膨大なクエスト数で“イヴァリース”の世界を堪能できる作品:「ファイナルファンタジー タクティクス A2 封穴のグリモア」レビュー(3/3 ページ)
もうひとつの戦い――“オークション”
「FFT-A」では、他のクランとシンボルの支配権を巡ってエンゲージで争っていたが、「FFT-A2」では支配権はオークションで争うことになる。オークションでは、時間内に自分が持っているチップをベットしてゆき、最終的に一番多くコインを掛けたクランがそのエリアの支配権を手に入れることになる。順位に応じたボーナスがあったり、他のクランのベットコイン数がわかったり、異常に制限時間が短いエリアがあったりといった仕掛けがあり、エンゲージとは違った駆け引きが楽しめる。
システム面の改変以外では、「FFT-A」にはいなかった、でっぷりとしたブタのような外見の種族“シーク”と、ドラゴンの羽根と尾を持つ種族“グリア”の2種族が追加されて、ユニットとして使える種族は7種族となった。あわせてジョブも多数追加されており、育てる楽しさと部隊編成の選択の幅が広がり、より各プレイヤーの個性が出せるようになった。また、「FFT-A」では各種族ごとに設定されていた神獣だが、「FFT-A2」ではアクセサリーになり、どの種族でも自由に装備し、使用条件さえ満たせばその力を使うことができるようになった。装備できるアイテムには限りがあるので、装備品となったことで使いにくい面もあるが、強力なので入手できたら積極的に使っていきたい。
ストーリーを楽しむよりも、冒険を楽しむ作品に
「FFT-A」では主要キャラクターたちのコンプレックスが描かれた作品であったのに対し、「FFT-A2」はルッソが元の世界に帰るためにイヴァリースの世界各地でさまざまな事件に関わり、本の空白ページを埋めていく形になっており、前作に対してかなり明るい感じのストーリーとなっている印象がある。そのためか、1つにつながったメインシナリオを楽しんでいくことよりも、イヴァリースで起こるさまざまな事件を解決していきながら、世界各地を回ることを楽しむ作品になっているように感じる。難易度をノーマルで始めた場合、全体的に難易度が低めに思えるし、エンゲージのクリア条件が単純に戦闘での勝利ではないものが増えているのも、冒険を楽しむことが主体におかれていると考えれば納得できる。
そういった意味では、歯ごたえのあるシミュレーションRPGを期待した人にとっては物足りないものがあるかもしれないが、イヴァリースという異世界での冒険を楽しみたいという人には、膨大なクエスト数や、無数の装備品など、いつまでも遊べるボリュームがあり、きっと満足できることだろう。
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