キミのDSが「乱歩計」に変わる。頭脳を鍛え、5つの探偵力を磨いて、名探偵を目指せ！：「名探偵コナン 探偵力トレーナー」レビュー（2/2 ページ）

[鷲尾トモノリ，ITmedia]

緻密な分析力を向上させろ

　短時間での思考力が試されるのが「分析力」問題。「破られた予告状」では、一部を破り取られた犯行予告状に、正しい切れ端を当てはめていくというもの。切れ端は4つの中から選ぶのだが、難易度が上がってくると、元の予告状の向きとは違う方向を向いていたり、切れ端がさらに2分割されたりして、瞬間的な印象だけでは選べなくなってくる。全体的に似た形の切れ端などもあるため、好成績を出すには、切れ目の特徴的な形状を目印にするなど、自分なりの分析が必要になってくる。

　「決死の爆弾解除」は、爆弾の解除コードを入力するというもの。逆ピラミッド状に並んだ10個の数字の中の空欄に入れる数字を選ぶのだが、そこに入れる数字は、その空欄の上に並んだふたつの数字を足した数（2ケタの場合は下1ケタ）となっている。計算自体は単純だが、ちゃんとした計算式の形になっていないので、あわててしまうと案外間違えやすい。冷静な思考を維持することも大切だ。

「破られた予告状」。向きが変わるだけで、かなりイメージが変わってしまう切れ端もある

「決死の爆弾解除」。要はシンプルな足し算なのだが、案外手間取ってしまいがち。焦りは禁物だ

鋭い観察力を手に入れろ

　「観察力」問題には、2つのものを見比べて、その違いや共通部分などを見つけ出すタイプのものがそろっている。

　「コナンを探せ」は、まず一瞬だけ現れるそれぞれ違うポーズのコナンを観察したあと、問題として表示されるポーズのコナンが現れた場所を指定するという内容。問題のポーズのコナンがどこにいたのかということをちゃんと見ておかないと、似たポーズのものと間違えたり、近い場所に表示された別のコナンを選んだりしてしまうことになる。難易度が上がると、最初に現れるコナンの数が増えるので、さらに失敗の危険は増す。

　「カラクリ扉の謎」では、最大4つの像の中から、本来の向きとは違うものを見つけてタッチし、カラクリ扉を開けるという問題。90度ずれている像なら、とっさに見分けやすいが、180度ずれているとシルエットがほとんど同じなのでわかりづらい。全体のイメージと、より細かい部分の観察の両方を素早くやっていかないと、好成績は出せないだろう。

「コナンを探せ」。どの場所にどんなコナンがいたかのか。瞬間的な記憶力も必要な問題だ

「カラクリ扉の謎」。像は小さくて、すべて同じ色をしているので、向きの違いの判断はなかなか難しい

正確な記憶力を強化しろ

　最後は「記憶力」を鍛える問題だ。これまでのジャンルにも、ある程度の記憶力が必要な問題はあるが、ここに用意されているのは、さらに記憶することだけに特化したものとなっている。

　「目撃真犯人」は、最初に表示される犯人の顔を覚え、そのモンタージュ写真を作るというもの。3分割した顔のパーツを複数の中から選んでいく。候補が少ない場合は簡単だが、候補が増えていくにしたがって、どんどん難しくなっていく。中には、かなり似た感じのパーツなどもあるため、完全に覚えているつもりでも、判断に迷うことが出てくるのだ。

　「暗証番号を見破れ」は、よりシンプルな問題。まず、暗証番号を入力している場面を見て番号を覚え、その後でそれを入力するのだ。4ケタくらいだと簡単だが、ケタ数が増えたり、＃や＊などの記号が織り込まれると、だんだんと難しくなってくる。また、タッチパネル上のボタンを正確に押すことも案外重要。あわてると、そんなミスも出てきやすいだろう。

「目撃真犯人」。もとの顔は似てないのに、パーツに分割されると紛らわしいというものが案外多い

「暗証番号を見破れ」。純粋な記憶力勝負。リズムよく覚えて、できるだけ素早く入力したい

キミの探偵力は何タイプ？

探偵力レーダー。黄色い枠が最新値で赤い点が最高値。何度かプレイしてみると、自分の探偵力の特徴がなんとなく見えてくるはず

　最近、こうした「脳トレ」系のソフトは数多いが、この作品の特徴は、なんといっても“名探偵”としての素養を分析するという形になっている点だろう。やはり、誰しも一度はこの名探偵という存在にあこがれを抱き、自分が名探偵だったら……と、想いをはせたことがあるのではないだろうか。

　しかし、ひとことに名探偵といっても、過去の作品にはさまざまなタイプが存在している。超推理力と行動力を兼ね備えたホームズ・明智タイプや、地道な捜査で推理を裏付けていくコロンボ・金田一タイプ、情報の分析だけで事件を解き明かしてしまうポアロタイプなどなど、である。

　そこで、この「名探偵コナン　探偵力トレーナー」をプレイし、自分の探偵力の特徴を知れば、どんなタイプの名探偵に向いているのかが分かるという寸法だ。

　例えば筆者の場合、分析力・観察力・記憶力は高いが、判断力と集中力に欠けるというパターンが多かった。この場合は、「最終的に謎は解くけど、そのころには連続殺人がひと通り終わってしまっている金田一型」だろうか（推理力はあるけど瞬発力に欠ける）。

　と、頭脳を鍛える以外にも、そんなマニアックな楽しさもアリ（？）なこのソフト。コナンのファンはもちろん、名探偵に向けて脳を鍛えたい人にも最適な1本……かも？

(c)青山剛昌／小学館・読売テレビ・TMS1996
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