「ゼーガペイン XOR」レビュー:Xbox 360にエンタングル!――放送中のアニメと密接に絡み合うストーリーに興味津々 (1/3)
濃密な世界観と、謎の多いストーリー、個性的な人物描写で話題のテレビアニメ「ゼーガペイン」が、Xbox 360で初ゲーム化。アニメもゲームもHD画質で製作するという試みに加えて、現在放送中のアニメと深く関わり合うゲームのストーリーにも興味がわく。
マイクロソフト×バンダイ×サンライズによるハイデフ時代のメディアミックス作品
テレビ東京系で4月から始まり、現在も放送中のアニメ「ゼーガペイン」。そのメディアミックス作品としてXbox 360で今夏に発売されたのが、この「ゼーガペイン XOR」だ。実は白状すると、気にはなっていたものの、いままでアニメ版のゼーガペインを一度も見たことがなかった。さすがに何の予備知識もなしにゲーム版をプレイするのは無謀かなと思い、まずはアニメを見て少しお勉強することから始めることにする。
いろんな意味で驚いた。この作品は製作段階からHD画質で行われているとのことで、地上デジタル放送(BSデジタルでも放送中)では1080iの16:9比率で放送されていて、その映像の美しさに驚いたのがまず1つ。また、夕方6時という時間帯に放送されているアニメとは思えないほど、複雑なストーリーと難解な世界観にも面食らった。初めから通しで見ていないこともあって、「本物の人間になれたら」だの「幻体って呼ぶのと同じ」といったセリフに混乱したが、要するに現実世界の人間はとうに滅ぼされていて、主人公たちにも肉体はなく、サーバ内の仮想現実で生きる意識体のようなものなのだ。そして、大半の人々はそのことに気づかず暮らしているが、「セレブラント」と呼ばれる、主人公など一部の者は、自分がデータ化された人間(=幻体)であることが分かっていて、ゼーガペインと呼ばれるロボットに搭乗して現実世界で敵と戦うことができるわけだ。
この現実と虚構が複雑に入り組んだ世界設定を見て、ふと頭に思い浮かんだのが「13F」という(ちょっとマイナーな)SF映画。原作は、いまから40年以上も前に書かれた「模造世界」(ダニエル・F・ガロイ)というSFミステリーで、映画と小説では内容が少し違うのだが、電子的に作り出した仮想社会に、アイデンティティを持った仮想人間を住まわせるというお話で、やはり自分が仮想現実の中で生きていることに気づいてしまった者が描かれている。ほかにも類似する小説や映画はあるが、ひょっとしたらゼーガペインもこのあたりから着想を得ているかもしれない。
また、「デフテラ領域」やら「ウェットダメージ」などなど、聞き慣れない言葉がポンポン飛び出すあたりも、マニアックでミステリアスなムードを漂わせる。量子力学までモチーフにしている部分もあるようで、ますます難解。ゲーム版の「ゼーガペイン XOR」というタイトルも、おそらくは半導体設計の基本素子にもよく出てくる「XOR」(Exclusive OR:排他的論理和)というロジック演算から取っているのでは?
そのゲーム版だが、マイクロソフト、バンダイナムコゲームズのバンダイレーベル、サンライズが手を組み、Xbox 360専用ソフトとしてリリースされている。旧Xboxを含めても、和製アニメのゲーム化作品がXbox陣営のみで展開されるというのは、かなり珍しいケースだと思う。内容はアクションシューティングで、プレーヤーはゼーガペインのパイロットとなり、次々と現れる敵を倒しながら与えられたミッションをクリアしていくというもの。ミッションには、全ての敵を撃破するもの、母艦を守りながら目的地まで進むもの、救助を待つ仲間を助けにいくものなど、さまざま。なお、アニメ版の主人公は「キョウ」という少年であるのに対し、ゲーム版では「トガ」というオリジナルキャラクターが主人公で、ストーリーもゲームオリジナルのものになっている。
興味深いのは、このゲームのキャラクターやストーリーが、現在放送中のアニメとも密接に関わり合っていくらしいということ。アニメ版がまだ完結していない現時点では、ゲーム版が最終的にどういう位置付けになるのか分からないが、例えば当初はゲームにのみ登場すると見られていたトガやサラなどの主要キャラクターが、今後放送されるアニメにも登場してくるという。逆に、シズノ、イゾラ、クリスといった、アニメでおなじみのキャラクターがゲームにも登場し、アニメでは語られていない彼らの一面を垣間見るようなシーンもある。また、アニメも謎の多い展開だが、ゲームにもそれとはまた別の謎が出てくる。そもそも、ゲーム中のストーリーが時間軸でアニメの前(もしくは後)にあたるのか、あるいはアニメと平行して進んでいるのかは、詳しく語られていない。
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