Wiiのために24時間――事態は、リアルタイムで展開していく(1/4 ページ)

ついに来た12月2日。仕事を早く切り上げてでも、どうしても欲しいWii。「なんだ、それなら仕事にすればいいんじゃないか」。という思いつきから始まったWiiを獲得するまでの24時間を、それぞれの編集部員の視点でリポートする。

» 2006年12月04日 12時02分 公開
[ITmedia +D Games取材班,ITmedia]

 Wiiは電源がオフの状態でも眠っていない。豆電球1個分の消費電力でスタンバイモードに入り、インターネットと常時接続を行っている。外に出かけている間、私たちが眠っている間にも、メールや新しいコンテンツがWiiに届けられている――。これを任天堂は「ウィーコネクト24」と称している。まさに“眠らないWii”。

 12月2日、編集部も眠らなかった。仕事を早く切り上げてでも、どうしても欲しいWii。「なんだ、それなら仕事にすればいいんじゃないか」。思いつきからこのプロジェクトは始まった。Wiiを獲得するまでの24時間を、それぞれの編集部員の視点でリポートする。

 事態は、リアルタイムで展開していく――。

12:00−13:00

 12月1日、12時。明日のWii発売日を控えたCTU……もとい、Games編集部では、明日7時から発売されるWiiを獲得すべく現状視察に各地に散ったメンバーをよそに、ひとり黙々と通常業務を行う記者Kの姿があった。昨日の22時、早くも有楽町のビックカメラに徹夜組が出現していたことを思い出し、明日の波乱を予感していたという。

 政府筋(どこだ?)の情報では、明日何かしらの事件がかなりの確率で起きるとのこと。悩ましい。ローンチタイトルが16もそろうとあって、まずは何を購入するべきかとこれも悩む。Wiiの初日出荷台数は40万台。しかし、1つの店舗へ搬入されるソフト数が少ないとのこと。人気のあるタイトルは、あっという間に売り切れになるやもしれない。まったくもって悩ましい……。

 12時13分。彼の名はジャック……と言いたいところだが、かろうじてJというイニシャルがかぶっているのみの一介のライターJだ。ケータイの着信音を例の着信音にしているほどのファンでもある彼は、「さて、Wii入手までの24時間をどう戦おうか……。ジャックならどう戦うだろうか……」と、そんなことを考えるでもなく、寝ていやがった。早朝までかかってレビューを書ききり、へとへとに疲れていたらしい。悠長に寝ていていいのか。先が思いやられる。

「20時以降に地下駐車場4階にお越しください」の文字

 12時28分。前日の会議で、東京・秋葉原にある「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」に並ぶことに決めた記者Iは、まずは“敵情視察”をかねて現地を訪れていた。するとそこにはこのような看板(→)が……。

 11月11日にプレイステーション 3発売の取材をしたときにもそうだったが、マルチメディアAkibaの場合は「地下駐車場に入れるか否か」が購入できるかの分かれ目。並び始める時間は分かったので、とりあえず会社に向かい仕事に専念することにした。しかし、彼は知らなかった。この時点で同じように考える人間が山ほどいた、ということを。

 12時42分PS3発売時のフィーバーぶりを見るにつけ、都内は回避しようと決めていた記者E。並ぶのは自宅のある茨城の量販店と決めていた。終電に乗っては午前1時過ぎとなってしまうため、“なるべく早く仕事を終わらせること”を心に誓い、取材先のK社へと向かっていた。

13:00-14:00

 13時02分。記者Iは飯を食ってやがった……。大丈夫か? ただの日記みたいになっているぞ。

 13時11分。ライターJも同様だ。彼は静かに寝息を立てている。テロも行列もどこ吹く風で、すっかり熟睡している。至って平和な昼下がりだ。事件はリアルタイムに進行していると言った舌の根も乾かぬうちにこの始末。

 13時21分。取材先へと向かう車内の記者E。漠然とした不安に襲われ、今回のミッションの協力者(地元の友人)に偵察を要請する。返答は「現在、別のミッションを遂行中(社会人ですから彼には彼で仕事があった)。完了次第、現場へと向かう」というものだった。

 13時39分。編集部に帰ってきた記者Iは、黙々と仕事をこなす記者Kと合流した。秋葉原の現状を報告。昨日の有楽町の情報とすりあわせる。どうやら明日の行動を再検討をしなければならないようだ。記者KはいまだにどこでWiiを獲得するかを考えていなかった……。

 13時58分。ドラマであれば、このあたりで裏切りが起きるところだ。記者Kがそれだ。彼はこの時点で裏切りを考えていた。Wii……並ばずになんとかならないものか、と。そんなことを考えながらも業務をこなす。隣にいる記者Iに気づかれてはならない。

14:00-15:00

 14時05分。記者Iは、やってくるプレスリリースをひたすら原稿にする作業(これを業界では「リリース起こし」という)。今日はなぜだか数が多い。ぼんやりと考え事をしてないで手伝えよ、記者K。このとき裏切りの思考でいっぱいだった記者Kはあまり役に立たなかった。

 14時08分。14時過ぎに突然の起床。「ハッ!明日はWiiの発売日!」心臓が高鳴るライターJ。Wiiで遊ぶ自分を夢想しテンションが上がっている。まずは着替えだ。

 14時14分。取材先に到着する記者E。熱心な読者なら気付いているかもしれないが、記者Eは現在、+D Mobileで活動しているエージェントだ。今回与えられたのは、携帯向け天気動画番組「おは天」のお天気キャスター公開オーディション、という大変重要なミッションだ。

 14時29分。ライターJがふらりコンビニに行き、金曜発売のゲーム関連雑誌などを漁り読んでいる。ただでさえテンションが上がっているのに、これ以上上げてどうするんだ。

 14時38分。ライターJに電話するも出ない。衛星から位置検索でもできればすぐにでも確保できるのにといらつく。その頃、ライターJは、雑誌をおもむろに購入し、家の中でまたもんもんと読みふけっていた。沸々とWii購入に向けて志気は高まっていくが、いかんせん行動がともなっていないのだった。

15:00−16:00

 15時06分。メッセンジャーとメールで本日出撃予定の作戦行動部隊(友人)に連絡する記者K。並ぶまでもなく、彼らからWiiを奪取する作戦に出るも丁重に断られる。うまい話は早々ないということか。それでも貴重な情報をいくつか得る。すでに予約している友人がおり、酔狂にも並んで購入することも考えているという。ここは慎重に交渉をしなければならない。まるで爆弾を解除するかのように、繊細に会話を続けるのだった。赤か黒か……。そんな緊張感が走る。

 15時15分。隣でそんな緊迫した空気をかもし出しているとはつゆ知らず、記者Iは来客をこなす。同時刻。翌日の発売リポートの打ち合わせのため、17時あたりに会社へ向かう予定のライターJは、シャワーを浴びたり飯を食ったりして、そろりそろりと準備を始める。Wiiなんて発売しないかのような静けさだ。しかし心の中はWii入手に向けて血がたぎっているらしい。

 15時30分記者Eはオーディション取材中であった。

16:00−17:00

 16時03分。記者Eは、引き続き取材中。まるでドラマティックじゃない時間帯に突入している。同時刻、記者Kが配線処理にミスしたのか、人知れず誤爆によりダメージを受けていた。Wii獲得交渉に失敗する。腹いせ紛れにライターJに連絡。あと40分ほどで到着するとのこと。

 16時33分。事件が起きる。社内のエージェントが会社近くの某量販店を偵察したところ、まだ「Wii ポイント プリペイドカード 5000+クラシックコントローラ」の予約を受け付けているとの情報が! これもネット予約でことごとく敗北したアイテムだ。試しに行ってみると確かに予約できた。これで勝利へ近づいた気がする。なんの勝利かは置いておくが。

 16時54分。ライターJ到着。記者I、記者Kらと談笑などしつつ打ち合わせ。ここで本部、いやGamesを揺るがす事件が発生する。なんとライターJが「11月18日にソフマップに朝から並んで、本体もソフトもちゃっかり予約しちゃった勝ち組」である疑惑が持ち上がったのだ。ブルータスお前もか。裏切り者として2人から羨望とそしりの猛攻撃を受ける。「俺はただ……安心して本体を買いたかっただけなんだー! 分かってくれー!」

 尋問室(そんなもんはない)にライターJの悲痛な叫びがこだまする。

17:00−18:00

 17時08分。尋問のプロである記者Kが「でも並ぶよね。でも並ぶんだよね」とライターJに誘導尋問をしかける。そんな記者Kがさっきまで並ぶ気がなかったことをJは知らない。「私は当日に並びたくないから予約の日に並んだのだ。並んでほしければ大統領の署名つきの恩赦を出してくれ(意味不明)」と、当日に並ぶことをかたくなに拒否。

 17時19分。記者Eはさらに取材中。公開オーディションとは長いものなのだ。

 17時34分。ライターJが、記者Iの独断で尋問室から解放される。Jはスキを見て逃げ出したと思いこんでいるが、実はそうではなかった。巧妙な罠が仕掛けられていることに彼はまだ気づいていなかった。その頃、尋問をしていたはずの記者Kは、尋問にも飽きちゃったのか、近所のコンビニで裏切り者のJを放置したまま、夕食を算段に余念がなかった。

 17時40分。逃亡するライターJと記者Kがニアミス。神様のいたずらか、そのままJは地下鉄に消えたのだった。その頃、記者Iは、ひたすらリリース起こし。決行の時刻が迫ってくる。だんだんと気もそぞろになる。記者Eは、終わりが見えてきた取材に安堵している。で、記者KはライターJが逃亡したことにそれほど気にしている様子もなかったのだった。だからリリース起こしを手伝えって。記者K。

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