泣きゲーだけど萌えもある!? PS2に舞台を移した智代のその後「智代アフター〜It's a Wonderful Life〜CS Edition」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年01月30日 00時00分 公開
[雛見沢秀一,ITmedia]
前のページへ 1|2       

本編終了後のお楽しみは、かなりのボリューム

画像 本編よりもクリアに時間のかかるこのゲーム。筆者も思わず、ミニゲームってレベルじゃねーぞ! と叫んでしまう

 実は本作で、筆者が密かに注目していた要素がある。オマケとして収録されるシミュレーションRPG「Dungeons&Takafumis」だ。これは、とある条件を満たすと、物語の中盤で遊べるようになる。朋也や智代といった登場人物をユニットとして扱い、剣士や魔法使いといった職業につき、囚われた鷹文を助けるべく、獰猛な獣人が蠢く地下迷宮を探索するのだ。

 このミニゲーム、シミュレーションRPGと述べたが、厳密には違う。キャラクターを実際に操作するのではなく、ユニットが自動的に行動するオートバトル方式なのだ。プレイヤーは、フロア突入前に、キャラクターたちの大まかな行動を設定する。その後は、ユニットたちの行動を見守るだけ、というシステムなのだ。キャラクターが勝手に敵陣に突っ込んでいくと、かなりハラハラしてしまう。

画像 レベルが上がるとパラメータが上昇する。それとは別に、好きなパラメータへ振り分けられるボーナスポイントもゲットできる。中盤から徐々に攻撃の命中率が下がるので、筆者はその弱点を解消すべく、Dexに振りわけてみた

 見事フロアをクリアすると、先に進むかいったん地上に戻るかを選択できる。ユニットのレベルが上げれば新たなスキルを覚え、また転職も可能となる。戦えば戦うだけ、戦術の幅が広がっていくのだ。また、ユニットごとに武器や防具を持てる総重量が設定されているため、どのアイテムを持っていくかを考える戦略性もある。

 シンプルなゲームかと思ったら、意外に奥が深く、長くプレイしていても飽きずに楽しめる。筆者としては非常に満足できた。

キャラの少なさが物足りなさを感じさせるけど……

 シナリオや楽曲で魅せる泣きゲーといっても、やはり美少女ゲームなだけあって、女の子はどれもかわいく萌えてしまう。そんな彼女たちを、筆者の独断と偏見で、星5つからなる萌え度で評価してみた。また、本作は泣きゲーであるため、キャラクターに対して泣ける度合いを、泣き度で表してみた。

●智代

  • 萌え度:★★★★★
  • 泣き度:★★★★★
画像

【萌え度コメント】

 主人公の彼女として登場した智代。恋人同士なのだから、当然2人きりになると甘い甘いストロベリー空間を発生させる。特にプロローグ場面でのコスプレ連発は悶えた!! 筆者イチオシのコスプレはネコ耳智代。ネコ耳としっぽをつけただけ、たったそれだけなのにこの萌えよう。まさに匠の技である。アングル、ポーズ、表情、そして必殺の「に、にゃー」という羞恥を含んだ一言! もう、すべてがたまらない!!!

【泣き度コメント】

 萌えとはうって変わり、本作の一途なヒロインでもある智代。何かに対して一生懸命になると、周りが見えなくなってしまうその性格が災いし、余計なものまで背負ってしまいがちになる。しかし、その一途さゆえに、愛を貫き通す姿はハンカチなしでは見ることができない

●とも

  • 萌え度:★★★☆☆
  • 泣き度:★★★★☆
画像

【萌え度コメント】

 ちびっ子キャラは、何をやってもかわいく見えてしまう。それは、ともに対しても当てはまる。筆者がチョイスした場面は、朋也と鷹文のあやしい関係に、智代がともにひと言言わせた場面。むしろともになら言われたい筆者なのだが、そう思ってしまうユーザーは筆者だけではないハズ。こういった何気ない場面で萌えさせてくれるのがともの魅力。しかし、幼稚園児なのに“1時間”や“不便”という言葉を理解して使う部分には、ちょっと疑問を感じてしまった。

【泣き度コメント】

 本作に登場する悲劇のヒロイン。母親に捨てられて放心するともを、抱きしめる智代。朋也や智代と過ごす楽しい毎日だけが待っているからと、ともに訴えるこのシーンは、BGMを意識して聴きながらぜひプレイしてほしい。

●河南子

  • 萌え度:★★★★☆
  • 泣き度:★★☆☆☆
画像

【萌え度コメント】

 作中、思う存分に唯我独尊っぷりを発揮する河南子。初対面の朋也に暑いからアイスを買って来いと命令するほど、口が悪くてわがまま。だが、だがそれがいいのだ! そんな姿も筆者の中では萌えるポイントなのだ!! 惜しむらくは、サブキャラクターのため、活躍の場が少ないことであろうか。鷹文の元彼女という設定を“マルチエンディングのための伏線か?”なんて疑ってみたりもしたが、河南子と朋也がくっつく素振りも見せず、エンディングを迎えてしまった。河南子ルートが存在しないのは、個人的にはかなり残念に感じた。

【泣き度コメント】

 こんなに自分勝手で、横柄な態度をとる河南子でも、悲しい過去を持っている。家族の不幸に母親の再婚と、つらい出来事が続いたため、家族の中で居場所をなくしているのだ。自らは語らないが、疎遠になっていた鷹文のもとへ来た理由が分かってしまう部分に、筆者はホロリときてしまった。

鍵っ子には若干物足りないかも……

 プレイを振り返ってみると、号泣とまではいかないが、思わずホロリと来る場面は多々あった。しかしシナリオのボリュームは多いとは言えないので、“鍵っ子”(Keyファンの通称)には物足りなさを感じさせるかもしれない。

 筆者はミニゲームを遊ぶため、2週目もプレイしたのだが、序盤の方で止めてしまった。なぜなら、この後どれだけ智代たちに波乱が待ち受けているかを、1週目のプレイで知ってしまったからだ。これ以上プレイを続けて、かわいそうな智代の姿を再び見るのは、耐えられそうにない。

 前作「CLANNAD」の外伝なだけあって、本作からプレイする人には敷居が高いのでは? と思っていたが、それほど「CLANNAD」に依存したシナリオにはなっていなかった。そのため、「CLANNAD」未体験の人でも楽しめるので、そのあたりは安心していただきたい。ただし、「CLANNAD」を遊んでからプレイする方が楽しめるのは確実なので、ぜひ「CLANNAD」をプレイしてから本作を遊んでみてほしい。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  2. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  3. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  4. /nl/articles/2411/23/news025.jpg 「大企業の本気を見た」 明治のアイスにSNSで“改善点”指摘→8カ月後まさかの展開に “神対応”の理由を聞いた
  5. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. /nl/articles/2411/05/news138.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  7. /nl/articles/2411/22/news205.jpg 松田翔太、憧れ続けた“希少な英国製スポーツカー”をついに入手「14歳の僕に見せてあげたい」 過去にはフェラーリやマクラーレンも
  8. /nl/articles/2411/22/news047.jpg 「行きたすぎる」 入場無料の博物館、“宝石展を超えた宝石展”だと40万表示の反響 「寝れなくなっちゃった」【英】
  9. /nl/articles/2411/23/news031.jpg スーパーで売っていた半額のひん死カニを水槽に入れて半年後…… 愛情を感じる結末に「不覚にも泣いてしまいました」
  10. /nl/articles/2411/22/news051.jpg 自動応答だと思って公式LINEに長文を送ったら…… 恥ずかしすぎる内容と公式からの手動返信に爆笑 その後について聞いてみた
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた