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» 2007年09月07日 15時28分 公開

ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」:野菜たちのほのぼの冒険譚「サラダの国のトマト姫」 (2/2)

[ゲイムマン,ITmedia]
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ファミコン版オリジナルの戦闘と迷宮

 連れていかれた場所は、なぜか和風の奉行所。トウガラシの役人に取り調べられ、水責めの拷問を受けるが、すんでのところで脱出に成功。

 その後、物置で拾ったロープと、別の場所で入手したアイテムを使って、逆にトウガラシを脅して縛り上げる。

 ここでもう一度物置に行くと、さっきはなかった御用ちょうちんが置いてあり、それを手にして、役人のふりをして奉行所を抜け出す。しかしいったい誰がちょうちんを……?

画像 さっきここを見たときは、ちょうちんなんてなかったのに

 「サラダの国のトマト姫」にはこのように、キュウリ戦士の行動と、その後起こった出来事に、因果関係がないことがたまにある。何か別のことをしている間に、閉まっていた扉の鍵がいつのまにか開いていたとか、誰かがいつのまにかそこにいたりとか。推理ものというよりは、展開を楽しむアドベンチャーゲームであるといえる。

 奉行所を脱出し、レジスタンスの基地へ行くまでの間に、PC版にはなかった2つのシステムが初登場する。

 1つは前述の“あっちむいてホイ”戦闘。敵にはパワーの数値が設定されていて、あっちむいてホイに勝てば敵のパワーが減り、負ければ逆に増える。敵のパワーが0になれば、戦闘に勝利したことになる。

 ちなみに、このあっちむいてホイで戦っているのは、キュウリ戦士ではなく柿っ八。このゲーム、主役のキュウリ戦士が今ひとつ目立たない。

画像 柿っ八が最初に戦う相手は、ノーミン族・ごさく。キュウリ戦士と柿っ八をつかまえて食べようとする
画像 たいていの敵には癖があり、ジャンケンで出す手か、向く方向が決まっている。事前にヒントを得られることが多い

 あともう1つ、ファミコン版で初登場したシステムが、3D視点の迷路。

画像 森の中には、現在向いている方角がわかるアイテムがある。早めに入手すると便利

 アドベンチャーゲームで3D迷路といえば、ファミコン版の「ポートピア連続殺人事件」に登場した。これは「ウィザードリィ」を意識したものだったが、「サラダの国のトマト姫」でも、PC版にはなかった3D迷路が追加されている。

 ここでは森が迷路になっている。紙にマッピングをしてもいいが、そんなに意地悪な迷路ではないので、左右どちらかの壁に沿って進んだ方が早いかもしれない。

 迷路の奥に、ドレッシング怪獣サラダロンがいる。あっちむいてホイ戦闘。サラダロンは特定の手しか出さないので、クリアは簡単だ。

王国のモビルヤサイスーツは化け物か!

画像 アップルリサはPC版では、名前のとおりリンゴだったが、ファミコン版では人間の姿である

 ようやくレジスタンスの基地へ。この場所はまだカボチャ大王の軍勢に見つかっていないのか、メンバーの緊張感は薄い。キュウリ戦士がやることといえば、ロンメロン将軍に頭痛薬を渡したり、アップルリサ王女のペンダントを探したり。

 それでも、伝説のモビルヤサイスーツ「ダイコーン」に関する情報を得て、ピーナツ村へ移動。怪物・ヤマタノバナナにさらわれた村長の娘・ナツ子を救うため、ウッピー洞窟に入る。

 わたしは初めてプレイした際、ヤマタノバナナを倒した後、ナツ子の居場所がわからなくてずいぶん悩んだ。意外な場所から出てきたナツ子を村に送り届け、再び迷宮へ。迷宮の奥深くに、白いモビルスーツ、いや、モビルヤサイスーツのダイコーンがあった。

 ダイコーンを駆って、カボチャックの町へ向かう。途中、カボチャ大王軍のウォーメロン将軍率いる、モビルヤサイスーツの一群と遭遇。戦いとなる。あっちむいてホイだけど。

 戦いに勝ち、町の入口近くで見つけた“変草”で、カボチャの姿になったキュウリ戦士と柿っ八。カボチャックの町に入る。町の建物は西部劇風で、テンガロンハットをかぶったカボチャとナスが酒場で酔っ払っている。

 カボチャ大王の城の近くだが、ここにもオニオン王に心を寄せる野菜たちがいた。彼らの協力で抜け穴を発見し、城への潜入に成功する。

 大王の城はとにかく部屋数が多い。キュウリ戦士は片っ端から部屋を調べるが、そこは召使いの部屋だったり、お風呂場だったり。

 牢屋に捕らわれていた野菜たちから情報やアイテムを得ている間に、奥の部屋に入れるようになる。そして、変装していたトマト姫を遂に発見! いよいよカボチャ大王を倒しに向かう。

画像 トマト姫がお風呂にいるという情報を得たので行ってみたら、別の女性が入っていた。一応セクシーショットか?
画像 “変草”でトマト姫を元の姿に戻す。同時にキュウリ戦士と柿っ八も、カボチャの姿ではなくなった
画像 大王の部屋への入口は、ナスが守っている。PC版ではここが最大の難所だったが、ファミコン版のナスは、あっちむいてホイが弱く、簡単に降参する

画像 さんざん威張り散らしていたカボチャ大王だが、あっちむいてホイに負けると、ご覧のとおり

 隠し階段から地下迷宮に入り、謎を解いて、食ヤサイ動物・ウツボラをあっちむいてホイで倒し(これも楽勝)、遂にカボチャ大王と対決!

 第12回ジャンケン大会で優勝したほどの実力を持つカボチャ大王だが、さっきの牢屋にいた野菜の情報が役に立ち、見事キュウリ戦士は(というより柿っ八は)あっちむいてホイに勝利。しかし、トマト姫が探していた“王印”を、カボチャ大王は持っていなかった。

 ともかく、サラダの国に平和が戻った……はずだったが、カボチャ大王の降参を喜ぶ市民たちの前に、最後の敵が現れるのだった。

携帯電話版はPC版がベース

 「サラダの国のトマト姫」に続編はないが、21世紀になって、Windowsや携帯電話に移植されている。

 ハドソンは早い時期から、携帯電話アプリにかなり力を入れている。同社の携帯電話用サイトでは、「ロードランナー」「ボンバーマン」「スターソルジャー」「高橋名人の冒険島」などとともに、「サラダの国のトマト姫」がダウンロード販売されている。

 意外にもファミコン版ではなく、PC版がベース。3D迷路や、あっちむいてホイはない。PC版と同じように、奉行所にはキャベツ奉行がいるし、アップルリサの顔はリンゴに戻っている。

 ただし、システムはコマンド選択式に変更されている。PC版の難しかった場面がカットされ、また各所にヒントが盛り込まれたこともあって、PC版どころかファミコン版より簡単になっている。

 ストーリー自体も短いのだが、全部ダウンロードしても300円しないので、気軽にその雰囲気を楽しむゲームといえるだろう。

 ファミコン版であっちむいてホイに置き換えられていた戦闘場面が復活して、キュウリ戦士の強さが描かれている。また、ファミコン版では小規模なレジスタンスとなっていたトマト姫側の部隊が、大規模な革命軍として、大王の軍勢と正面衝突する。

画像 ファミコン版のエンディング。キュウリ戦士ってこんな顔してたんだ

 一方ファミコン版の方は、「ハドソンベストコレクションVOL.4 謎解きコレクション」の収録作品として、ゲームボーイアドバンスに移植された。

 最近は少子化のせいもあるのか、「サラダの国のトマト姫」のような素朴なアドベンチャーゲームはあまり見られなくなった。また、今のゲームはプレイ時間が長くなっているので、もし今このゲームが当時の定価(5900円)で発売されたら、割高感があるかもしれない。

 でも、殺伐としたゲームが多い今だからこそ、こういうほのぼのとした雰囲気のゲームも、もっと目立ってほしいなあ、と個人的には思っていたりもする。

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