ドット絵で描かれるヴァンたちのその後は、召喚獣が活躍し戦略でしのぎを削る世界だった:「ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング」レビュー(2/2 ページ)
タッチペンでつんつんしながら、魅惑のアクティブフォースバトルを
「FFXII」ではアクティブディメンションバトルという戦闘システムが採用されていたが、本作ではアクティブフォースバトルと名づけられたシステムでバトルをすることになる。
タッチペンやボタンなどでユニット(個々のキャラや召喚獣をユニットと称する)をタッチし、移動させたい地点をタッチすると移動開始。味方ユニットが敵ユニットに接近することで、そのまま自動的に戦闘が始まる流れだ。各ユニットの攻撃力やタイプなどのステータス情報からダメージが割り出されて、お互いに攻撃しあい、HPゲージがゼロになれば戦闘不能になる。
各リーダー(ヴァン、パンネロなど召喚獣以外の味方キャラ)は、それぞれ“まほう”や“わざ”を持っており、それらを繰り出すこともできる。ガンビットに登録しておけば、自動で出すことも可能。そのほかにリーダーは冒険が進むことで“ミストナック”と呼ばれる必殺技を出すこともできるようになる。これは敵に攻撃したり敵から攻撃を受けることでたまる“ミストカート”がいっぱいになると発動できる大技だ。
各ミッションでは最初に目的が提示され、それを成し遂げることができればミッションクリアだ。ある特定の敵(そのミッションにおけるボスキャラ的存在)を倒せばクリアできるミッションもあれば、敵陣のベースクリスタル(ユニットを復活させることができるクリスタル)を破壊することで勝利となるミッションもある。最初のうちはチュートリアル的な要素も含んでいるため比較的簡単で死ぬ確率も低いが、冒険の進行に伴い難易度はもちろんあがっていく。マップ上にさまざまな敵ユニットが密集している場合、誰で誰を攻撃するべきかというプレーヤーの采配が非常に重要になってくる。このあたりの思考はほどよく難しく、かなり楽しませてくれる要素だ。
また、ミッション中は勝利へ向けて進むためにサバイバルスポット(HPを回復できるスポット)を利用したり、勝利とは別の目的としてマテリアルスポット(アイテムが採掘可能な場所)に立ち寄ったりと、マップ上を縦横無尽に移動する柔軟さも必要。急がば回れ、ということわざ通りに、中央突破ではなく、周囲から強敵を囲んでいくという戦略もありで、戦闘中の自由度は割と高い。
プレイしていて最初に気になったのが各ユニットの移動速度が遅いということ。目的地を遠くに指定すると歩みが遅くてなかなかたどりつかない味方ユニットに「もっと早く走れよー」と思ってしまったりもした。しかし、プレイを進めるにつれて、この遅さは適正なんじゃないかという判断に至った。おそらくこれ以上早く敵も味方もしゃかしゃか移動するようになると、まほうなどの命令をする操作が追いつかなくなり、せわしなくなるのではないだろうか。初心者向けに優しくしているという部分もあるかとは思うが、この移動速度だからこそ、従えた多くのユニットにそれぞれ命令させられることができるのだな、と納得した。
魅惑のライセンスリングで、あいつもこいつも契約しちゃおう
「ファイナルファンタジー」といえば数々の魅力的な召喚獣も印象深いシリーズだが、本作は特に召喚獣の存在が重要な作りになっている。味方リーダーは基本的に4人ないしは5人くらいしか戦闘に出られない。その人数で大勢の敵ユニットと戦うのは至難の技だ。というわけで大活躍するのが召喚獣。
最初はミッションマップ中の召喚ゲートで召喚するところから召喚獣の扱いが始まるのだが、やがてプレイが進むと初期召喚獣といって、あらかじめ召喚デッキにセットした召喚獣をミッション開始時から従えることができるようになる。召喚デッキは、戦闘前に自由に編集できる。「このミッションではこの召喚獣を使います」とあらかじめ決めておけるうえに、そのバリエーションをデッキとしていくつか登録できるので便利だ。
敵キャラや召喚獣には3すくみの力関係のほかに、それぞれ火、水、雷、土の中で攻撃属性や弱点属性を持っている者が存在する。ミッション開始前にそのミッションで戦う敵のタイプや属性を見ることができるので、間接タイプの水属性に弱い敵ばかりだと分かったら、こちらの召喚獣を近接タイプの水属性召喚獣だけで固める、などの戦略が立てられるわけだ。この開始前の情報戦でしっかり有利な布陣を用意しておけば戦闘はかなり楽になるだろう。敵を知り己を知れば百戦危うからず、である。
味方として使える召喚獣は、序盤ではかなり少ない。召喚獣を増やすにはミッションで得られる聖石が必要になる。聖石はミッションクリア時に入手できるアイテムの1つで、召喚獣との契約に使われる。聖石がたまったらメニューからライセンスリングを開き、誰と契約するかを選んでみよう。リング内のある召喚獣と契約することで、そのとなりに表示されている召喚獣との契約が可能になるので、どんどん契約していけばいずれ強大な召喚獣を手に入れることができるわけだ。ただ、召喚獣が強ければ強いほど必要な聖石の数は多いので、そうそう簡単には契約できない。これらの召喚獣システムが、更に冒険を進めたくなるモチベーションアップにつながる面白い要素になっている。すべての召喚獣をコンプリートするために聖石をためたくなるはずだ。
ドット絵のキャラとシミュレーション要素がOKならば、レムレースでヴァンと握手
総じての印象としては、タッチペンによる操作もまずまず快適で、ライトに気軽に遊べる外伝的「ファイナルファンタジー」といったところ。マテリアルを集めて合成する楽しみや、聖石を手に入れてライセンスリングを開拓していく楽しみもあり、いろいろとやり込める。シミュレーション寄りな戦闘に関しては好き嫌いが別れるかもしれないが、シミュレーション的なシステムに抵抗がないのなら、おそらくすんなりと入り込めるはずだ。
本作はヴァンを主人公に、パンネロ、カイツ、フィロ、バルフレア、フラン、バッガナモンなどの魅力的なキャラたちが登場する。レムレースに生息する翼を持った種族“エグル族”のリュド、謎多き存在である翼のジャッジなども物語に絡み合い、新たなる「FFXII」の世界、イヴァリースと地続き(実際は遥か上空なので“地続き”ではないけども……)の世界が楽しめる作品となっている。
「FFXII」ファンにとっては「彼らにまた会える!」という点において、是が非でもやっておく価値はあるはず。そして「FFXII」をやったことがない人でも、プレイに関しては何ら問題ない、と言っておこう。もちろん「FFXII」をクリアしてからプレイした方が楽しみも多いとは思うが、ゲーム性はまったく一新されているし、単体のゲームとして見てもなかなか面白い。「2Dのファイナルファンタジーは好きでよくやってたんだよなあ」というオールドファンにも、本作のドット絵で描かれつつも新しいアプローチの「ファイナルファンタジー」は受け入れられるものだと思っている。
今年は「ファイナルファンタジー」20周年ということで「ファイナルファンタジー」関連タイトルが目白押しだが、ニンテンドーDSを持っているのなら、本作を手にとり、ヴァンとともに大空の旅に出かけてみてはどうだろうか。
| 「ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング」 | |
| 対応機種 | ニンテンドーDS |
| ジャンル | ロールプレイング |
| 発売日 | 2007年4月26日 |
| 価格(税込) | 5040円 |
| CERO | A区分(全年齢対象) |
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