「テイルズウィーバー」はいかにして100万IDを獲得したのか「テイルズウィーバー」インタビュー

ネクソンジャパンが運営しているMMORPG「テイルズウィーバー」は、サービス化してから2年を経た今年11月に登録者数を100万人に達したと報じた。なぜ本作は日本でこれほどまでに受け入れられたのか?

» 2006年12月21日 01時41分 公開
[加藤亘,ITmedia]
左から
ネクソンジャパン 運用部 ゲーム運用チーム 山附諮b氏
ネクソンジャパン 運用部 ゲーム運用チーム 阿部寿頼氏
ネクソンジャパン マーケティング部 マーケティングチーム 坂下智久氏

 ネクソンジャパンが運営しているMMORPG「テイルズウィーバー」のサービスを開始したのが2004年9月のこと。無料化と度重なるプロモーション展開の成果もあって、ここ数カ月で登録会員数を伸ばし、今年11月に100万IDを獲得した。8月には200人のユーザーを集めた「テイルズウィーバー ユーザーカンファレンス2006」も開催、12月6日から12月20日までの期間中、100万ID突破記念イベントが行われるなど、「テイルズウィーバー」は今まさに隆盛を極めている。

 壮大なストーリーとキャラクターが魅力的な「テイルズウィーバー」は、韓国のファンタジー小説を元に開発されたMMORPGで、8人のキャラクターが織り成すさまざまなストーリーが人気で、韓国において2003年6月に正式サービスが開始されて以来、10代から20代を中心に支持され、2004年2月から日本でオープンβテストをスタート。同年9月には正式サービスを開始、さらに2005年10月にはプレイ料金を定額制から基本接続料無料へ移行し、11月からはアイテム販売も開始している。

 「テイルズウィーバー」は現在、エピソード1の最終章が実装されております、11月末にはエピソード2の導入に先立ち、“雪の町エルティボ”を実装。来年前半にはエピソード2の導入を予定している。

おめでとう100万ID!

 本作がこれほど登録者数を獲得したことについてネクソンジャパン マーケティング部 マーケティングチーム 坂下智久氏は、やはり無料化したことが大きかったと振り返る。

 「これで遊ぶ間口が広くなった。もちろん積極敵なプロモーションと運用チームの努力、そしてアップデートの速度とタイミングがよかったということもあります」と、飽きさせない努力が実を結んだ形となったと説明する。特にプロモーション活動としては、4月以降から読売テレビ系列「名探偵コナン」のスポンサーとなり、ファミリーレストランが舞台となった高校生男女4人が登場するテレビCMを放映したことが認知度を高めたのでないかと分析する。綿密なスケジュール管理と毎月なにかしらのイベントなどを重ねたことが功を奏した。口コミもあって、無料化された時よりも最近のほうが多く新規IDを獲得しているのだとか。

 アップデートも従来は3カ月〜4カ月の間隔だったものが、2カ月間隔とアクティブになった印象と阿部氏。その間もイベントは多数行われ、常にユーザーに刺激を与えている。今年9月に行われた植樹祭では、初のサーバ対抗という試みも成功した。阿部氏は、みんなで頑張ろうというプレーヤー意識が根付いたのも成功の要因だったかもと語る。20日まで行っていたクリスマスツリーに100万個の装飾アイテムを飾るイベントでも、当初100万個も集まるのかと懸念していたのだがそれは杞憂に終わり、あっという間に各サーバとも80万個(インタビュー時)に達しているほど、サーバの団結力は高まっているのだとか。

 マビノギとも運営面で兼業している山侮≠ヘ、ユーザーの望んだタイミングでの過不足ないコンテンツの導入や、途切れないイベントの開催など、この数ヶ月はスケジュール的にもかなり強引に推し進めた感があったと言及。更に新規のユーザーが増えていく中で、その1つのサーバーに対して許容できるユーザーの限度数を超えない内に、新たにサーバ追加をタイミングよく出来たことに触れ、「8月、10月と短い期間に立て続けに2台サーバを追加できた」と出来すぎだったと思い返す。それぐらいやらないと追いつかないほど新規が増えたというわけだ。

 本作の魅力について坂下氏は、原作のあるストーリー……根幹がしっかりしていることを一番と答える。この物語重視が、コンシューマゲームが強い日本でも、素直に受け入れた背景にあるのではないかというのだ。昨今、スタート冒頭でフィールドに何をしてもいいからと投げ出されるタイプのゲームが多い中、ストーリーに沿った8人のキャラクターと彼らに対応したストーリーは、十分引きつけるだけの存在感を持っている。

 阿部氏もキャラクターの可愛らしさを挙げながらも、音楽へのアプローチも忘れてはならないと、聴いているだけでも満足できるクオリティを保証する作品と語る。そして山侮≠ヘ、本作がいわゆるやり込み系ではない層に訴求できたことを挙げ、手軽で簡単という敷居の低さとゲームの奥の深さが持ち味であり、ユーザーに難解なことを強いないゲームデザインが魅力と答える。

 テイルズはプレーヤーの10代、20代をコアとしながらもその裾野を広げ、多くのファンを獲得している。それは、前述した「テイルズウィーバー ユーザーカンファレンス2006」でも、実証されている。

 最初は緊張し、ひたすらキャラクターの名前を間違えないようにとガチガチだったと振り返る坂下氏は、ファンの方々がムービーを見て笑顔になっているのをステージ上から見て純粋に「やってよかった」と思い、頑張っていこうと緊張もほぐれたのだとか。思ったよりも女性の参加者も多く、参加してくれた人がその後自身のブログなどに詳細をアップするのを見て感慨深かったと阿部氏も同意見とうなづく。イベントでアンケートを取ったのだが、皆内容自体は好意的で、唯一空調が寒かったことが残念だったと、内容について充実していたのだと理解できた。今度実装予定のエピソード2に関しても報告でき、その点でもいいタイミングだった。次回イベントについては、いくつかの反省点も含めて検討し継続して続けていきたいとしている。

 また、先月実装した雪の町エルティボについても触れ、20日以降にも雪だるまを助けるイベントや、シベリンの誕生日イベントなども控えている。今後は、ウェブマネーとキャラクターを生かしたプレゼントキャンペーンも開始されるし、ネットカフェで接続した人が購入できる初出しのショップアイテムなども用意されるという。

 新マップ「雪の町エルティボ」は11月29日に実装された、雪降り積もる極寒の町、レンム王国の首都である。ナルビク港から乗船賃を支払い、船に乗れば行くことが可能で、町の中にはお菓子の家やおもちゃの家など、かわいらしくデザインされた場所がある。新しいNPCとして「ジンジャーマン」や「接待ペンギン長男」など、合計27キャラクターが登場した。


 これからの目標について坂下氏は、日本のユーザーに“受け入れやすい”のが本作の一番のウリという考えの元、コンシューマしか遊んでない人が最初に遊んでもらえるタイトルとして育てていきたいとコメント。阿部氏も韓国の開発チームとの連携を密にし、日本独自のアイテムであったりイベントを増やしていきたいと希望を述べた。両者とも日本での本作の好調が、要望を聞き取りやすい環境を作ってくれたと語る。山崎氏は「テイルズウィーバー」というコンテンツが抱えるユーザー数を例に取り、エピソード2の実装やマップの拡大に伴う増大とは別に、サーバの追加などの現実的な増加も計られている。コミュニティの強化も含め、本作にはまだまだ可能性をはらんでいるという。

 本作の魅力はストーリーと3人は口をそろえる。日本語に翻訳されたことで名ゼリフへと変貌した場面も多く、原作とゲームの違いを発見する楽しさもあるとか。ゲームをゲームとして見ても、スキルの振り分けであったり、各レベル帯によっていろんな遊び方ができるところに面白さはあると推測できるだろう。

 オンラインゲームといえば「テイルズウィーバーじゃないの?」と言われるモデルケースとなれると自信を見せる。エピソード2も実装されていないが、どうせならば「テイルズウィーバー2」につながっていければいいという希望も持っていた。継続的に適度なタイミングで飽きさせない工夫をこれからも行っていくことを3人は約束した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. /nl/articles/2412/18/news207.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. /nl/articles/2412/21/news040.jpg 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. /nl/articles/2412/22/news034.jpg 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. /nl/articles/2412/21/news019.jpg 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. /nl/articles/2412/22/news036.jpg 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. /nl/articles/2412/21/news023.jpg 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. /nl/articles/2412/17/news042.jpg 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
  10. /nl/articles/2412/22/news020.jpg 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」