文章あってのサウンドノベル――「かまいたちの夜×3」は原点を見つめ直した作品である:「かまいたちの夜×3」落合信也ディレクターインタビュー(1/2 ページ)
シリーズ完結編として「かまいたちの夜×3」が発売され、早くも透や真理たちのその後を見ることができた人たちも多いのではないだろうか。本作のディレクターである落合信也氏に、制作秘話とストーリー解決のための、ちょっとしたヒントなどをうかがった。
「かまいたちの夜」と「かまいたちの夜2」に続く、人気サウンドノベルシリーズの最終章となる「かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相」(以下、「かまいたちの夜×3」)。本作の舞台は「かまいたちの夜2」で使われた監獄島であり、それをどう料理するのかが注目された。ふたを開けてみれば、「かまいたちの夜」が好きだった人、「かまいたちの夜2」に不満を持っていた人の気持ちをくんだ、完成度の高い作品に仕上がっていると評価できると思うのだが、プレイした人はどのような感想を抱いただろうか。
今回、ディレクションを担当した落合信也氏にインタビューするにあたり、犯人に触れてしまうような重要な部分は避けつつも、ところどころ、本編をクリアするためのヒントを含めて話をうかがった。このインタビューを読むことで、物語を数倍楽しめたとしたら幸いだ。
サウンドノベルへのこだわり
――落合さんのプロフィールについて聞かせください。
落合信也氏(以下、落合) 最初はグラフィックデザイナーとしてチュンソフトに入社しました。ちょうどスーパーファミコンの「トルネコの大冒険〜不思議のダンジョン〜」に関わって、スーパーファミコン版「かまいたちの夜」で悪霊編の画コンテを描いたり、演出の仕事も少しだけしていました。その後、「不思議のダンジョン2 風来のシレン」のグラフィックに携わり、「街」では七曜会の演出を担当しています。プレイステーション版に移植したサウンドノベル3作品の仕様制作にも加わっていますね。「かまいたちの夜2」では初めてディレクションも行っています。
――どちらかと言えば演出の仕事が多いようですが。
落合 自ら望んでやらせてくれと手を挙げました。そのため「街」の七曜会の時は、演出もやりながらグラフィックも担当する、という大変な目にあいましたけど(笑)。ただ、もともと演出に興味があったので、楽しんでやらせてもらいましたよ。
――グラフィックが専門だった落合さんが、演出を担当されたら、画像に対するこだわりは大きくなるのではないですか?
落合 そうですね。「かまいたちの夜2」でも、力を入れてしまいましたし。タイトル自体は続編なので、“続編らしくなければならない”などの縛りはありましたけど、こだわりというより、そちらをいかに表現するかに注力していました。とはいえ、細かいところはどうしてもこだわってしまいましたね。みんなが気づかないような、本当にわずかなところなんですけど……。
――例えばどのようなところでしょう。
落合 「かまいたちの夜2」でいえば、最初のシーンで送迎船に乗って島に向かうじゃないですか。この時、船の針路は画面左方向でなければならないんです。それは、舞台の上手から下手を意識しているというのもあるのですが、サウンドノベルの特性がそうさせたんです。ゲーム中、文字は左から右に流れますよね。あれが、向かい風の役割を果たしているんですよ。これが逆になると、船が進んでいる感じが出ないんです。あと、文字を左側から出すので、画面の右側が余りますよね。比較的余白が多い。だから、詳しく見せたい要素は右側に配置するようにしているんです。
――そんなこだわりがあったんですね。まったく気づきませんでした。
落合 それでいいと思っています。気づかれてしまったらある意味それは演出じゃなくなってしまうので。気が付かないように作らなければならないんです。
――ほかにもこだわりの演出部分はあるのでしょうか。
落合 サウンドノベルで大切なのはタイミングなんです。プレーヤーが文字を読んで、脳に情報が入っていく順番というものを計算しているんですよ。例えば、プレイステーション 2になって処理速度が速くなると、絵や音、テキストなどをいっぺんにドカッと見せることができます。ただ、こうなると情報が多すぎて、プレーヤーは混乱してしまう。そこで、最初に音を出しておいて雰囲気を作り、次に絵を出した後にゼロコンマ数秒の間をとってからテキストを出すんです。すると、すんなりと物語に入っていくことができるんですよ。
――サウンドノベルが乱発されていた時期、いくつかプレイしたのですが、チュンソフト作のものほど衝撃を受けた作品はありませんでした。やはり作り手としてのそういったプレーヤーが気づかない部分でのこだわりが、面白さをより際立たせているんでしょうね。
落合 それがチュンソフトの良いところかもしれないですね。一見簡単に作っていそうに見えるゲームでも、とことんこだわるというか。
もっと早く出るはずだった
――「かまいたちの夜×3」の開発にいたった経緯について聞かせてください。
落合 開発にいたった経緯というか、実は最初はあそこまで物語のボリュームを増やす予定ではなかったんです。もっと少量のエンディングで、1年から2年くらいの短い期間で制作して、3800円くらいで販売できればと思っていました。しかし、作っているうちに話がどんどん膨らんでいって……いつの間にかあんなボリュームになってしまったんです。
――ボリュームが増えていったのはなぜでしょう。
落合 まず、複数のキャラクターを主人公にしてシナリオを展開させることが、想像していたよりもずっと大変だったことが挙げられます。彼らひとりひとりのつじつまを合わせようと頑張っていたら、いつのまにか量が増えていました。これは我孫子武丸さん(脚本担当)も予想外だったようです。同じ舞台で同じことが起こるわけだし、いくら複数の主人公がいるからといってもすぐに書けるだろうと思っていたら、主人公ごとに異なる心理を描くことが予想していたよりも大変だったと言っていました。心理描写にかなりこだわっていただいたおかげで、シナリオはどんどん良いものになっていったのですが、その分、ボリュームもどんどん増えていきました。それと極めつけとしては、販売がセガさんに決まったこともあります。先ほども言いましたが、サクッと発売したかったんです。だから、最初はピンクのしおりも入れていなかったんですが、それをセガさんに伝えたところ、目を丸くして“ピンクのしおりがない「かまいたちの夜」なんてありえないですよ!”と怒られてしまいまして(笑)。“分かりました。、じゃあ今から作ります”と答えてしまったせいで、さらにボリュームは膨らんでいきましたね。
――今回のピンクのしおりのシナリオは、今までとはちょっと違いますよね。アニメ画っぽいのが今風というか。
落合 それは前作の時よりも規制が厳しくなっていますし(CEROによるレーティングが2002年10月よりスタート。暴力表現や性表現などの度合いにより、A〜D、Zの年齢区分マークが付けられる)、“15歳以上はプレイできるものを”と考えてのことですね。ある程度は抑えざるを得なかったというか、エロティックなものよりも、ギャグ表現のほうが多いものにしようと考えました。実はプロットの段階ではもっと過激だったんですよ。女性キャラクターも、もっと激しい設定がたくさんあったんですが、柔らかく柔らかくしていって、あの形に落ち着きました。
――あの絵柄でピンクのしおりを表現したのには、理由があったのでしょうか。
落合 たくさんの女性キャラクターを登場させても、シルエットだとどうしても華やかさに欠けてしまうんです。だから表情をつけたり色をつけたりしたんですが、通常のシルエット表現に合わなくて。それであのような絵柄にしてみました。メインストーリーを終えた後ですから、ある程度、表現に遊びを入れても良いんじゃないかと。
――本作には「かまいたちの夜」と「かまいたちの夜2」のメインシナリオも収録されています。個人的に印象だった「かまいたちの夜」のシーンに、ソファーで香山夫妻、透、真理が最初に団らんしている時、香山が強引に透を会社に誘う場面があり、スーパーファミコン版では、香山がセリフを発するたびに、香山のテーマソング「男の大往生」のイントロが流れていたのですが、「かまいたちの夜×3」ではこの曲が流しっぱなしになっています。これが非常に残念でした。
落合 すみません(笑)。言い訳をさせていただくと、あれはテキストを表示するタイミングに、音楽が間に合わかったんです。音楽は圧縮技術を使ってDVD-ROMに記録してあるんですね。これを再生する時は、一度圧縮を展開する必要があるんです。それで、どうしてもテキストよりほんの少しだけ遅れて音楽が再生されてしまい、スーパーファミコン版のようなリズムが作り出せなかった。そんなみっともないことをするよりは、音楽を流しっぱなしにしたほうが良いのではないか、という判断からああなりました。
――今回は我孫子さんが中心になってシナリオを書かれたということですが、どういったいきさつからそうなったのでしょう。
落合 「かまいたちの夜2」の時は、我孫子さんには主に監修をやっていただいて、ほとんどシナリオは書かれていませんでした。そのせいか、書き足りなかった部分があったらしいんですよ。それを耳ざとく中村(チュンソフト代表取締役の中村光一氏)がキャッチして、私も個人的にもやり足りなかった部分があったので、中村に“もう一作作らせてくれないか”と相談したんです。
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