PS3が可能にする“次世代ゲームの裏側”に迫る――「RESISTANCE〜人類没落の日〜」Insomniac Games現地取材(その2)(1/3 ページ)

PS3のローンチタイトルの中で、特に北米市場におけるキラータイトルとしてユーザーから大きな注目を浴びている「RESISTANCE〜(レジスタンス)人類没落の日〜」。今回はシングルプレイでのストーリーと、マルチプレイモードについて聞いてみた。

» 2006年11月13日 17時30分 公開
[小林仁,ITmedia]

 ファーストパーソンシューティング(FPS)の魅力はいろいろあるが、最大のポイントは一人称視点にる圧倒的な臨場感、そして何よりもオンラインゲーム対戦を手軽に遊べるスタイルがすでに確立されている点ではないだろうか。何しろFPSの場合はサーバに入れば即「人間同士が繰り広げる戦場」が広がっており、純粋にプレーヤーのスキルがそのままプレイ内容や結果に反映される。

 「RESISTANCE(レジスタンス)〜人類没落の日〜」(以下、レジスタンス)ではそうした“FPSの醍醐味”を多くの人々に味わってもらうため、ネットゲーム初心者でも遊べるよう多彩なゲームモード、コンシューマー機初の“最大40人同時マルチプレイ”といった最新のフィーチャーが用意された。さらにオフライン中のゲームパートも充実しており、本編の謎を紐解くストーリーモード、協力プレイなども今までのFPSにはない試みが行われている。

※「その1」の記事はこちらへ

シングルプレイ――謎が深まるストーリー、敵の巧妙な動きに注目

画像 Insomniac Games コリン・マンソン氏(左)、ジェームズ・スティブンソン氏(右)

 シングルプレイのプレゼンテーションは、Insomniac Games(以下、インソムニアック)シングルプレイ・リードデザイナーのコリン・マンソン氏、マーケティングのジェームズ・スティブンソン氏にご登場いただいた。

 「レジスタンス」の物語は1951年7月、イギリスの都市が舞台。主人公はアメリカ陸軍兵士ネイサン・ヘイルとなり、プレイを通じて謎のクリーチャー、キメラの謎に迫っていく。この世界ではロシアで大量発生したキメラによってヨーロッパ全土がわずか数ヶ月で制圧され、イギリスも風前の灯火。最初は「ストーリーを見せるためのレベルとして、キメラのコンバージョン(改造?)工場で、キメラが成長していくステップを見せられるようだ。

画像 繭のような物体。これがキメラに成長していくのだろうか
画像 まるで近未来のようなキメラの工場。ここでは一体何が行われているのか

 実際のゲーム画面を見て印象深かったのは、キメラのAIルーチンだ。通常のキメラはエリア内を巡回しているが、視覚や聴覚で人間を発見すると、仲間と協力して襲いかかるようになる(発見された後は他の敵と連絡しあって襲ってくる)。敵は個々に高度なAIを搭載し「何をすべきか」を常に考えて行動しているため、戦闘中のカバーリング(敵の位置を判断して適切な遮蔽物や物影に身を潜めながらの)はもちろん、「チームとしての行動(グループタクティクス)はしないが互いに協力し、プレーヤーが狭い場所に入れば手榴弾などを使ってくる」(コリン氏)と言う。

 また、武器を持たないキメラに噛みつかれた場合は、プレイステーション 3の6軸検出システムを備えたコントローラを「振る」ことで相手を振りほどくギミックも用意されているようだ。

画像画像 武器を持たないキメラの動きはあまり素早くない。彼らにしがみつかれた場合は、PS3専用のコントローラを直接左右に振りまわしてふりほどかないとダメージを負ってしまう
画像 全レベル(ステージ)は12のロケーションが用意されており、各エリアは1〜3つのセクションで構成されている。ゲームの世界を探ることで得られるさまざまな情報を元に、キメラの謎をひもとこう

 各レベルの合間にはムービーが挿入され、プレーヤーが抱える謎を解き明かす形でストーリーが進んでいく。FPSのタイトルはシナリオ重視の作品が意外と少ないのだが(これはFPSというジャンルがゲーム性やリアリズムを重視する方向で発展したきたため)、「レジスタンス」は“現実”と“空想”の世界を融合させることで骨のあるシナリオが用意されていると言えそうだ。

 なお、「その1」にご登場いただいたライアン・シュナイダー氏によれば、シングルプレイでは7つのことに注目してほしいとのことだ。1番目は「武器の使い方や使い勝手」、2番目は「物語のディティール」、3番目は「コントローラを直接動かす新しい操作感」、4番目は「バラエティに富んだ敵によって生まれる戦略性」、5番目は「従来のFPS作品にはない巨大な敵の登場」、6番目は「敵味方含めて大量のキャラクターが登場する戦場」、そして最後に「インソムニアックの(FPSにかける)プライド」。

 「ちゃんとしたストーリーラインがあるからこそ、今回のようなリアルなキャラクターや武器をクリエイトすることができた。我々がそれを学べたのは大きい」(ライアン氏)。

2人協力プレイ――仲間との連携が新たな戦術を生み出す

 シングルプレイに続いて紹介してもらったのが、2人協力プレイのプレゼンテーションだ。このモードは画面を分割して遊ぶ2人プレイ専用のゲームモードで、シングルプレイと同一のステージをリアルタイムに2人で協力して進むゲームモードとなっている。敵の配置が変わったことでシングルプレイよりも難易度が高くなっており、「ペアで戦うストラテジーを使いこなす必要がある」と言う。

 実際に見せてもらったのは「パートナー同士が向き合いお互いの背後をチェックしながら進む」という戦術で、広い場所で数十体の敵に囲まれた時に有効な戦い方だった。こちらはシングルプレイとは一味違った遊び方が楽しめる。

画像画像 画面が縦に2分割された2人協力プレイモード。お互いが向き合いながら移動すれば、死角をなくすことができる。なお一人が倒されても仲間がいれば30秒後に復活できるが、相方が近くにいれば(ボタンを連打することで)すぐに復活することができる

画像画像 建物の中から機関銃を絶え間なく撃ち出す敵の拠点を攻略中のところ。1人が囮として敵の場所を伝え、もう1人はオーガー(貫通弾)で壁の向こう側にいる敵を倒そうとしている。難所ではお互いの連携を通じて、こうしたチームプレイが必要となる
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