PCゲームと恋愛シミュレーションと、そのコンシューマー化について考えてみたCEDEC 2006(1/2 ページ)

CEDEC初日のプログラムとして、恋愛シミュレーションゲームを例に、PC向けゲームの今後を考えるセッションが開催された。

» 2006年08月30日 19時59分 公開
[今藤弘一,ITmedia]
画像 左から吉田氏、東氏、浦野氏、芝村氏

 「わが国におけるPCゲームの現状と今後の展望―恋愛SLG市場の成熟と家庭用ゲーム機への移植を中心に―」と題したこのセッションには、東京大学大学院情報学環の吉田正高氏、哲学者、批評家の東浩紀氏、アルケミスト代表取締役の浦野重信氏、ベックの芝村裕吏氏が参加した。

キャラクターが記号化して差別化できなくなり喪失へ向かうのか?

画像

 まず吉田氏は、PC向けの“恋愛シミュレーション”ができあがってきた過程について解説。当初、1980年代前半の「マイコン」時代には制作者≒プレーヤーであったのに対し、PC環境が成熟するに従って、1984年の「ザース」(エニックス)、「WILL」(スクウェア)など、RPGのゲーム性にアニメ絵的な表現が加わり、世界観のビジュアライズが進行してきたと語る。

 やがてグラフィック機能の発達とともに“アダルトゲーム”が登場する。そして90年代に入り、飛躍的にシェアが拡大するとともに、警視庁によるアダルトソフトの摘発事件も起きるようになる。そこから1992年には「コンピュータ・ソフトウェア倫理機構」が発足する。

画像画像画像

 さらにWindowsw 95が発売されてからは、サウンド、グラフィックともに進化したことで、恋愛シミュレーションゲームの多様化が始まる。そしてコンシューマー機に恋愛シミュレーションゲームが登場してからは、ゲーム性よりもキャラクター性に話題が集中してきた、と吉田氏。「ゲームの内容よりもキャラクターに話題が集中し、このあたりから恋愛シミュレーションゲームにおけるゲーム性喪失の芽生えが見えている」(吉田氏)。

画像画像

 吉田氏はまた、現在の状況を見るとキャラクターが記号化していると語る。「メガネや金髪といったキャラクターを並べてしまえばゲームができあがる現状。これをプレーヤーも無批判に受け入れている。このままでは差別化できなくなって、そのまま喪失へ向かう危険性もある」(吉田氏)。

画像画像画像

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2504/19/news087.jpg 皇后さま、華やかなゴールドの衣装 天皇陛下も同系色のネクタイ着用【7万6000いいね】
  2. /nl/articles/2504/19/news051.jpg 湘南の砂浜に打ちあがった“超危険生物”を飼育したら…… 貴重な姿に「初めて見ました」「かっこいい」と大反響→2年後の現在について話を聞いた
  3. /nl/articles/2504/19/news039.jpg 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  4. /nl/articles/2504/18/news140.jpg 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」話題になった飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2403/21/news036.jpg 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  6. /nl/articles/2504/20/news008.jpg 「年中着用したい」 ワークマンの“暑くても着られる”2900円長袖シャツに反響続出 「とにかく涼しい」
  7. /nl/articles/2504/18/news025.jpg 2日かけて組み立てたのに動かない!? 自作PC初心者あるあるの再現が1460万再生「いまいましい」「同じミスしたよ」【海外】
  8. /nl/articles/2504/16/news035.jpg 「ウソだ…」「言葉が出ない」 幼少期から絵を描き続けた少年→15年後…… 大人になって描いた絵が100万再生【海外】
  9. /nl/articles/2504/18/news010.jpg 100均の手ぬぐいを3回縫うだけ…… “ちょっとずるい作り方”の便利アイテムが目からウロコ「おおおすごい」「すてきなアイデア」
  10. /nl/articles/2504/20/news028.jpg 庭にビオトープを作ったら、生物多様性が爆上がりして…… “まさかの生き物”の来訪に驚がく「え?マジすかw」「存在感すごい」と620万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小学生時代「こんなプラモ誰が買うんだよw」→40年後…… “大人になった”を実感するエピソードに「分かる」「特大ブーメランw」
  2. パパに、保育園へ行く娘のヘアアレンジを任せたら…… ママがひっくり返った“仕上がり”が400万表示「重力どこ?」「頑張った感がいい!」
  3. 「神パンツきた」 ユニクロ新作“3990円パンツ”が品切れラッシュの大人気 「過去イチかも」「本当にこれは買い」
  4. なんとなく捨てにくい紙袋→2カ所切り込みを入れるだけで…… 目からウロコの“活用術”に「これすごくいい!」【海外】
  5. 「見習うことばかり」 80代おばあちゃんの春服&収納術がステキ! 上品かつオシャレで「憧れです」「尊敬します」
  6. ファスナーに直接毛糸を編み付けていくと…… 完成した“便利でかわいいアイテム”が100万再生「天才だ」「これ大好き」【海外】
  7. 「尊厳を踏みにじる行為」 八代亜紀さんの“物議のCD”は「流通会社がすでに流通を中止」 タワレコが回答
  8. 古くなったジーンズは捨てないで! 目からウロコの“アイデア”に大反響「なにこれかわいい!」「こんなの作れるんだ」【海外】
  9. 指先サイズの小さな器に木を植えて、育てたら…… 「芸術だ」「半端ない」鳥肌モノの“神盆栽”に反響
  10. 義母「ランドセル代を振り込みました」→銀行口座を見ると…… 2児ママ絶叫の“神対応”が1520万表示「凄すぎる!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  3. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  4. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  6. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  7. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  8. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  9. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  10. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】