いわば“バージョン3”となったPS3の新モデルとは?

ソニー・コンピュータエンタテインメントが発表した40GバイトのHDDを搭載したプレイステーション 3(CECHH00シリーズ)はどんなものなのか? PS3専用ソフトの充実に伴い、PS2専用ソフトが遊べなくなる?

» 2007年10月09日 21時15分 公開
[ITmedia +D Games取材班,ITmedia]

 ソニー・コンピュータエンタテインメントが10月9日に発表した新プレイステーション 3(PS3)は、HDDを40Gバイトとし従来機能の一部を見直し、値段を抑えることに重点が置かれている。発売日は11月11日、価格は3万9980円(税込)。なお、新PS3の発表に伴い、現行モデルも10月17日から値下げされ、20Gバイトモデルが4万4980円に、60Gバイトモデルを5万4980円とする(いずれも税込)。

 最大の特徴といえるのが、現行の日本で発売されているPS3ではプレイステーション 2ゲーム向けのCPU「Emotion Engine」(EE)とグラフィックチップ「Graphics Synthesizer」(GS)が搭載されているのに対し、新型ではともに取り外されPS2ソフトを利用できないという点。今年3月に欧州で発売されたPS3がEEを省き、GSのグラフィックス機能の一部を備えた新チップを搭載した“バージョン2”ともまた違う、いわば3つ目のシャーシモデルとなる。なお、新モデルでもPS専用ソフトの互換性は維持している。

 欧州版の現行PS3は、新チップとしたことで省略されたEEの機能をソフトウェアエミュレーションで実現し、互換性は低下したもののPS2用ゲームの利用はできたが、今回の施策では完全に切り替えた形となる。その理由についてSCE側は「PS3用ソフトウェアのさらなる開発強化とラインアップの充実に伴い」としている。

 事実、PS3のソフトラインアップがディスクベースで40タイトル以上となり、PLAYSTATION StoreでもNewゲームとしてダウンロードできるPS3専用タイトルが体験版を含め30タイトル以上発売されている。さらに、年末年始の商戦期に向けてコーエーの「真・三國無双5」やコナミデジタルエンタテインメントの「ワールドサッカーウイニングイレブン 2008」など数タイトルが控えている。

 このほかにも、メモリースティックやSDメモリーカードを利用できるメモリカードスロットやSACD(Super Audio CD)の再生機能も省略。USBポートも4ポートから2ポートとなっている。なお、消費電力が現行より100ワット減の約280ワットに。本体重量も現行の5キロから4.4キロに削減されている。これらの機能が削減されたのは、EE&GSを含めて「すべてコスト削減のため」(同社広報)。USBポートやSACDについては、これまでのユーザーが利用している頻度を考えて削除したものと思われる。

 ところで気になるのがシステムアップデートの方法だ。9月に発売された新型PSP(PSP-2000)でもそうだが、同じハードウェアラインアップに、機能が異なる、違うバージョンが存在することになる。これらそれぞれのハード向けに、個別のシステムアップデートを提供するかは未定とのことだが、ユーザーが混乱しない方法での、何らかの対応を求められるだろう。

 なお今回の新PS3ではカラーバリエーション「セラミック・ホワイト」が登場するのも特筆もの。パッケージには、本体と同色のワイヤレスコントローラ「SIXAXIS」が同梱される。また、従来モデル値下げに伴い、10月17日から現行のPS3新規購入者、および11月11日から新PS3購入者向けに、キャンペーン用特別版BD「スパイダーマン3」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)を計20万枚プレゼントするキャンペーンを実施される。

 先週の10月5日に欧州では新PS3が発表され、日本はそれに追随した形でのリリースとなった。欧州での新PS3は10月10日に発売され、価格は399ユーロ(約6万5500円)となっている。今回日本で発表された新PS3と欧州版の新PS3は、規格的にも同じものとなる。この時期に新モデルを発表したことについては「タイミング的には年末商戦に向けて」(同社広報)としている。

 ちなみに7月26日に発売された、プレイステーション 3本体と「みんなのGOLF 5」がセットになった「PLAYSTATION 3 ビギナーズパック」(60GB版「CECH-AMG」は6万1980円、20GB版「CECH-BMG」は5万1980円。いずれも税込)は価格改定の対象外。現行モデル値下げにより、「PLAYSTATION 3 ビギナーズパック」よりも、ソフト単体と新価格ハードを購入した方が安価となる。

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