームを精神的にけん引したイチロー選手の活躍はめざましかった。現役メジャーリーガーとして活躍するイチロー選手が、ニュースを毎日にぎわしたことで、野球というスポーツ自体はもちろん、メジャーリーグ(以下、MLB)に興味を持った人も多かっただろう。

 一方で、日本のプロ野球を見事に表現し、ゲームファンから絶大な支持を得ている野球ゲームが存在する。「実況パワフルプロ野球」(以下、パワプロ)だ。そのシリーズの一連として、本作「実況パワフルメジャーリーグ」(以下、パワメジャ)が登場したとしても、なんら不思議はない。

photo タイトル画面に登場しているのは、ニューヨーク・ヤンキースの帽子をかぶる左バッター。肌の色からして……きっと松井選手なのだろう。日本を代表するMLB選手の1人だ

 先ほどあげたマリナーズのイチロー選手はもちろん、ヤンキースの松井秀喜選手やホワイトソックスの井口資仁選手など、昨今の日本人メジャーリーガーの活躍が光っている。彼らをプレイして、MLBの頂点を決める大会「ワールドシリーズ」で活躍させたい、と熱望するファンも大勢いるはずだ。現に、昨年のMLBを制したのは、井口選手の所属するホワイトソックス。このシチュエーションを再現したいと願うのは、野球ファンとしては当然のことといってもよいだろう。

 とうとうその夢がかなった。しかも、日本が誇る野球ゲームシリーズとタッグを組んで。これはニュースである。その証拠となるかは分からないが、筆者は本ソフトを入手するためにゲーム屋を何件かハシゴするハメにあった。どこに行っても“売り切れました”というではないか。

 正直、ちょっとナメていたかもしれない。こんなに売れているとは思わなかった。なぜなら、筆者には一抹の不安があったからである。

まず誰もが抱く疑問“何が違うの?”

 よく、日本で行われているのは“プロ野球”であり、MLBで行われているのは“ベースボール”である、と言われている。同じスポーツ、同じルールであっても、素人目にも分かるくらい、両者は違う。しかし、不思議なもので、ここが違うとはっきり言い切ることができない。その辺りは正直、“空気が違う”としか言いようがないのではないか。

 もちろん細かいプレイが違うといえばそれまでだが、それをいちいち羅列すれば、プロ野球とベースボールの違いになるのかというと、それも違う気がする。そんな微妙な違いしか感じることができない両者。それをパワプロという既存のシステムに当てはめて、MLBを表現しようとしたパワメジャ。ここで筆者は不安を感じた。

 選手が違う。年間の試合スケジュールが違う。球場が違う。しかしシステムはパワプロだ。パワプロはプロ野球を表現するために開発されたゲームのはず。もし、先にあげた3つの違いを組み込んだだけでMLBを表現しようとしたのであれば、プレーヤーはかなりガッカリするだろう。当然、筆者も相当ガッカリすることは想像に難くない。

 しかし、そんな不安は意外とアッサリ打ち破られることになる。

メニュー画面からは違いが分からないが…

 実を言うと、ゲームのメニュー画面が表示された時、不安は加速した。パワプロとの違いを感じることができなかったからである。メニューは以下のとおり。

photo パワプロシリーズと同じ作りのメニュー画面に、ちょっと不安になった筆者だったが、微妙に違う部分も

●対戦
●シーズン
●アレンジ
●サクセス
●リーグ
●ホームラン競争
●練習
●選手カード
●ショップ
●サウンド
●データあれこれ
●表示スタイル

 シーズンとは、パワプロでいうペナントのことを指す。公式試合と同じスケジュールで1シーズンを通して戦い抜き、優勝することを目指すモードだ。ここでちょっと面白いのが「選手カード」の存在になる。

 これはゲームをプレイすることでポイントをため、MLB選手の詳細が表示されるカードを購入することができる、というもの。一時期流行したプロ野球カードのように、10〜20枚のパックを購入する。当然、カードがダブることもあるため、ポイントを使えば必ず全選手がそろうというわけではない。コレクター魂をくすぐられる仕掛けが施されているのだ。

 表示スタイルでは、MLB形式かプロ野球形式かを選択することができる。大きな違いは、球速を表示する単位が「km/h」から「mph」に変化し、カウント表示が「SBO」から「BSO」に変化する。そして、実況も日本語から英語になる。MLBを日本のテレビで見ていると、日本語の解説が入るため、あまりこの空気になじみのない人のほうが多いだろう。MLBのカラッとした雰囲気を味わってみたいなら、ぜひMLB表示に設定を変更することをオススメする。

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