とうとう出た! 待ちに待った! “次世代機初”のウイニングイレブン!!:「ワールドサッカーウイニングイレブンX」レビュー(1/2 ページ)
スポーツゲームの雄KONAMIの代表作、「ウイニングイレブン」シリーズの最新作が、とうとうXbox 360で登場した。なんと、次世代機と呼ばれるハイスペックマシン上で、初めて動く「ウイイレ」なのだ。さて、その実力やいかに。
スタジアム観戦と同じ目線になれるワイドな視野が魅力
リアルな動きや戦術を追及したことでサッカーファンの心をわしづかみにした、世界屈指のサッカーゲーム「ワールドサッカーウイニングイレブン」(以後、WE)シリーズ。その最新作がXbox 360で登場した。その名も「ワールドサッカーウイニングイレブンX」(以後、WEX)だ。シリーズ1作目が登場してからすでに10周年目を迎えた本シリーズだが、次世代機と呼ばれるハイスペックなハード上で作動するWEは本作が初。
筆者はこの日が来ることを、何年も前から首をなが〜くして待ち望んでいた。次世代機でウイニングイレブンを遊ぶことが長年の夢だったのだ。グラフィックがキレイになるから? いやいや。選手がより精細に描かれる? それもあるけど違う。一番の理由は、“画面が16:9であること”なのだ。つまり、より広い範囲の画面を見ることができるようになったということ。今まで、操作している選手以外のディフェンダーの動きや、オフサイドラインから飛び出すチャンスを狙っているフォワードの動きなどは、画面下のレーダーで把握する以外方法はなかった。しかし、横幅が広くなった画面でプレイすれば、これまでの4:3の画面では把握できなかった選手の動きまで見ることができる。より、スタジアムで観戦しているのと同じ目線になれるということだ。
そんな期待を胸に、プレイを開始してみた。タイトル画面に、イタリアリーグセリエAの強豪チーム、インテルの豪快フォワード、アドリアーノが登場。PS2版では日本代表選手もしくは日本代表監督がパッケージを飾ることが多かっただけに、少し意外な感じがする。Xbox 360版はきっとヨーロッパ諸国をはじめ海外展開もしているはずだから、このパッケージで統一しているのだろう。元祖シリーズより一足お先にインターナショナルな気分になる。さて、それでは試合を楽しんでみよう。
次世代機ばんざい! これぞ求めていた試合の感覚だ!!
「MATCH」モードを選択し、試合開始! やはり、キックオフ時に、本作の違いは歴然と表れた。視野の範囲が広がるというのは、こんなにもゲームが遊びやすくなるものなのか。デフォルトのカメラアングルではセンターサークル付近の選手しか見えなかったプレイステーション 2版とは違い、レフェリーを含めて平均12〜13人くらいの人間が画面に映し出される。その分、遠くでオフプレイしている選手の動きを把握できたり、選手同士が接触して転んでいるのを画面の端で発見できたりと、これまで以上に試合の全体像を見渡すことができるようになっている。
大人数が一気に表示されても処理落ちはほとんどなく、選手たちの動きもスムーズだ。その恩恵といえるかもしれない現象がある。パスカットがしやすくなったのだ。画面が広くなった分、パスの出し手から受け手までが画面の中に入る。そのため相手が少々長めのショートパスを出した瞬間、パスの軌道を予測するのが簡単になった。今までコンピュータばかりがパスカットを多く決めていて、自分でなかなか決められないことが多かったため、そのあたりのストレスは減ったといえるだろう。
Xbox 360の画面描写能力をまだまだ余らせている証拠に、なんと今回からラインズマンがしっかりと走っている。ボールがラインを割ったりオフサイドを判定すると、しっかり旗を揚げる。それもリプレイ画面でではなく、ゲームフィールド上でだ。実はこのラインズマン、海外ユーザーからは「いないのはおかしい」というクレームに近い要望が長年出され続けていた。正直、日本人にとってはどうでもいい、とまではいわないが、それほど不可思議には思わなかった部分だ。しかし、さすがサッカーの本場のファンは違う。ラインズマンひとつとっても、ちゃんと本物を再現してほしいと望むものなのだろう。ここにきてようやく熱烈なサッカーファンの多い国々の人たちも納得する仕様になったのではないだろうか。
次に驚いたのは、リプレイ時間が長くなったこと。ゴールを決めたときや、試合中にポーズして「リプレイ」を選んだとき、その直前までのプレイを好きな角度から好きな速度で再生することができる。これまでのシリーズでは、よくて5秒前までのプレイまでしかさかのぼれなかったが、本作ではなんと1分近くも巻き戻せるのだ。よくサッカー情報番組などで、解説者が「このディフェンダーのパスカットから、攻撃はすでに始まっていたんです」といったことを言うが、そういったテレビ番組のような解説を長々と入れることができるくらい、どんどん巻き戻せる。これはウンチク好きや戦術立案好きなプレーヤーにとっては、非常にうれしい機能なのではないだろうか。かくいう筆者も、美しいゴールまでの流れを作れると、うれしくなって最初のほうまで巻き戻しては、ニヤニヤしながらリプレイを見ているクチだ。
細かいところでは、選手が首を振ってフィールド内を見る、という動作をするようになったことが挙げられる。サイドの深いところまでドリブルすると、中央をチラチラと見て、パスを出すタイミングを計っているように見える。こころなしか、中を見てからスルーパスを出したりセンタリングをあげたりすると、中央で待ち構えていた選手がタイミングよくダッシュしているように感じる。これは選手の心理をいろいろと想像できて、本当の試合を見ているような気分になる演出だ。地味ではあるが喜ばしい進化といえる。
ただ、そういった細かい部分に注力しているわりには、ひとつ納得のいかない部分がある。それは観客の動きだ。シリーズを通して本作の観客は、かきわり程度の表現でお茶を濁してきた。しかし、そのぶんプレイする側の想像力に頼るため、それほど気にならずにいた。しかしXbox 360の描画能力は、観客ひとり1人をすべて描けてしまうため、どうしてもその動きが気になってしまう。同じ色と同じ服をした観客は、すべてにおいてまったく同じ動きをする。そのせいか、観客がワッと総立ちになっているというよりは、観客ロボットがお情けで立ち上がっているように見えてしまうのだ。このあたり、せっかくラインズマンまで入れたのだから、次回作でもっとリアルにしてほしいと思うところだ。ウェーブや同じ動きをしながら合唱が起ったり、ゴールが決まった瞬間に観客席が揺れるくらい全員が立ち上がったり、アウェイ席とホーム席で反応が違ったり――。思わず夢が膨らんでしまう。
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