世界中のサムス・アランたちへ――集え! Wi-Fiの旗のもとに:「メトロイドプライムハンターズ」レビュー(1/4 ページ)
ニンテンドーDSに「メトロイド」シリーズ最新作が登場した。本作はDSの持つ描画能力をフルに生かしきったFPSだ。充実の1人用、豊富な対戦モード、ボイスチャットも可能なWi-Fi対応という盛りだくさんの内容で、遊びごたえのあるものに仕上がっている。
3D表現を得て広がった「メトロイド」の世界
初代「メトロイド」がファミリーコンピュータのディスクシステム用ゲームとして世に出たのが1986年のこと。昨年「スーパーマリオブラザーズ」が生誕20周年を迎え大いににぎわったのは記憶に新しいところだが、「メトロイド」も今年で20歳になったというわけだ。
その独特の世界観とハードなアクション、そして適材適所でアイテムを駆使しなくては先に進めない絶妙な謎解きが好評を博した初代「メトロイド」は、確実に一定のファンの心をつかんだ。真のエンディングを見ることで分かる「主人公のサムス・アランが実は女だった!」というネタが話題になったのも今は昔。その後はスーパーファミコンやゲームボーイ、ゲームボーイアドバンスなどで続編が登場し、いずれも良質な2Dアクションゲームとしてファンに親しまれてきた。
一方、ゲームキューブで2003年に登場した「メトロイドプライム」では、2Dアクションである従来の「メトロイド」とは異なり、First Person View(一人称視点)が採用された。3Dで表現された画面にはサムスとしての視界が広がり、敵たちは遠方から自分に向かって襲い掛かってくる。操作感覚は2Dとはまったく異なるが、これはこれで「メトロイド」の芯であるハードなアクションと、アイテムを得て進化しながら謎を解く感覚は損なわれていなかった。
メトロイド プライムシリーズはその後「メトロイドプライム2 ダークエコーズ」(ゲームキューブ)、「メトロイドプライムピンボール」(ニンテンドーDS ※「メトロイドプライム」の世界観で遊べるピンボールゲーム、という異色作)がリリースされ、そして本作「メトロイド プライム ハンターズ」の登場となる。メトロイド プライムシリーズの流れを受けた本作は、本格的なFPS(First Person Shooting:一人称視点シューティング)として作られており、ニンテンドーDSの持つ描画能力をフルに活かしきったと言える3D空間を堪能することができる。
サムスとなって並みいるハンターたちと戦え――アドベンチャーモード
まずは基本操作とともに1人用である「アドベンチャーモード」についてお伝えしていこう。
今作の操作モードはプレーヤーごとに4つのスタイルから選ぶことができる。基本は「タッチペンR」と呼ばれるモードで、十字キーで移動、Lボタンでファイア(発射)、右手に持ったタッチペンで視線の上下と方向転換(スクリーンをすばやく2回タッチするとジャンプ)ができる。
そして左利きの人などのために「タッチペンL」がある。要は「タッチペンR」の逆で、A、B、X、Yボタンで移動、Rボタンでファイア、左手に持ったタッチペンで方向転換という操作モードだ。この他にタッチペンを一切使わない「デュアルL」と「デュアルR」があり、それぞれ十字キーとA、B、X、Yボタンを駆使して移動と方向転換が可能。左と右、どちらを移動にあてるかはモードによって違う。
筆者は基本とされている「タッチペンR」で違和感なく操作できたが、タッチペンによる操作でしっくり来ない人、右手の操作で移動したい人などは、他の操作モードも試してみるといいだろう。
1人用であるアドベンチャーモードは、名うてのバウンティハンター(賞金稼ぎ)、サムス・アランを操り、「アレンビッククラスター」という星域を探索するモード。「究極の力」と「オクトリス」の謎を追って、複数の惑星や宇宙ステーションをまたぐ冒険を繰り広げることになる。謎多き生命体やクリーチャーたちを倒しながら宇宙空間を移動するサムスの前には、同じくバウンティハンターであるライバル「サイラックス」、「ウィーヴェル」、「トレース」、「カンデン」、「ノクサス」、「スパイア」の6人が立ちはだかる。彼らとのオクトリス争奪戦の末に、サムスが見るものは何なのか……。それは実際にプレイして確かめてほしい。
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