今度のボンバーマンは揺れるんです――美しくもリアルに進化した国民的ゲーム:「ボンバーマン アクト:ゼロ」レビュー(2/2 ページ)
シングルバトルは超ストイック
ゲームモードには「シングルバトル」と「ワールドバトル」の2つが存在する。シングルバトルでは、ステージごとに登場するライバルを倒し、全99面をクリアすることが目的となる。なお、過去のシングルモードのような“モンスターを全滅させる”タイプではなく、“コンピュータが操る敵ボンバーマンと戦う”という対人戦に似たスタイルとなっている。
敵が自分と同じボンバーマンのため、アイテムパネルを入手してパワーアップすることもあれば、敵自身がボムで自滅することもある。当然、プレーヤーにも積極的に攻撃を仕掛けてくるため、序盤のステージからかなり緊張感あふれる戦いを楽しめるのが魅力だ。特にリモコンを取ったコンピュータの強さは恐ろしいのひと言で、冗談抜きで一瞬たりとも気が抜けない戦いとなる。
なかなかに激しい戦いが楽しめるシングルバトルだが、筆者はコンティニューが不可能かつ、残機は1機のみという、非常にストイックな仕様が気になった。爆風に耐えるためのアイテムが存在するため、これを取ればある程度は楽になるが、それでもハードな仕様であることも確かだ。せめて中断セーブぐらいは欲しかったと思う。
やっぱりメインはネット対戦
ボンバーマンと言えば、やはり対戦プレイは外せないところ。分かりやすいため、老若男女だれでも楽しむことができ、しかも奥が深い。友だち同士で遊ぶことはもちろん、普段ゲームを遊ばない人との接待プレイなど、さまざまな機会での盛り上げアイテムとしても役立つ。
本作には、Xbox Liveにてネット対戦が可能な「ワールドバトル」がある。スタンダードかFPBかのプレイスタイルの選択や、何本先取かといったルールは、部屋を作成したホストが設定可能だ。プレイ人数は最大で8人だが、8人集まるまで待ちきれずにゲームを始めてしまうことも多いように感じた。
実際の対戦プレイは、これぞボンバーマンの真骨頂! といった感じで大いに盛り上がる。何とかしてこちらを倒そうと執ようにボムを置いてきたり、明らかに関係なさそうな場所へフェイントでボムを置いたり、死なばもろともとばかりにやたらめったらボムを置きまくるなど、コンピュータ戦では絶対にありえない戦いを楽しめる。当然、コンピュータに比べて勝ち抜くことは困難だが、そのぶん勝てたときの喜びも大きくなる。
また、対人戦の場合、緊張感から生まれるミスが多くなることも見逃せない。うっかり行き止まりにボムを置いてしまってどうしようもなくなったり、爆風が来ない場所で待っていたら相手が壁をすり抜けて(そのような効果があるアイテムが存在する)目の前に爆弾を置かれて閉じこめられたり……と、とにかく多彩なやられ方を経験する。もちろん悔しいのだが、その“予想外の倒され方”すら楽しめるのが、ボンバーマンの魅力だろう。
なお、ワールドバトルでは、プレイ後にスコアが入る。このスコアを競うランキングシステムもあるため、スコアを狙い始めればかなりの長期間楽しめるはずだ。ただ筆者は、試合が終わった後、部屋を強制的に解散させられてしまうのが気になった。続けて遊びたくても、再びサーチしたり、部屋を作成する必要があるのは、少々面倒だろう。この辺りのシステムは、ぜひとも改善してほしいところだ。
対戦はオンラインのみで、オフラインでは楽しめないなど、ほかにも多少の不満もある本作。だが、それもこれも「3129円(税込)」という価格を出されては、“仕方がないか〜”と納得してしまう。ボリュームが少なくとも、コストパフォーマンスはバツグンなのだ。
ボンバーマン アクト:ゼロ | |
対応機種 | Xbox 360 |
メーカー | ハドソン |
ジャンル | アクション |
発売日 | 発売中 |
価格 | 3129円(税込) |
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