「シャイニング・フォース」シリーズの輝かしい歴史にニューフェイス誕生「シャイニング・フォース イクサ」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年01月22日 14時07分 公開
[立花裕壱,ITmedia]
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チャージ攻撃でバトルはヒートアップ!

 ネオに引き続きイクサでもバトルの目玉は画面中をうじゃうじゃと覆い尽くす敵、敵、敵……。ボタンを連打する指にも自然に力が入る。そのうえイクサから加わった「チャージ攻撃」が一層バトルを盛り上げる。

画像 ×ボタンを押しっぱなしにすると水色のゲージが出現する。これがMAXになるとチャージ攻撃が発動。敵に攻撃されるとキャンセルになることも

 チャージ攻撃とは、いわゆる溜め攻撃のこと。連続攻撃の回数が多いほど、チャージにかかる時間が少なくて済む。つまり、ジャブを何度か繰り出してからフィニッシュ! といった感覚だ。さらに、チャージ攻撃中にもう一度溜め攻撃をすることで「スペシャル攻撃」へとコンボがつながる。MPを消費するものの、その威力は絶大! 連打以外のアレンジが入りバトルにメリハリがついた。

 メリハリといえば、トウマとシリルの2人が切り替わるW主人公制もイクサの大きな特徴だ。トウマは剣を振り回しガンガン前線に立つ戦士タイプ。一方のシリルは魔導書を使って呪文を唱えたり、ボウガンを操ったりする遠距離攻撃タイプ。普段は任意だが強制的に切り替わる場面もあるので、苦手を作らずどちらも極めたい。

2種類の戦闘、遠征と防衛

 バトルも2通りが用意されている。ひとつはダンジョンを探索する通常の「遠征戦」モード。もうひとつが、本拠地の要塞ジオフォートを守る「防衛戦」モードだ。1人がダンジョンへ行くとき、もう1人は本拠地の要塞で留守番をする。冒険中、ジオフォートがモンスターに襲撃されると防衛戦のスタート。無数の敵がジオフォートの命、フォトンコンバータを襲う。ザコを一掃してからボスと勝負するのか、ザコは無視して、削れていくジオフォートのHPを横目で見つつ、焦りながらボスを倒すのか。どちらにせよ、的確な状況判断が必須だ。防衛戦は、攻め込むのとはまた違った感覚が新しい。

 チャージ攻撃の追加、2人主人公制、防衛戦モードの導入と、バトルが単調にならないための工夫が随所に散りばめられている。

画像画像 ダンジョンを探索中、要塞に敵が近づくとテロップが流れ、画面が切り替わって強制的に防衛戦となる。画面中央の青いオブジェ、フォトンコンバータを周囲に出現するモンスターから守ろう

ジオフォートも育成可能!

画像 パワーアートにミスリルを注ぎ込むことで好きな能力を強化できる。どこを伸ばすかは作戦次第。おろそかになりがちな属性関連の強化も忘れずに

 イクサには通常のレベルアップのほかに、フィールド上で取れる魔法物質ミスリルを消費して、「炎の魔法力」や「マスターガード」といった特殊能力を強化する「パワーアート」など、多方向の成長ラインが用意されている。そこにプラスして、なんと本拠地ジオフォートまで強化できるのだ。

 ジオフォートはちょっとしたダンジョン並みの広さがあり、さまざまな施設が存在する。レベルアップのために必要な「コアメタル」は大変貴重なので、どの機能を上げるかは大問題だ。これをあれこれ考えるのもシミュレーション的でワクワクする。

カノン砲

 フィールドでの戦闘中、支援砲撃ができる。攻撃範囲が広く、ザコモンスターはカノン砲にお任せ。レベルが上がれば攻撃力も上がる。

レーダーシステム

 全体マップにレアなモンスターや宝箱を表示させる。やりこみプレイヤー必須の施設だ。レベルを上げると遠距離までレーダーが届く。

訓練場

 5階ごとに強力なボスが待つ自動生成ダンジョン「訓練場」に行けるようになる。レベルを上げると階層が深まる。これは本編よりもハマってしまう。

ロボット工場

 防衛戦に出撃するロボットの強化や修理を行う。レベルを上げるとロボットの種類や最大出撃数が増える。意外に使える!?

 ……などなど。防衛戦ではジオフォートのフォトンコンバータが0になるとゲームオーバーなので、まずは防御のアップがセオリーかもしれない。

画像 メタリックな質感、ロボットの存在など、まるで宇宙船のような機動要塞ジオフォート。図書室や仲間が集まる居住エリアもある
画像 要塞を育成するコントロールパネル。バランスよく育成し てもいいし、どれか1つの施設だけ特化してもいい。カスタマイズの自由がある

新しさはないが、極上の仕上がり

 戦いの爽快感と育てる手応えを凝縮したイクサは、本来ゲームが持つ面白さの本質を見事にとらえたタイトルだ。操作体系も改良されて、前作のネオと比べても遊びやすくなっている。

 装備を変えると外見の細かいところまで変化するのも気が利いている(見た目の違いにかなり驚く。思わずファッションショーのようにいろいろ試してしまった。強さよりもかっこよさを優先してしまいそう……)。全般的に丁寧な作りに好感が持てる。

 欠点といってはなんだが、確かにインパクトには欠けるだろう。Wiiのように斬新なインタフェースでもなければ、ネットワーク対応でもない。ハッタリの効いた売り文句がないため、シリーズのファン以外には注目されづらいかもしれない。しかしそれは逆に、地に足の着いた良作という意味でもある。シャイニングシリーズとはこれからも長い付き合いになりそうだ。

画像画像 シリルは装備によって印象がガラリと違う。魔女っ子風、メガネっ娘、猫耳と何でもあり。コーディネートを極めてみたくなる。シリル本人が気に入っているかどうかはこの際関係ない!?
(C)SEGA


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