刃には刃を、屁には屁を「桃太郎伝説」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)

» 2007年06月19日 00時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

桃太郎クンが各地を巡ってギャグに接する旅

 しかし「桃太郎伝説」には、それ以上に個性的な点がある。ゲーム全体にちりばめられているギャグだ。ユニークなセリフがいくつか出てくるRPGはほかにもあったが、「桃太郎伝説」では、徹頭徹尾ギャグの要素が前面に出てきている。

画像 仙術は、仙人のもとで修行して会得する。ボタンを連打するとか、すごく長い話を聞いてあげるとか、ヘンな修行も多い

 例えば、桃太郎の使う「仙術」(ファンタジーRPGの魔法にあたる)だ。ヘンな名前の術ばかり。体力を回復する術が「きんたん」で、もっと回復する術が「まんきんたん」。最も攻撃力の高い攻撃仙術の名前が、「だだぢぢ」。

 あと、名前というより術そのものがおかしい「ほうひ」の術。何と、好きなときにオナラができる術なのだ! これがシナリオクリアに必須な術なのだから驚く。

 ストーリーもかなりヘンだ。主人公が桃太郎だから、基本的には鬼ヶ島へ鬼退治に行く話なのだが……。

 この桃太郎クンは旅の途中に、相撲を取ってみたり、枯れ木に花を咲かせてみたり、助けた亀に連れられて龍宮城へ来てみたりするのだ。

 村や街の人々がしゃべる話にも、かなりのギャグが盛り込まれている。しかし時にはギャグの中に、ゲームの重要なヒントが隠されていることもある。


画像 龍宮城では、タイやヒラメの舞い踊りを見た後、玉手箱を手渡される。開けるとやっぱり……
画像 延々続くしょーもないダジャレが、実は宝物のありかを示すヒントになっている

 輪をかけてヘンテコなのが敵キャラだ。例えば、ギターを持った蛇「若大将」は、「キミに倒されるなんて僕は幸せだなあ」と言い残して消えていく。

 桃太郎の攻撃をバットで打ち返すのが、かつて某セ・リーグ球団で人気のあった外国人選手にそっくりな「赤鬼ホーマー」。ゲームの作られた年代がうかがえる。

 顔が某女優にそっくりな「ユキだるま」は、「朝のシャンプーしてる?」と聞いてくる(後に出たPCエンジン版では「さがしものはなんですか」に変更)。

 戦闘中の行動がユニークだったのが「はらだし」。桃太郎を眠らせたまではよかったが、自分も一緒に眠ってしまい、しかも桃太郎が起きた後も眠ったまま。

 こうしたギャグが、「桃太郎伝説」の個性となっている。

画像 桃太郎に、というよりプレーヤーに「勉強しろ!」と説教する「勉強の鬼」。ほほえみの大地に出てくる敵は、こんなんばっか
画像 現在、元ネタの方でこのプレゼント企画が復活しているから、若い人にも分かるネタになったかも
画像 「桃鉄」でもおなじみ貧乏神の初登場シーン。ちょっとずつお金を盗んで、すぐ逃げちゃう

 特に“ほほえみの大地”と呼ばれる場所は、ギャグで固められたエリア。若大将やホーマー、ユキだるまなど、ギャグ敵ばかりが出現する上、この地にある“ほほえみの村”では村人みんなが、来たる「天下一ダジャレ大会」に向けて、寒いダジャレを連発する。

画像 ほほえみの村にある道具屋はこんなことに……。すぐ近くにある武器屋もギャグ満載
画像 ほほえみの大地では、フィールド自体がでっかいギャグを仕込んでいた

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