1人でもみんなでも遊べるFF――クリスタルを巡る楽しいマルチプレイをニンテンドーDSで「FFCC リング・オブ・フェイト」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年09月06日 15時21分 公開
[仗桐安,ITmedia]
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マルチプレイでいろんなクエストに出かけよう

マルチプレイでは最大8つまでキャラを作成することができる。一緒に遊ぶ友人との兼ね合いで、その都度種族を選んでプレイする、というのもいいかもしれない

 シングルプレイでは1人で最大4人のキャラを切り替えながらプレイが進行していくが、マルチプレイではニンテンドーDSのワイヤレスプレイを活かした4人同時プレイが実現している。

 マルチプレイにおいてプレーヤーが最初にすべきことはキャラクターの作成だ。シングルプレイでは全種族が登場するにはするが、ユーリィ、ミースなど登場人物が決まっていた。それに対して、マルチプレイではプレーヤーキャラの4つの種族と男女の別を自由に選べる。シングルプレイに登場するセルキー族と言えばナッシュという男の子だが、マルチプレイなら“セルキー族の女キャラ”でプレイすることもできるというわけだ。


マルチプレイにおけるレベナ・テ・ラの王は、かなりの面白キャラ。セリフの1つ1つに笑ったりニヤニヤしたりしてしまうだろう

 というわけで、さっそくセルキー族の女キャラを作ってみた筆者。マルチプレイは必ず4人で遊ばなくてはならない、というものではなく、1人で遊ぶこともできるので、まずは1人で遊んでみた。フリー編では、シングルプレイでも行くことができた各フィールドを自由に探索できる。キャラのレベルを上げたい、ある素材が欲しい、という時に利用するといいだろう。クエスト編はレベナ・テ・ラの王様に話しかけることでプレイすることができる。ここで受けられるクエストには、プレーヤー同士で協力するタイプのものと対戦するタイプのものに分かれており、一人で遊ぶ場合は「対戦タイプ」以外のクエストを選択することができる。こなせばこなすほど新たなクエストが増えていく。


クエストをクリアすれば新たなるクエストが追加されていく。クエストのボリュームは相当なものだ

 あるクエストに挑み1人プレイのつらさを感じた筆者は「これは誰かと行った方が楽なのかもしれん…」と記者Iに協力を依頼した。実際に2人によるマルチプレイをやってみると、これが何とも言えず楽しいのである。同じフィールドをお互い自由に行動でき、かつちゃんと同期がとれている。処理落ちや通信エラーという類のものは皆無で、非常に快適だった。面白いのはプレーヤーキャラ同士でもちゃんと当たり判定があるということ。しかもちゃんとダメージをくらったときの「うおっ」、「うわぁっ」という声をキャラが出すので、やっている本人たちも「ちょっとちょっと」、「うわ、やめてくださいよ」と思わず声が出たり笑ったりしてしまう。

 敵を倒した時に出現するアイテムは、倒したキャラじゃなくてもとれてしまうので、記者Iが倒した敵のアイテムを「アイテムが出たら迷わず拾う」というシングルプレイ時のクセが出てしまった筆者がひょいっと取ってしまい「あーずるいっ!」、「あ。ごめんなさい……つい」というやりとりもあった。

 また、クエストクリア時の王からの報酬は宝箱からばらまかれたアイテム群。早い者勝ちで奪い合うことになるので、ここでも“し烈”な争いが繰り広げられる。対戦タイプのクエストの報酬は、プレイ成績の優秀な方がよりアイテムをとりやすいポジションをとることができるので、クエスト中のプレイにも熱が入るというものだ。

 残念なことに4人プレイはできなかったが、2人でもかなり盛り上がったので、これが3人、4人ならさらに白熱することと思う。周りに本作をプレイしている人がいるなら、是が非でもマルチプレイを体験してほしいほどだ。そんな楽しくエキサイティングなクエストの一部を紹介しておこう。

「エクストラバトラーズ」は、“制限時間内に一定数の敵を倒せ”というシンプルなクエスト。まずはこれからやってみるといいだろう
「めくるめくスイッチ天国」は、“制限時間内にフィールド内のスイッチを全てONにせよ”というクエスト。「スイッチを押せばいいんでしょ」と最初は余裕でいられるかもしれないが、スイッチの種類や仕掛けの法則などが進行に伴って難しくなっていくのでご注意を
「AREA051」は、“謎の光にさらわれそうになる牛をジャンプでつかまえて助けろ”という一風変わったクエスト。UFOによるキャトルミューティレーションをパロったと思われるその着眼点が面白い。もぐらたたきのようにどの牛が次に狙われるのかを見極めて行動しなくてはならず、だんだんスピードアップしていくので大変だ。複数人でやる場合は画面のどのあたりは誰担当、などと作戦を決めてやると効率がいいかもしれない

 この他にも2人以上での白熱する対戦クエストや目的がユニークなクエストが目白押し。シングルプレイをやり込んだプレーヤーでもマルチプレイでは全く違う面白さを発見することができるだろう。

仲間がいるならば楽しさは無限大――友人と一緒に遊んでほしい一作

うちのモグは淡い紫色。彩色はかなり細かくできるので、ペイント自体も楽しい

 本作にはシングルプレイ、マルチプレイ以外にもお楽しみが用意されている。“おでかけモグ”はニンテンドーWi-Fiコネクションを利用したモード。プレイ中に出会うモーグリはモグペイントという機能で自由にペイントできる。この自分が彩色したオリジナルのモーグリを友達リストに登録した友人のもとに送ったり、友人のオリジナルモーグリを受け取ったりできるという内容だ。あくまでもオマケ的ではあるが、友人とのちょっとしたコミュニケーションとして活躍してくれることだろう。

 オマケと言えば、前作「FFCC」をプレイした人なら「けちらせキャラバンロード」を覚えていることだろう。これは前作に収録されていたごくごくシンプルなレースゲーム。本作においてもこのミニゲームは健在。ある程度プレイが進むと「けちらせキャラバンロード復刻版」と名付けられたレースゲームを遊べるのだ。十字ボタンで移動、Aボタンでアクセル、Bボタンでブレーキ、Lボタンで魔石を使う(本編とは違った効果の魔石が複数存在する)という操作方法で、お手軽なレースが楽しめる。マルチプレイでも遊ぶことができるので、クエストの合間の気分転換にはもってこいだ。その他にもセーブポイント付近でモーグリを発見して押してもらえるモグスタンプなどコレクター心、やり込み魂を刺激する要素が随所に盛り込まれている。

 総じて長く遊べる1本だと言えるが、やはり本作をプレイする価値は“周りに同じく本作をプレイしている友人がいるかどうか”が大きいだろう。多種多様な装備の着せ替えも、一緒にプレイする友人がいれば、さらにモチベーションが上がるというもの。「お、こいつぅ、あの装備にしたのか〜」とか「あいつがセルキーでこいつがクラヴァットなら、自分はリルティでいこう」などと相手の進行度や出方を見つつ仲間とクエストに出かける喜びは、本作独特にして相当な魅力だ。

 マルチプレイがWi-Fiに対応していればなおよかった……と言いたいところでもあるが、集まって顔をつきあわせてやるからこそ面白いこともある。本作をやっている友人が周りにいなくて寂しい思いをしている人は、知人に勧めてみるというのもいいだろう。2人以上でのプレイは4倍にも10倍にも面白く、無限の可能性を秘めている。アクションの手軽さとRPGとしてやり込める各要素を友人と共有して、「FFCC」の世界を存分に楽しみ尽くしてほしい。心からそう思える一作だ。

「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト」
対応機種ニンテンドーDS
ジャンルアクションRPG
発売日2007年8月23日(木)
価格(税込)5040円
(C)2007 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: Toshiyuki Itahana
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