シミュレートしないシミュレーション「スペクトラルフォース」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)
多くの兵士と必殺技が交錯する戦闘シーン
戦闘は3、6、9、11月に行なえる。
気をつけなければならないのは、兵士の補充が1月にしかできないという点だ。しかも「三國志」などと違って、各武将は町ごとに配置されるわけではなく、どの町を攻められても同じ武将で対応することになる(前線と控えに分けられるだけ)。
もし戦闘で兵士を多数失い、控えの兵力もなかったとしたら、次にどこかの陣営から攻められた際、減ったままの兵力で戦わなくてはならなくなる。
だからできるだけ、楽に勝てそうな相手を探して戦闘をする必要がある。そういう相手が見当たらなかったら、無理に戦わないほうがいい(特に3月や6月では)。
隣国が、別の国と戦争を起こしたら、兵士が減るのでチャンス到来といえる。周りに国がいくつもあったら、どこかとあらかじめ同盟を結んでおくのも手だ。
どこを攻撃するかも、普通の感覚とは違う、このゲーム独自のセオリーがある。普通のゲームではなるべく近くの地域から順に攻略していくものだが、「スペクトラルフォース」の場合、相手の国力を少しでも減らすために、あえてちょっと遠くの大きな町を攻撃したほうがいい場合もある。
戦闘シーンでは、最大5人ずつの武将が、双方1人ずつ登場して、それぞれの兵士を戦わせる。最大1000人対1000人の兵士が、戦場を埋め尽くすのだ。
兵士の種類も、騎士、エルフ、スケルトン、猫などさまざま。各兵種ごとに、有利・不利な地形、天候がある。
しかし戦闘で何よりも重要なのは、各武将が持つ必殺技だ。その威力は絶大で、食らうと兵士が半分以上減ってしまう技も珍しくない。相手の必殺技への対策が、ゲーム攻略の鍵になってくる。
各武将は3種類の技を持っているが、1回ずつしか使えない。だから、強力な技を持っている武将に対しては、兵士の人数が減った武将をわざと当てるという作戦が考えられる。そこで相手の必殺技をできるだけ使わせて、戦力の充実した別の武将に代わるのだ。
また、特定の陣形を組むことで、必殺技の被害を抑えられることもある。
例えば多くの武将が持つ「剣魔連斬」という技は、戦場の両端をまっすぐに飛ぶので、中央に兵士を集めた陣形にすれば、当たる兵士の数が少なくて済む。相手の武将がどんな技を持っているか、把握することが大切だ。
このように「スペクトラルフォース」では、ゲームシステムをいち早く把握して、より有利な攻略法を考えることが求められる。
まあ、どんなゲームでもシステムに応じて攻略法を考えるのは一緒なのだが、「スペクトラルフォース」はシステムが独特なので、ほかのゲームでのセオリーがしばしば通用しない。シミュレーションゲームに慣れた人は、頭を切り替える必要がある。
善と悪だけでは片づけられない世界
シンプルなシステムを持つ「スペクトラルフォース」だが、その一方でストーリーのほうは、かなり奥深い。
“勇者が現れて大魔王を倒す”というのはよくある話だが、このゲームの主人公は、その勇者ではない。倒された大魔王の娘なのだ。
人間サイドから見たら、大魔王が倒されてめでたしめでたしだが、魔族からすれば人間側の侵略にほかならない。「人間=善で魔族=悪」という、単純な図式では割り切れない世界観なのだ。
最初に選べる国は4カ国。大魔王の娘・ヒロが率いる新生魔王軍、聖神コリーアのもとでの世界統一を目指す騎士団シリニーグ、自然を守るために戦う深緑エルフ軍、極東の小国ムロマチ軍。
それぞれが信念に基づいて行動し、実際それぞれの信念には一理あるのだが、それでも戦わざるを得ない。
「スペクトラルフォース2」など、後のシリーズ作品にもこの世界観は受け継がれる。やがてムロマチが世界を統一するが、人間偏重の社会に魔族が不満を持ち、皇帝暗殺事件をきっかけに帝国内での権力争いも表面化。またも世界は戦乱に巻き込まれてしまう。
そしてネバーランド大陸の歴史は、プレイステーション 2の「ジェネレーション オブ カオス」シリーズにつながっていく。
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