ニュース
» 2006年08月30日 20時21分 公開

クリエーターの努力次第で“新たなゲーム表現”が生まれるCEDEC 2006

昭和女子大学にて開催されている「CEDEC 2006」において、セガのR&Dクリエイティブオフィサーである名越稔洋氏によるセッション「これからのクリエーターのあり方とゲーム表現と倫理哲学の重要性について」が行われた。

[遠藤学,ITmedia]
photo セガ R&Dクリエイティブオフィサー 名越稔洋氏

 2006年8月30日から9月1日の3日間、昭和女子大学にて開催されている「CESAデベロッパーズカンファレンス 2006」(以下、CEDEC 2006)において、セガのR&Dクリエイティブオフィサーである名越稔洋氏によるセッション「これからのクリエーターのあり方とゲーム表現と倫理哲学の重要性について」が行われた。

 セッションはプレイステーション 2用ソフト「龍が如く」を参考例として進行。「龍が如く」は、これまでにない新しいゲーム、大人のためのエンターテイメントを目指し制作が進められたタイトルで、人間の欲望、愛、人情、裏切りといったドラマの数々が胸に突き刺さるアクションアドベンチャーとなっている(レビューはこちら)。

 「社内的にけなされることはあっても、褒められることはなかった」と、名越氏は「龍が如く」プロジェクトについて振り返る。ただし、どんなに否定的なことを言われても、それを不満に思ったことはなかったという。「批判は覚悟の上。逆に何かが変わるのか? という期待に対するプレッシャーのほうが大変だった」(名越氏)

 「龍が如く」の制作を進めるうえで、名越氏が重点を置いたのは「マーケティングの絞り込み」、「開発費を使う」、「プロジェクトに関わったすべての人に説明をする覚悟」の3つ。「重点を絞り込むことで、表現の必然性をはっきりさせたかった。そうすることで新しいものが生まれ、それに付いてくるユーザーがいる。その証明をしたかった」(名越氏)のだという。

 続いて名越氏は、ゲームの表現や倫理基準について言及する。まずは敵を倒していくアクションアドベンチャーを例に取り、現在の基準についての説明を行ってくれた。それによると、アクションアドベンチャーにおいて、プランナーがまず考えるのは“殺す対象は何なのか?”になるのだという。この時、殺す対象が人間だとNGが出てしまうが、“人間じゃないものにする”、“戦国などに時代を変える”などのような回避方法が存在するとのこと。この基準を名越氏は「非常にあいまいな線引き」と一蹴する。

 「本来はその表現がなぜ必要かという必然性の部分と、対象に対する責任が考えられるべきで、その上で表現の選択をさせてもらいたい。絵だけで線引きをしていたら、あまりにできないことが多い。現在の基準で言えば、ピカチュウが血を吐きながらけいれんを起こしても問題はない。だけど誰もやらないし、やるべきでもない。そんなことをしたら子どもたちがトラウマを抱えてしまう。でも、今の基準ではOKになる。つまり対象に対する責任は考えられていないということ。ゲームの価値観が変わっている以上、そこにはしかるべき倫理基準がなければならないはずで、それによって正しい基準が生まれる。クリエーターが表現したいものがもっと引き出しやすくなる」(名越氏)

photo

 社内からの批判や、新しいものに挑戦するプレッシャーなど、さまざまな苦難を乗り越えて制作した「龍が如く」では苦労も多かったと思われるが、何よりも「勉強になった」と語った名越氏。

 最後には来場した多くのクリエーターに、「エロやバイオレンスに限らず、越えなきゃいけないハードルはたくさんあるが、越えること自体を面倒くさいと思っている人が業界には多い。それをさぼりすぎていたことが、こうなった大きな要因。クリエーターは越える努力をすべき。ユーザーは新しいものを求めていて、それをクリエーターが“もうこれ以上は”としてしまったら、先にはつながらない。海外はどんどんそういうところに投資していて、このままだと日本だけ離れ小島のようになる可能性がある。表現についてもっと突きつめないといけない。たくさんの人を幸せにできるゲームを提案して、夢のある環境を作っていきましょう」と訴え、セッションの幕を閉じた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

先週の総合アクセスTOP10

  1. 「前歯を取られ歯茎を削られ」 広田レオナ、19歳デビュー作で“整形手術”を強制された恐怖体験
  2. ゴマキの弟・後藤祐樹、朝倉未来とのストリートファイトで45秒負け 左目腫らした姿を自ら公開し「もっと立って闘いたかった」
  3. キンタロー。浅田舞の社交ダンス挑戦を受け体格差に驚がく 「手足が長い!!」「神様のイタズラがすぎるぞ!!」
  4. おばたのお兄さん、“高額”ギャラ明細を写真で公開 「こんなに稼いでるんですね!」
  5. 仲村トオルと鷲尾いさ子の長女・美緒、23歳の誕生日に姉妹ショット 親譲りの美貌&175センチの長身
  6. ゴマキ弟、朝倉未来との瞬殺試合に「抵抗してるつもりだった」 “怪物”がメッタ打ちする姿に妻ショック隠せず 「息できなかった」
  7. 店で急に話しかけてくる“なれなれしいオタク”は「逃げて正解」 アキバで勧誘に遭った漫画に「自分も出くわした」と反響
  8. 朝倉未来、1000万円ストリートファイト批判へ反論 一部挑戦者の大けがに「それくらいの覚悟は持ってきているでしょ」
  9. 広田レオナ、12キロ増なデビュー時代の姿を公開「鼻も埋没していった…」 6月には激細姿に焦りも「脚が棒みたい」
  10. 工藤静香、次女・Koki,が腕を振るった“ゴージャス朝食”を公開 過去には「私より上手」と料理スキルを絶賛

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「本当色々あったけど、おかえり」 市川海老蔵、義姉・小林麻耶との再会を胸いっぱいに報告
  2. 「くそが……!」 最上もが、奮発した「Uber Eats」の対応に怒り爆発 1400円ステーキの“中身”に「絶望」「もう頼まねえ」
  3. 葉月里緒奈、美人な元マネジャーと“再会2ショット” 「共演した俳優さん達は私ではなく彼女を口説いてました」
  4. 田中律子、美人な23歳娘とランチデート 2ショットに「本当に親子!? 姉妹だよ〜」「そっくりで美しい」の声
  5. 「やりました!」ニッチェ近藤、半年間で10キロ減量に成功 ダイエット前後の写真に「すごい」「勇気もらいました」
  6. 板野友美、エコー写真とそっくりな娘の顔出しショットを公開 ぱっちり目の美形な姿に「こんな美人な赤ちゃん初めて見た」
  7. 木村カエラ、夫・永山瑛太と“意外な場所”で出会って驚き 「連れて帰りました」報告にファンほっこり
  8. 戸田恵梨香、水川あさみと同様に長文公開 「私を追いかけて、どうか車の事故を起こさぬようお気をつけください」
  9. docomo×進撃の巨人キャンペーンの商品「リヴァイ兵長フィギュア」が悲惨な出来だと話題に → 公式が謝罪「対応方法を検討しております」
  10. 加護亜依、「エヴァ」綾波レイのコスプレ姿に絶賛の声 体形くっきりのプラグスーツ&歌唱に「流石は元トップアイドル」