Xbox 360にエンタングル!――放送中のアニメと密接に絡み合うストーリーに興味津々「ゼーガペイン XOR」レビュー(2/3 ページ)

» 2006年08月23日 00時00分 公開
[小泉公仁,ITmedia]

簡単操作でスピード感あふれるバトルが楽しめるのが爽快

 ゼーガペインの操作には、コントローラーの全ボタンを使用するので、最初はややこしく感じられたが、攻撃に使うのがAボタン(ショット系の遠距離攻撃)とBボタン(剣などを振る近距離攻撃)の2つだけで、しかもこのゲームでは自機の向きや進行方向にかかわらず常に敵を追尾する「ロックカメラモード」が基本なので、実際の操作は至って簡単。また、Aボタンの長押しでホーミング攻撃になることから、動き回りながらホーミング攻撃を続けているだけでたいていの敵は倒せる。これでは簡単すぎてつまらないと思う向きもあるかもしれないが、広い空間を縦横無尽に飛び回って、敵を片っ端から撃墜するというロボットアニメらしさが手軽に味わえて、個人的には好感だ。ただし、ロックカメラモードでは自動的に敵をロックオンしていくため、視点がめまぐるしく切り替わり、自分がどの方角を向いているのか分からなくなるという難点も。

画像 基本となるのは、Aボタンの長押しによるホーミング攻撃。目視できないほど遠くにいる敵にもちゃんとロックオンされるので、機動力の高い敵に急接近でもされない限りは、ホーミング攻撃だけで対処できる
画像 敵の攻撃にもホーミング性能を持つものがあるので、ブースト(RTボタン)も駆使してとにかく動き回るのがコツ
画像 剣などによる近接攻撃にはBボタンを使い、連打で連続攻撃になる

 ビジュアル面では、“光”を感じさせる演出が多分に見られる。ゼーガペインの機体には、部分的に半透明のパーツがあることが特徴だが、その独特の質感がうまく表れている。また、自機や敵が撃った弾の光跡もキレイで、眼前で敵を破壊したときなどは光があふれ出すような演出も見られる。ただ、Xbox 360のソフトにしてはやや解像感に欠く印象もあって、D4(720p)出力でHDTVに映し出しても画像の精緻さが格段にアップしたようには感じられない。テクスチャや色使いのせいか、巨大母艦らしい重厚感が表現し切れていないのも惜しい。

画像 目の前で敵を撃破したときなど、光があふれ出して自機を飲み込んでゆくような演出が見られる
画像 ビジュアルでとりわけ目を引いたのが、敵であるガルズオルムが作り出したタンポポのような謎の構造物。スクリーンショットでは解像度を落としてあるので細部が曖昧に見えるが、HDTV上ではさらにキレイに見える
画像 Xbox 360のソフトにしては、解像感が若干甘く見えるのが惜しまれるところ

 ゲームの流れは、母艦ドヴァールカーのブリッジで各メンバーと会話するパートと、出撃してミッションを遂行するパートが交互に繰り返される形で進むが、この会話パートのビジュアルや演出が簡素で、どうにも物足りない。アニメがベースの作品だけに、幕間にはテレビ同様のアニメがふんだんに挿入されるのかと思いきや、アニメシーンは全くなく、キャラクターがズームアップされるだけというのはいささか演出不足気味でさびしい。台詞はフルボイスで、目や口も台詞にあわせて動くが、もう少し躍動感のある演出もほしかったところだ。ただ、ボイスアクトはうまいし、その会話内容もファンのツボを押さえたようなものが多く、ウィットに富んでいる。

画像 板状の物質の中に投影されているのは、人間ではなくAI。艦長のレムレスをはじめ、ブリッジには5人のAIがいるが、いずれも感情豊かで人間味がある
画像 キャラクター同士の会話は、ブリッジだけでなく、ミッションの前後やバトル中にも挿入される。「初戦で死ななければ、三戦目までは死なない」と、イゾラ司令から妙な励ましを受けて出撃したトガたちだったが……
画像 無事にミッションを遂行すると、「あれは迷信だ」とのたまうイゾラ司令。まいりました……

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