「BLOOD+」×「One Night Kiss」――藤咲淳一×須田剛一(5/6 ページ)

» 2006年08月29日 13時57分 公開
[今藤弘一,ITmedia]

――今回の「One Night Kiss」はアクションゲームの作りにはなっていますが、「アドベンチャーモード」というモードもあるなど、アドベンチャーとアクションの折衷になっているんでしょうか。

須田 今回のゲームは、間違いなくアニメ側のファンの方が買って遊んでくれるという前提がありますし、アニメのファンに遊んでもらいたいという希望がありました。それに女性も多いと思ったんですね。普段ゲームをプレイしない人にとって、“アクション”ってどう考えても難しいんです。ゲームを普段からプレイしている人に合わせると、100%クリアできない。たとえば、うちのスタッフにも女性がいるんですが、アクションモードをプレイさせると、ボス1体ですら倒せない。ですので誰にでもクリアできるモードは必要ですし、普段ゲームをプレイしない人にこそゲームを体感してほしい、ということがありました。いい意味で「BLOOD+」のファンをゲームの世界に案内するためのデバイスにもしたかったですね。

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藤咲 刀に血を流すときの“ミニゲーム”的な要素をうまく盛り込んでいますよね。「こう流し込んでるんだ」という感覚が分かりましたね。「ぐにゅー」っていう(笑)。あの感じはおもしろかった。

――そういう意味では、「BLOOD」の世界観に合わせた設定を心がけていたんですね。

須田 そうですね。そこはかなり意識をして、うまくできた部分だと思っています。

藤咲 ハジの扱いがおもしろかったですね。「セーブポイントかよ」みたいな(笑)。確かにハジはこうだけどなあ。あとは戦闘中に×ボタンを押すと、ボムとしてハジが飛んでくる(笑)。

須田 ハジは一番好きかも知れません。

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藤咲 アニメの中でも、ハジだけがアニメ的なキャラなんです。ハジだけが異質で。なので見ている側も引かれるんでしょうね。

須田 日常の中にハジという存在が1人いることで、ただならぬことが起こっていることが分かりますよね。ハジ1人でそれを表しているという。

藤咲 ハジがいなかったら、いまの「BLOOD+」はないですね。

須田 ハジの声優である小西克幸さんもいい声ですよね。「戦って」のひとことで全部持って行きますから。

――藤咲さんは「BLOOD+」のシリーズ構成と監督を担当されたわけですが、ゲームとアニメの違いについてどうお感じになりますか?

藤咲 先ほども言いましたが、アニメ以外の作品については、元の設定からぶれていなければ特に口を出すものではないと思っています。用意したキャラクターと設定が変わらなければいいかなと。この子はこうしゃべらないとか、最低限のことが守られていればいいんです。ただ、渡された人が「BLOOD+」というものを解釈して作品ができあがってきたときに、「BLOOD+」になっていれば自分の勝ちかな、と。要は、誰が作っても世界が崩れないだけのものがあった、ということですので。つまらないものだとしたら崩したくなると思うんですよ。なのでそういった部分をある程度踏襲してくれた段階で、「BLOOD+」になってればいいかなと。

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