女の子だけがハマるのはもったいない! “女装男性に萌える”という葛藤に悶えてみました:「プリンセス・プリンセス 姫たちのアブナい放課後」レビュー(1/2 ページ)
美少女萌えにもそろそろ新しいジャンルがほしいなぁと思っているそこのアナタ! 歌舞伎の女形(おやま)も裸足で逃げ出すほどの女装っぷりを見せる「プリンセス・プリンセス 姫たちのアブナい放課後」。女性以上の色気を持つ男子高校生と一緒に、耽美な世界に迷い込んでみませんか?
原作は女装アイドル(?)漫画
女性向け漫画雑誌「月刊ウィングス」にて連載された漫画「プリンセス・プリンセス」をご存じだろうか? 男子校を舞台に、男性生徒同士の交流が描かれるコメディー漫画だ。
だが、この漫画はタダの友情モノではない。男子校というムサイ環境に潤いを与えるため、美少年を学校公認で女装させて“姫”とし、男子校のマドンナとして祭り上げるという、なんとも奇抜な設定がウリなのだ。ちなみに現在は、続編にあたる「プリンセス・プリンセス+(プラス)」が連載中で、さらに2006年上半期にはテレビアニメ化、ついには実写ドラマ化までされたという、今ノリにノっている作品なのだ。
そんな人気作が、PS2で待望のゲーム化、“美形ボーイズ友情アドベンチャー”(すごいジャンル名だ)として登場した。
本作の物語は、主人公・河野亨(こうのとおる)が男子校である藤森学園に転入する場面から始まる。学校独自の制度“姫制度”により、“姫”に選ばれてしまった亨。同じ“姫”である、四方谷 裕史郎(しほうだにゆうじろう)や豊 実琴 (ゆたかみこと)たちと一緒に“姫”としての仕事をこなしながら、学園生活を1年間過ごすという内容だ。
ゲームシステム自体はオーソドックスなアドベンチャーゲーム。会話をテキストで読み進め、途中に現れる選択肢の選び方によっては、その先のストーリーが変わるというマルチシナリオ形式だ。合唱コンクールや学園祭など、原作やアニメではおなじみのイベントのほか、“ならずの姫”という存在を探し出すという、本作オリジナルのストーリーも楽しめる。
早速だが、困った問題が発生した。萌えゲーが大好きな筆者ではあるが、さすがに女の子向けの萌えゲー(と言っていいのかな?)はプレイしたことがない。この手のゲームが好きな人には申し訳ないが、“男同士が淡々といちゃつく内容なのかなあ”という感じで、その魅力を想像することすらできない状態なのだ。
こんな状況では、萌えゲーレビュアーを名乗れない! というわけで、新たな萌えの境地を体験すべく、本作をプレイすることと相成った。“男性視点から見た女の子向け恋愛アドベンチャー”という視点で、プレイリポートをお届けしていこう。
出だしの気分はスロースターター
主人公の亨となり、めっちゃかっこいい(かわいい?)“姫”仲間の彼らと、それはそれは深い友情を育んでいく本作。筆者もやはり男。男キャラに萌えるということに抵抗を感じるし、友情を育む過程に戸惑いを感じてしまうのはご容赦いただきたい。
前フリはそんな感じで、とりあえずプレイ開始。本作をプレイして第一に感じるのは、やはり登場キャラクターのヴィジュアルの良さであろう。生徒会の面々の面構えなど、まさに王子様と言っていいほどのイケメンっぷり。本当に高校生かと問いたくなるが、女の子にはこういった絵が好まれるんだろうなぁと思いつつ、「たぶん顔が良いのを鼻にかけて余裕かましてるんだ、これだから美形は!」などと妙な敵対心を覚えながらストーリーを進める。また、逆にキレイさが目立つためか、あまり男らしさが感じられない。男の筆者からしてみれば、主人公の立ち絵のひとつである、腕を腰に当て笑顔でいるポーズからして、違和感を感じてしまうのだ。
しかし、そのポーズも彼らに萌えるための、大事な布石だったのだ。その理由は、主人公たちが姫の格好をしたときに判明した。素の男の時に使われている立ち絵はなんとも微妙だと感じたのだが、姫の衣装を着たとたんそのポーズがしっくりくる。むしろかわいい! これにはやられた。これにより、普通に見せるよりも効果的に萌えさせくれた。
シナリオ面での特筆ポイントは、たまにではあるが、攻略の対象となる裕史郎や実琴たちの思考も書かれることだ。たとえば、裕史郎がある問題で悩んでおり、亨ががその問題を解決した場合は、裕史郎の心境がメッセージウインドウに表示される。
本来ならばわからない彼らの心情を理解することで、より裕史郎たちに感情移入できる仕組みなのだ。徐々に裕史郎たちの気持ちが亨に傾いていく情景は、生々しさすらある。
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