ネットワークで全世界の人と「ナイツ」という夢を共有する「ナイツ〜星降る夜の物語〜」インタビュー(1/3 ページ)

11年ぶりの新作登場となった「ナイツ〜星降る夜の物語〜」。なぜWiiで発売されるのか、また今度の世界はどのようになっているのか、プロデューサーである飯塚隆氏に話を聞いた。

» 2007年11月06日 00時00分 公開
[聞き手:今藤弘一,ITmedia]
画像 「ナイツ〜星降る夜の物語〜」プロデューサー 飯塚隆氏

 11年ぶりに登場する新作「ナイツ〜星降る夜の物語〜」(以下、ナイツ)。前作のセガサターン版「ナイツ」をプレイしたユーザーにとっては、まさに“待ちに待った”タイトルだろう。かくいう筆者も前作だけでなく、「クリスマスナイツ」までをゲットし、鬼のように前作をやり込んだ経験があるので、今作「ナイツ」が発表されたときには「やっと来た!」と思ったものだ。前作ではメイン企画を担当、現在はセガ オブ アメリカに在籍し、今作のプロデューサーを務めている飯塚隆氏に、今作に込める思いを聞いてみた。


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―― 11年ぶりに新作が登場することになったわけですが、新作「ナイツ」を作るに当たってのお気持ちをお聞かせいただけますか。

飯塚 すごくうれしいですね。これまでユーザーの方やメディアの方からも続編を期待されていましたし、海外でもインタビューを受けるたびに、最後は「ところでナイツの続編は?」で終わるという(笑)。それくらい続編を望む声はありましたし、当然わたしも作りたいと思っていました。

 これまでも、続編について提案はしてきました。ただ、ソニックチーム全体のタイトルラインアップを考えたとき、「ソニック」のフランチャイズを充実するべきだという判断もあり、なかなか実現はしませんでした。いまは「ソニック」シリーズも充実してきましたし、ようやく作るチャンスに巡り会ったというところですね。

―― なぜ日本ではなく、アメリカで開発されているのでしょうか?

飯塚 それはわたしがアメリカ在住だからですかね(笑)。元の「ナイツ」もワールドワイドで楽しんでいただけるキャラクターにしたいという気持ちで開発していましたが、当時、セガサターンが北米、欧州では勢いが落ちている状態で「ナイツ」がリリースされましたので、海外での認知度はそれほど高くないんです。にもかかわらず、海外にもコアファン層が日本と同じくらいいて、先ほども述べたように続編を待望されていました。アメリカにいるわたしが新作を作る機会を得られたことで、「ナイツ」を改めてグローバルな展開で、みなさんに楽しんでいただけるキャラクターにしよう、という意気込みで作っています。

――音声が英語だけになっているのも、グローバルな展開を意識されているのでしょうか。

飯塚 グローバルという観点で言うと英語は必須になるかと思います。それと収録した英語音声が、キャラクターイメージに非常に合っていたのが英語だけにした理由です。ちなみに制作の現場はアメリカですが、音声はあえてブリティッシュイングリッシュで収録しているんです。主人公のウィルとヘレンは、ヨーロッパ風の街並みに住んでいるので、その2人が見る夢ということで、ナイツなどの夢の中に登場するキャラクターも、今回は欧州の英語で話すようにしました。

――音声が加わることでゲーム性は変わりましたか?

飯塚 物語を語る上で、いままで分からなかった部分、前作ファンでも知らなかったことなど、「ナイツ」という世界観のバックグラウンドをより多く語ることができました。それと、キャラクターに対して親近感が得られるようになったかと思います。彼がどんな心境でここにいて、どんな思いでナイトメアと戦っているのか……。そういった物語性がふくらんで、感情移入しやすくなったと思います。そこが音声を加えたことによる大きな進化ですね。

――今作のストーリーは、どのように展開されるのでしょうか。

飯塚 前作は“勇気”をキーワードにしていました。夢の世界での冒険を通じて、男の子と女の子が心の成長を遂げて”勇気”を取り戻すというのが前作のテーマでした。それに代わる今回のテーマは“家族愛”です。家族の絆を、ナイツの冒険を通じてもう一度見つめ直す、というストーリーになっています。

 今作では、前作のファンに100%満足していただけるものを作るという使命のほかに、新しいユーザーの方にも楽しく遊んでいただけるように注力しています。物語を通じて、「ナイツ」という世界観やゲーム内容を1つ1つ理解してもらえるように工夫しているんです。

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 主人公のウィルとヘレンは、何も知らない状態で夢の世界にやってきます。そこから少しずつ夢の世界のことを知り、冒険をしていくわけですが、そういう意味では初めて遊んでいただくユーザーとまったく一緒です。ナイツと出会うところから始まり、飛び方を練習し、そしてとらわれたナイツを解放する、というようにゲームが進行しますので、「ナイツ」の知識のない初めての方でも自然にゲーム内容を理解しながら楽しく遊んでいただけると思います。

 またナイツのボス戦ですが、端的に言うとミニゲーム風になっていまして、シンプルなゲームをどれだけ早く達成するかがカギの、チャレンジゲームのようなスタイルを取っています。誰でも倒せるボス戦は魅力がないようにも思えますが、それを早くやろうと思うと意外と楽しくて難しいんです。これが「ナイツ」におけるボス戦のコンセプトなんです。ボスキャラは前作から一新していますが、コンセプトは同じです。夢の世界の“ナイトメアン”という存在で、ピエロの姿をしていたり、マジシャンであったりとか、ユニークなボスキャラクターが登場しますよ。

 ところで、前作を遊んでくれたユーザーは、わたしも含めて親になっている方も多いでしょう。親である自分が「このゲーム知っているな。懐かしい……」と、手に取ったときに安心して子供にも勧められるような、親と子が一緒に楽しんで、コミュニケーションを図れるようなソフトになるといいですね。ウィルとヘレンにまつわる親子の絆だけでなく、ユーザーにとっての親子の絆というか、これを見つめ直す契機になるといいな、と思っています。

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