これまでのシリーズをいいとこ取り――珍しくも中身はしっかりしたドット絵RPG「イリスのアトリエ グランファンタズム」レビュー(1/3 ページ)

ガストの看板タイトルといえば、1998年に誕生した「アトリエ」シリーズだろう。その最新作「グランファンタズム」が、いよいよ発売となった。従来の調合中心路線から一転して、本格派RPGへと転向した作品の3作目は、どのようなタイトルに仕上がっているのだろうか?

» 2006年07月07日 15時09分 公開
[篠崎薫,ITmedia]

新たな道を模索し始めた、イリスのアトリエシリーズ

 アトリエシリーズといえば、アイテム同士を調合して新たなアイテムを作り出すという、これまでにない斬新なアイデアが功を奏し、ガストを一躍有名にしたタイトルだ。単純なルールと何度も遊べる面白さで、1作目は約30万本を売り上げたと言われている。

 そんなアトリエシリーズだが、途中で何度か舞台を変更しているのを知っているだろうか。最初に発売されていた3作品(+1本)は「ザールブルグ」という土地だったが、次の2作品は「グラムナート」を冒険の場所としていた。さらに、イリスのアトリエシリーズになってからは、まったく別と思われる世界へと舞台を移しているのである。ただし、主人公が錬金術師なのは、シリーズを通して変わっていない。

photo タイトルを見ると分かるように、イリスのアトリエシリーズとしては3作目であるものの、ナンバリングはされていない

 また、5作目までは調合を中心としたゲーム内容だったが、6作目(イリスのアトリエシリーズ)からはRPG色が前面に打ち出された作品に変わっている。その中でも本作は、1〜5作目の要素を数多く取り入れながらも、イリスのアトリエシリーズで培ってきたRPG的な部分も大事にしている、いわばいいとこ取りのタイトルとして仕上がっているのだ。故に、タイトルが“イリスのアトリエ3”とならなかったという。それだけ気合いの入ったタイトルとなれば、必然的に中身が気になるところ。順を追って一つずつ見ていこう。

シンボルエンカウント方式になり、より遊びやすく

photo すっかりお馴染みとなった、斜め上からの見下ろしマップ。もちろん、全てドット絵で描かれているので、暖かみが感じられる。なお、前作などと比べると、少し等身が上がっているのが分かるだろう

 イリスのアトリエシリーズでは、舞台はさまざまな場所へと変化している。1作目はレ「ガルザイン大陸」、2作目では「孤高世界エルフ」と「異世界ベルクハイデ」が舞台だった。そして本作の舞台となるのは、主人公たちが暮らす「水上都市ゼー・メルーズ」と、5つの異世界だ。物語は、8つの宝石を集めればどんな願いでも叶うという魔導書「エルスクーラリオ」を中心として展開される。

 魔導書を受け継ぐ「イリス」と、一緒に住む「エッジ」の2人が主人公だ。ギルドから仕事を請け負い、それをこなすことで生計を立てるミストルースと呼ばれる仕事に就いている彼らは、ミストルースとしての日々を過ごすうちに、少しずつエルスクーラリオの核心部分へと迫っていくことになる。さらに、魔導書を狙う人物たちも登場し、それぞれの思惑が複雑に絡み合ってストーリーは盛り上がる。最終的に、願いを叶えるのは誰なのか。また、その内容は……?

photo 画面右にある砂時計と、そこから延びているマークが探索時間。砂時計の回転とともに丸が1つずつ消えていき、すべてなくなると強制的に街へと戻されてしまう

 今回は、5つの異世界を旅することになるのだが、そこでは特殊な力が働いているため、一定時間しか滞在することができない。その間に、ミストルースたちは目的を達成する必要があるのだ。そのため、かなり緊張感のある冒険が楽しめる。これに関しての意見はいろいろあるようだが、個人的には非常に良くできたシステムではないかと感じた。最初はパーティも弱く、頻繁に敵との戦闘が発生するため、時間を取られてなかなか奥へと進めない。しかし、レベルが上がるに連れて敵を簡単に倒せるようになるため探索範囲が広がり、思った以上のワクワク感が出てくるのだ。


photo スライムもどきを剣で斬りつけると、戦闘開始。ジャンプして逃げることもできるので、戦わずに目的を達成することもできてしまう

 そこで重要になってくるのが戦闘システム。今回はシリーズ初となる「シンボルエンカウント」が採用されている。スライムのようなシンボルがフィールドをうろついていて、それに接触するか□ボタンを押して剣を振り下ろすと、戦闘シーンに突入するのだ。シンボルを剣で斬りつけた場合は、必ずイニシアティブを取れる。

 しかし、ジャンプするなどして敵に接触さえしなければ、無視して先に進むことも可能だ。敵に近づいても、向こうからすごい勢いで近づいてくるようなこともない。戦うも逃げるも、プレーヤーの思いのままなのだ。といっても、逃げてばかりではキャラが育たないため、後々困るわけだが……。

photo パーティが強くなると、戦闘シーンに入らずに敵を倒せるため、サクサク進む。こうなると、ストレスを感じることなくゲームを進められる

 シンボルは最初、白か赤色で表示されているが、パーティのレベルが上がり相手が弱くなると、青色で表示されるようになる。これを斬りつけると、戦闘シーンに入らずにフィールド上で倒せてしまう。相手が持っているお宝も頂戴できるので、片っ端から倒しまくってしまった。それまでは戦闘シーンで戦っていた相手を一撃で倒せるのは、とても気分爽快(そうかい)。ストレス解消にももってこいだ。

 しかも、時間の節約にもなるので、異世界での探索範囲がグンと広がる。こうなると、時間のことをあまり考えずに、あちこち歩き回れるのだ。探索範囲が少しずつ広がっていくのは非常に面白く、前述したワクワク感につながっている。実際、プレイするまでは抵抗感を感じていたものの、遊んでみればシステムに違和感を感じることはまったくなかった。かなり良くできたシステムと言えるのではないだろうか。

(C)GUST CO., LTD. 2006 / Character designed by Gust / Illustration:双羽 純
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. /nl/articles/2404/21/news005.jpg 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  3. /nl/articles/2404/22/news028.jpg 0歳双子を19時15分に寝かせ続けたママ→1年後…… メリットだらけの挑戦記録に「偉い&すごい!」「寝る子は育つ、その通りですね」
  4. /nl/articles/2404/21/news013.jpg 【今日の計算】「101×99」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/16/news027.jpg 中古軽自動車をキャンピングカー仕様にして日本一周するカップル 車内で料理中、思わぬアクシデントが…… その後の姿に「すごい」「尊敬します」
  6. /nl/articles/2404/22/news122.jpg 「あの頃の橋本環奈すぎる」21歳の無名アイドル、幼少期ショット公開で再びどよめき「凄い完成してる」「美少女の片鱗が見えすぎてる」
  7. /nl/articles/2404/22/news026.jpg ご機嫌でルンルンステップを踏む柴犬、それをパパがまねすると…… ルンルンはひとりで楽しみたい派の塩対応に「めっちゃ可愛い」と100万表示
  8. /nl/articles/2308/31/news023.jpg 庭の草刈り中に小さな卵を発見、孵化させてみたら…… 命の誕生の記録に「すごい可愛い!」「すてきな家族」
  9. /nl/articles/2404/21/news029.jpg 飼い主を引っかいてしまった黒猫“自分の犯した過ち”に気が付いて…… いつもと違う行動に「反省してるのが分かる〜!」と190万再生
  10. /nl/articles/2404/22/news020.jpg 「飼い主ビビる」猫たちに猫草をあげたら……“ちがうもの”を食う1匹の姿が182万表示! 予想外の展開に「ちょっww」「狂気を見た」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」