“めでぃこ”はどのように成長したか――どんな職業に就こうとも、1人娘はカワイイもんです:「プリンセスメーカー5」レビュー(1/3 ページ)
定番の育成シミュレーション「プリンセスメーカー」シリーズに、待望の最新作が登場。プリンセス(のタマゴ)を育てる苦楽を味わってみました。最初は適当に“めでぃこ”なんて名前を付けましたが、徐々に愛着がわいてきたり……!?
実は育成ゲームの元祖なんですヨ
かつて一世を風靡した、“育成シミュレーション”というゲームジャンル。キャラクター(または自分)にレッスンを行わせ、パラメーターを上昇させて育て上げ、最終的に目標を達成するゲームだ。歌手デビューを果たしたり、学校のヒロインから伝説の樹の下で告白されたりと、その目標はゲームによってさまざまだ。
そんな“育成シミュレーション”の元祖はというと、1991年に登場した「プリンセスメーカー」だろう。当時の主流PCであるPC-9800シリーズ用として発売され(ちなみに開発は、あのガイナックスだ! それは本作も同じ)、瞬く間に大ヒット。他機種に移植され、また続編や模倣作も数多く作られ、世に“育成シミュレーション”というゲームジャンルを知らしめたのだ。
今回、その最新作である「プリンセスメーカー5」が登場した。しかも、昨今衰退傾向にあるPCゲームで、だ。初代が生まれてから15年、その最新作はどうなっているのか、プレイしてみた。
10歳のムスメを8年間育てるのだ!
まずは、どんなゲームなのかをざっくりと解説していこう。本作の主人公は、プレーヤーである父親(母親も選択可能)だ。突如現れた10歳の女の子、プリンセスのタマゴを、8年間かけて18歳まで育てることが目標だ。
古参のファンは、舞台設定にちょっと違和感を覚えたかもしれない。というのも、過去作では“中世ヨーロッパ”が舞台となっており、ファンタジー風味がバリバリ全開だったからだ。なぜ、ここにきて日本が舞台になったのか、そのストーリーを紹介しよう。
実はこの世界は、天界や魔界といった5つの世界が、バランスよく成り立っている。だが、革命勢力という謎の過激集団が、このバランスを崩壊させようとやっきになっているのだ。このバランスは、調和の象徴であるプリンセスによって保たれており、それならばプリンセス候補をガシガシと倒しまくればいいんじゃないか、ということで、大勢いたプリンセス候補は1人を残して倒されてしまった。残った1人のプリンセス候補は、かつて王国に仕え、今は日本で暮らしている1人の人間を頼ってきたのである。もうお気づきかと思うが、この王国に仕えていた人こそ、プレーヤーであり父親で、残ったプリンセスの1人が、これから育てていく愛娘なのである。
娘を育てる期間は、前述の通り8年間だ。この間に娘をどう成長させるか(どのようにパラメーターを上げるか)によって、娘の将来というか職業が決定する。職業の種類は膨大だが、一番の目標はプリンセスであるが、プレーヤーの好みの就職先を目指すのも良いだろう。「こうすれば勝ち」というモノはなく、結果含めて育成過程を楽しめるかどうか、というゲームなのだ。
1週間ごとにスケジュールを決めて行動していく
では、“ムスメの育て方”をざっくりと紹介していこう。娘には、体力や精神力、道徳心に気品、カリスマに魅力……と言った具合に、非常に多くのパラメーターが設定されている。またコレに加えて、商売や絵画、オシャレにオタクなどといった、数多くのスキルも設定されている。娘が勉強やアルバイトなど様々な行動を行うと、それに応じてパラメーターが成長していく仕組みなのだ。本作は、1カ月ごとにおおまかな育成方針を決定し、次いで1週間ごとに詳細なスケジュールを決定する。これを8年間繰り返す。では、各項目を解説していこう。
教育方針では、食事の方向性(豪華か質素か)、お小遣いを与える回数、門限、礼儀作法などを決める。このうち特に重要なのは門限だろう。あまりに早く門限を設定すると、平日の行動時間が減ってしまい、パラメーターを上昇させられるチャンスがそれだけ少なくなるのだ。かといって制限を無くすと、娘はたくさん行動してストレスをたくさん溜めてしまうため、あまり良いとは言えない。丁度良いポイントに落ち着かせるのが大切なのだ。
育成方針を決めたら、続いて日曜日に一週間ごとのスケジュールを立てる。とはいえ、おやつの時間ぐらいまでは学校へ通うため、プレーヤーが指定できるのは放課後から門限までの数時間だ。アルバイトさせてお金を稼ぐも良いし、その稼いだお金で習い事を行い、スキルを成長させても良い。何も指定しなかった場合は、自由時間となり、娘が勝手に何らかの行動を行うのだ。ちなみにゲーム開始時は、娘は10歳なのだが、このときからバリバリ働ける。舞台は“日本”となっているが、我々が住んでいる世界とはちょっと違うようだ(当たり前か)。
めでぃこ、と名付けてみました
というわけで、早速ゲームをスタート。まずは、親と娘の名前や誕生日、血液型に職業など、あれやこれやとパラメータを入力する。本レビュー用に写真を撮影する必要があるため、「あいてぃ めでぃあ」に「あいてぃ めでぃこ」と名付けてみた。正直、サッパリ感情移入できそうにないので、読者諸兄はマジメ(?)に名前を付けることをオススメする。まあ冗談はさておき、中でも重要なのは、親の職業だ。これによって月々の収入が変わってくるため、慎重に決めたいパラメータではある。安定した収入を得たい筆者は、ボーナスがないけど月々の収入が高い公務員を選んでみた。
さて、プレーヤーの新居には、プリンセスのタマゴである“めでぃこ”と、プレーヤーである父親に加え、執事のキューブ君が住むこととなる。キューブ君は、ゲーム中のヒントやら説明やらをアレコレ語ってくれる、いわばお助けキャラクターだ。ちなみに彼は過去作にも登場していたので、古参ファンには懐かしく感じるかもしれない。
さて、まずは1カ月の基本方針を決定する。まだ10歳だろうし……ということで、少々厳しく、礼儀正しく育つようにしてみた。門限は、標準の5時だと少々早い気がするので、7時に設定する。まあ、問題ないレベルだと思う。
基本方針を終えたら、いよいよ本編開始だ。日曜日から始まるため、日曜日コマンドを行えるのだが、まずは一週間の行動を決定することにする。とりあえず養育費が心許ないので、娘に一週間の半分ほど、清掃員のアルバイトを行わせることにした。
日曜日は、一週間の中でも特殊な日で、一日を自由に行動することができる。娘と一緒に外出することも可能で、町周辺のスポットにお出かけし、イベントを見たり、買い物をすることができるのだ。とりあえず初日なので、ちょっとブラブラしたあとは夜までまったり過ごすことにする。ちなみに夜は、1人で寝かせるか、一緒に寝るか、一緒にお風呂に入るか、を選択できる。問答無用でお風呂に入るを選択したら、めでぃこの魅力が若干上昇した。ううむ。
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