ステキな要素たちをオイシイとこ取りした「ジオテイル」に萌えてみました:「ジオテイル」レビュー(1/2 ページ)
“現実の学園”、“異世界の学園”、“美少女”、“RPG”と、なんだか単語だけでも心躍るそれらステキワードを、見事に融合させたアドベンチャーRPG「ジオテイル」。その禁断の調合にどれだけの“萌え”が生成されたのか、プレイして調べてみました
過去作のシステムがどどーんとパワーアップ!
工画堂スタジオの開発チーム「いるかさんちーむ」が手がける「ジオテイル」は、アドベンチャー要素とRPG要素をミックスした“アドベンチャー&リアルタイムRPG”というジャンル。美少女ゲームのようなノベルゲームが楽しめ、さらにリアルタイムRPGも遊べちゃうというなんともお得感のある作品だ。
同チームの過去作「RASETSU」や「ブルーブラスター」で培われた、敵味方入り乱れて戦闘しあうリアルタイム制の戦闘方式をブラッシュアップして採用しており、作品のテーマは今までの“ロボットモノ”から“学園モノ”へと変わっている。
物語の概要を紹介していこう。ごく普通の高校生である五十嵐翔(いがらししょう)は、それまで暮らしていた現実世界と似て非なるパラレルワールド“異世界ヴァリアス”に突然召還させられてしまう。そこで翔は、自分と外見が瓜二つの日野原諒(ひのはらりょう)と出会い、彼や同級生の仲間たちとともに、現実世界と異世界で起きている怪現象の謎を解決していくのだ。
本作は、“ノヴェルパート”“移動パート”“探索パート”“戦闘パート”という4つのパートで構成されている。4つのパートをざっくり紹介しよう
ノヴェルパート
キャラクターたちの会話を読み進めていき、物語を進めていくパート。途中で選択肢が現れ、選んだ選択肢によってストーリーや女の子たちの好感度が変化する。美少女ゲームで多く見られるアドベンチャーパートだ。
移動パート
異世界ヴァリアスの街を移動する際に切り替わるパート。ヴァリアスの全体マップが表示され、向かいたい場所のアイコンをクリックすることで移動できる。
探索パート
ダンジョンの内部を移動し“怪我をした生徒を救出せよ”や“定められたアイテムを入手せよ”など、与えられた目的をこなしていくパート。暗号の謎や扉開錠の仕掛けといった謎解き要素もあり、敵と遭遇すると戦闘パートへ移行する。
戦闘パート
最大で3人までが戦闘に参加できる、リアルタイムバトル。事前に攻撃重視、回復重視といった設定を行い、戦闘自体は自動的に進行する。もちろん、自分で操作することも可能だ。
要素のミックスが吉と出るか凶と出るか
では、さまざまな要素をミックスしている本作のオモシロさが、何倍までふくれ上がったか遊んでみた。というわけで、ここからは筆者のプレイリポートをお送りしよう。
序盤は、いつものように学校へ向かう翔と、幼馴染の神無月唯(かんなづきゆい)や伊集院沙耶(いじゅういんさや)といった、彼と同級生たちとの学校生活が描かれている。プレイを始めて早速驚かされたのは、三人称視点で物語が語られる、ということだ。昨今のノベルゲームでは、そのほとんどが主人公の視点で語られるのに対し、本作は“他者から見た視点”で物語が描かれているのだ。小説ではよく見かけるが、一人称視点の萌えゲーばっかり遊んでる筆者にとって、全体的に硬派な雰囲気を覚える。
その後、翔は突如異世界ヴァリアスへ飛ばされ、翔の“ダブル”である諒と出会う。ダブルとは、異世界にいるもう一人の自分のこと。容姿や役職、立場は現実世界にいる自分とほぼ一緒。性格は、自分の性格と似ているか、逆に正反対かのどちらかとなる。例えば、翔の幼馴染である唯のダブル・神楽月悠香(かぐらづきゆか)は、感情を表現することがうまくない唯と違い、言いたいことはストレートに言ってしまう性格だったりする。最初は「ドッペルゲンガーのようなもの?」と思ったのだが、もうちょっと練り込まれた設定のようだ。
工画堂自慢の高難易度は謎解きにもバッチリ反映
自分が住んでいた世界に戻るため、その方法を探そうとヴァリアスで行動することになった翔。ここで移動パートに切り替わる。講義堂や、学生寮、訓練所といった物語の要所となる場所へ行くことができるのだ。
訓練所では、探索パートでの探索方法を学ぶことになる。このパートには暗号解読や扉開錠の仕掛けなどが存在し、謎解き要素が含まれており、その難易度も初級、中級、上級の部屋にわけられている。……こういった謎解き系が、かなーりニガテな筆者。中級まではなんとか自力で解けたものの、上級からはもう頭が回らない。ほかのライターと一緒に、あーでもないこーでもないと議論してやっとこさ解けました。
訓練所では戦闘の訓練が行える。戦闘は前述したように、リアルタイムで進行する。攻撃したい敵をクリックして選択したり、右クリックで、魔力を消費して魔法を使うことも可能……なのだが、AIによるオート戦闘だけで、訓練所以降の戦闘も難なくクリアできてしまった。戦闘だけ見れば、ちょっと簡単に感じた。
戦闘では、悠香は欠かさずパーティに入れてみた。というのも、筆者のお気に入りである唯を本当は参加させたかったのだが、唯は現実世界にいるため戦闘に参加できない。そのため、妥協案で唯のダブルである悠香を戦闘に参加させていた。しかし、敵にトドメを刺したキャラクターのみに経験値が入る仕組みなのか、挙動が遅い大剣を扱う唯は、どうしてもほかの仲間より経験値が稼げない。まさか、小さい体+大きな剣の組み合わせが、妙にツボだ……と浮気心が働いてしまったのがいけなかったのかッ!
この後もプレイを続けたが、さらなる難問奇問の謎解きや、うり二つのヒロインたちが自分のそっくりさんとのまさかのご対面といったイベントもある。ここから先は、プレイして実際に体験してみてほしい。
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