大型アップデートで新しいゲームに生まれ変わる「トリックスター」(2/2 ページ)

» 2007年07月24日 16時00分 公開
[ITmedia]
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画像 ジークレスト 「トリックスター」プロデューサー 岩澤泰洋氏(右)とディレクター 深井洸介氏(左)

――大型のアップデート、「トリックスター」としてはひさびさですね。

岩澤泰洋氏(以下、敬称略) おかげさまで6月には「トリックスター」の会員数も100万人を突破しまして、多くのユーザーに楽しんでいただいているんですが、これを機会に生まれ変わることはできないか、と考えていました。加えてサービスを開始してから2年たちますので、レベルの高いユーザーも増えてきましたし、大型バージョンアップをしていませんでしたので、そろそろどうか、と開発元とも話をしまして。結果的に毎月、大型のアップデートを実施することになりました。最終的にはまったく新しいゲームとして生まれ変わることになると思います。

 アップデートとしては3月に「エピソード2 旋律に刻まれし運命の記憶」を実装したのが最後だったんですが、それから目立った動きがなかったので、ユーザーから「『トリックスター』は終わるんじゃないか?」というご心配もいただきまして。もちろん、そんなことはありません、と(笑)。準備の都合などがあって、8月にアップデートすることになったわけです。

――どのような方向でアップデートすることになるのですか?

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岩澤 開発元のNtreevと話をしていたのは、ちゃんとユーザーに向き合って、いいところは伸ばし、悪いところは補うという形でアップデートするべきではないか、ということです。バランス調整についても、「自分たちはこう思う」ということが強すぎてもいけないですし、ユーザーの話を聞きながら進めていきます。「トリックスター」は韓国でもサービスされていますが、一番ユーザー数が多いのは日本ですので、意見は通りやすいですね。

 もともと「トリックスター」は操作が簡単で、初心者でもプレイしやすいゲームです。この2年半くらいの間に裾野が広がり、ゲーム慣れしていないユーザーにも非常に多くプレイしていただいています。ただ、オンラインゲームは自由度が高いですよね。順番にストーリーをこなしていくというより、あっちを旅したりこっちに行ったり、自分の思うとおりに進められるわけです。この自由度の高さが、返って分かりにくさを生み出しているかなと。コンシューマーゲーム機やケータイゲームを遊んでいる人が「トリックスター」をプレイしたとしても遊びやすいようにするにはどうしたらいいのか、というところに力点を置いて考えました。

 具体的には、クエストをこなしながら基本操作をおぼえ、ストーリーを理解してもらい、敵と戦いながら必要なスキルを身につけ、アイテムをもらう、というような、コンシューマーゲームの作りに近づけています。強制ではないですが「この通りに遊んでみてはどうでしょう?」という“流れ”を作りました。従来でも1時間くらいで、Lv5程度まで進めるチュートリアルも用意していましたが、これに加えて、最初にプレイする「コーラルビーチ」や「マリンデザート」といった地域で、ストーリーを追いかけてもらいながらLv40程度まで成長できるようにしたんです。ここで必要なスキルを身につけて、必要なアイテムをゲットし、ゲームの楽しさを覚えてもらい、パーティー用のクエストもありますので、そこで友達を見つけるのもいいですね。オンラインゲームの楽しさを理解してもらうために、初級〜中級くらいまでをアシストするような設計にしました。

 また、上級レベルのユーザーについてもケアする形で、これから毎月アップデートしていきます。いまは実装されていますが、以前は転職がなかったりと、初心者向けのゲームとしてスタートしていますので、“下に厚くて上に薄い”ゲーム性となっていたんですね。これではユーザーの実態に合っていませんので、ユーザー層がきれいなピラミッドを描けるように準備をしています。高レベルユーザーについては、今後のアップデートで対応していくことになります。

 つまり、ゲームがバージョンアップするに従って、新規のユーザーも楽しくプレイできますし、既存ユーザーについても、これまで登場したモンスターであっても、違うクエストで登場したり、違うアイテムをドロップしますし。また知らない間に、カバリア島も大きくなっていることもあるかもしれません。ですので、飽きずに長い間プレイできると思います。

深井洸介氏(以下、敬称略) また細かい点ですが、キャラクター作成画面のインタフェースも変更します。どのタイプのどのキャラクターがいるのか分かりやすくなりますし、全身のキャラクタービジュアルも表示されます。また、カバリア島に進む船の上からスタートしますが、島に着いてから始まるチュートリアルを終えると、初心者用の武器や防具など一式が手に入るようになっています。チュートリアルショップもありますので、そこで買い物のしかたも覚えられます。

 それにチュートリアルマップでは、これまで2、3種類のモンスターがいたんですが、1種類に変更します。加えてレベルも低くして、自分と同じレベルのモンスターだけを登場させて、武器や防具がない状態でも、モンスターを倒してレベルアップできるようになります。

岩澤 現在では技術が進んでいますので、グラフィックをきれいにしようとか、いっそのこと3Dにしようとか、新しい機能を増やすとか、そういった方向に行きがちです。ただし機能競争やグラフィック競争は、このゲームのユーザーを裏切るだけで、全然喜ばれないでしょうね。このため正常進化させようと。ユーザーが一緒にプレイできるとか、モンスターと戦う動機付けであるとか、その結果得られるものについては、しっかりとケアするつもりです。

 また、これまでと何が違うかと言えば、マーケティングやサポートにあると思います。サポート1つをとっても、ユーザーからの苦情に対応するという面が強かったんです。でもこれからは積極的に、ユーザーに意見を聞きに行きますし、開発元にもユーザーの声をフィードバックして、風通しをよくしていきます。またユーザー間のコミュニケーションも希薄だったと思います。パブリッシャーが知らないところではオフ会が開かれていたとは思いますが、わたしたちとして発信をしていなかったという反省があります。

 ですので、たとえばですが、ユーザーのブログリンク集を公式サイトのトップページに置いてみたらどうかとか、「困ったことがあったらこの人に聞いてほしい」というような役回りの人をユーザーから選んで対応してもらう、といったことを考えています。このような場合は、一般のユーザーとは違ってより多くの情報を知ってもらわなければいけませんので、情報を先にお知らせして、βバージョンでもプレイしてもらい、意見をフィードバックしてもらうということもあるかもしれません。これはいずれにしても構想段階の話なんですが。開発と運営とユーザー三者一体で「トリックスター」を盛り上げる方向にかじを切りたいと思っています。

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(C)Copyright 2006 Ntreev Soft Co., Ltd. All Rights Reserved.
Ntreev and Trickster are registered Trademarks.


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