PCゲームと恋愛シミュレーションと、そのコンシューマー化について考えてみた:CEDEC 2006(1/2 ページ)
CEDEC初日のプログラムとして、恋愛シミュレーションゲームを例に、PC向けゲームの今後を考えるセッションが開催された。
「わが国におけるPCゲームの現状と今後の展望―恋愛SLG市場の成熟と家庭用ゲーム機への移植を中心に―」と題したこのセッションには、東京大学大学院情報学環の吉田正高氏、哲学者、批評家の東浩紀氏、アルケミスト代表取締役の浦野重信氏、ベックの芝村裕吏氏が参加した。
キャラクターが記号化して差別化できなくなり喪失へ向かうのか?
まず吉田氏は、PC向けの“恋愛シミュレーション”ができあがってきた過程について解説。当初、1980年代前半の「マイコン」時代には制作者≒プレーヤーであったのに対し、PC環境が成熟するに従って、1984年の「ザース」(エニックス)、「WILL」(スクウェア)など、RPGのゲーム性にアニメ絵的な表現が加わり、世界観のビジュアライズが進行してきたと語る。
やがてグラフィック機能の発達とともに“アダルトゲーム”が登場する。そして90年代に入り、飛躍的にシェアが拡大するとともに、警視庁によるアダルトソフトの摘発事件も起きるようになる。そこから1992年には「コンピュータ・ソフトウェア倫理機構」が発足する。
さらにWindowsw 95が発売されてからは、サウンド、グラフィックともに進化したことで、恋愛シミュレーションゲームの多様化が始まる。そしてコンシューマー機に恋愛シミュレーションゲームが登場してからは、ゲーム性よりもキャラクター性に話題が集中してきた、と吉田氏。「ゲームの内容よりもキャラクターに話題が集中し、このあたりから恋愛シミュレーションゲームにおけるゲーム性喪失の芽生えが見えている」(吉田氏)。
吉田氏はまた、現在の状況を見るとキャラクターが記号化していると語る。「メガネや金髪といったキャラクターを並べてしまえばゲームができあがる現状。これをプレーヤーも無批判に受け入れている。このままでは差別化できなくなって、そのまま喪失へ向かう危険性もある」(吉田氏)。
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左から吉田氏、東氏、浦野氏、芝村氏







