初心に帰ってIXの作曲も――すぎやま氏、金管五重奏「すぎやまこういちとブラスの響き」で2007年の抱負を語る
金管五重奏によるコンサート「すぎやまこういちとブラスの響き」が開催された。コンサートの案内役を務めるすぎやまこういち氏は今後の予定に加えて、「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」について語ってくれた。
2月26日、東京・第一生命ホールにて、東京メトロポリタン・ブラス・クインテット(以下、ブラス・クインテット)演奏によるコンサート「すぎやまこういちとブラスの響き」が開催された。
東京都交響楽団のメンバー5人(トランペット高橋敦氏、中山隆崇氏、ホルン西條貴人氏、トロンボーン小田桐寛之氏、テューバ佐藤潔氏)で結成されたブラス・クインテットは、これまでにもすぎやまこういち氏の作品CDへの参加や、金管五重奏によるドラゴンクエストコンサートといった活動を行っている。
今回は、2006年12月に発売されたCD「すぎやまこういちとブラスの響き」の中の作品に基づいた内容となっており、ブラス・クインテットに加え、パーカッションの安藤芳広氏が参加。公演直前に、コンサートの司会を務めるすぎやま氏にお話を聞くことができた。
少人数による演奏のよさについては、「オーケストラ音楽とは違った楽しみがある。トラック数が少ない音楽だから、よりゲーム音楽のもとに近い作品なのではないかと思う」とすぎやま氏。自らをゲーム好きと公言するすぎやま氏の最近のお気に入りは、ニンテンドーDSソフト「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」だとか。すぎやま氏は、先日渋谷を歩いていた際、初めて「すれちがいバトル」の相手が見つかったが完敗を喫したそうで「すっかり極めたつもりだったけど、渋谷の連中はすごいね」と悔しさを見せる。もっと強いモンスターを作りたいと抱負(?)を述べた後、すぎやま氏は「ここまで自分がやりこむということは、ゲームとしてすばらしい証拠」と同ソフトを絶賛していた。
すぎやま氏は「自分でも感心するくらいの忙しさだった」と2006年を振り返る。そして「3月いっぱいで(ブラス・クインテットの)レコーディングが終われば、ようやく落ち着く」と安堵の様子を見せた。しかし、近々「ドラゴンクエスト」シリーズ最新作、ニンテンドーDS用ソフト「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」の打ち合わせも始まることを明かす。「今年のメインの仕事はIXの作曲になると思う」とすぎやま氏。そのほかコンサートや、ゲーム音楽のレコーディング、オーケストラの作曲なども予定されているという。2007年もやはりすぎやま氏は多忙のようだが、「初心に帰って曲作りをしたい」と抱負を力強く語った。
「今日は試験の学校が多いからと人が入らないかも」というすぎやま氏の心配をよそに、会場には老若男女たくさんの人が詰め掛けた。プログラムは2部構成になっており、第1部ですぎやま氏のヒット曲や競馬場でのファンファーレをピックアップしたものを演奏。第2部ではドラゴンクエストの曲7曲が披露された。編曲は高橋氏もしくは小田桐氏が担当。「編曲ができたばかりのため、今回は初演のようなもの」とすぎやま氏は言う。
いつもならすぎやま氏がメンバーをひとりずつ紹介していくところだが、今回は仲間内で紹介していくことに。「よく食べる」、「泣き虫」、「面倒見がいい」といったメンバーでなければわからないエピソードも明かされ、会場は盛り上がった。
また金管楽器の豆知識を紹介。「(“エンサイクロペディア”や“ウィキペディア”を真似て)これは“ブラスぺディア”だね」とすぎやま氏。ホルンを担当する西條氏は「ホルンはもともとホーン(角)のこと。ほかの金管楽器と違って、ベルが後ろ向きになっているのは、狩りの合図として後ろからくる狩人に知らせるためなんです」とトリビアを披露した。さらにホルンの特徴である、やわらかい音と迫力のある音を吹き分け、観客を沸かせる。
少人数とは思えなほどのすばらしい音に、ブラボーという声と大きな拍手が起こる。全プログラムが終了が終わり、アンコールでは「帰ってきたウルトラマン」の演奏が行われた。続いて「怪獣音頭」とともに、「岩石怪獣サドラー」が登場。円谷プロダクションの協力により特別出演が実現したもので、すぎやま氏はこのサプライズ企画を知らず、「ぼくがもっているモンスターより強そうだ」と驚きながらもコメント。サドラーは最後まで曲に合わせて踊りきり、会場の笑いを誘った。すばらしい演奏はもちろんだが、観客をよろこばせるための演出にも感服した。今後2007年に予定されているコンサートにも期待したい。
「すぎやまこういちとブラスの響き」プログラム
| 第1部 すぎやまこういち「ブラスの響き」 | 東京・中山 GI競走ファンファーレ(すぎやまこういち作曲 高橋 敦編曲) |
| 東京・中山 パドック・マーチ(すぎやまこういち作曲 高橋敦編曲) | |
| 東京・中山 特別競走ファンファーレ(すぎやまこういち作曲 高橋敦編曲) | |
| 東京・中山 クロマティック・マーチ(すぎやまこういち作曲 小田桐寛之編曲) | |
| 東京・中山 重賞競走ァンファーレ(すぎやまこういち作曲 高橋敦編曲) | |
| 子象の行進(H・マンシーニ作曲 すぎやまこういち・小田桐寛之編曲) | |
| 亜麻色の髪の乙女(すぎやまこういち作曲 小田桐寛之編曲) | |
| 花の首飾り(すぎやまこういち作曲 小田桐寛之編曲) | |
| 恋のフーガ(すぎやまこういち作曲 高橋敦編曲) | |
| 第2部 金管五重奏による「ドラゴンクエスト」 | 序曲(DQI) 小田桐寛之編曲 |
| 王宮のメヌエット(DQIV) 高橋敦編曲 | |
| 遥かなる旅路〜果てしなき世界(DQII) 高橋敦編曲 | |
| 愛の旋律(DQV) 高橋 敦編曲 | |
| 戦火を交えて〜不死身の敵に挑む(DQV) 高橋敦編曲 | |
| そうだあの時は(ヤンガスの大冒険) 小田桐寛之編曲 | |
| 凱旋そしてエピローグ(DQVII) 小田桐寛之編曲 | |
| アンコール | 帰ってきたウルトラマン |
| 怪獣音頭 | |
| シーサイドバウンド |
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すぎやまこういち氏
2006年12月に発売されたCD「すぎやまこういちとブラスの響き」をアピール
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