透き通るかのような青空で、天使とダンスを踊ってきました「エースコンバット6 解放への戦火」レビュー(1/2 ページ)

戦闘機を操ってドッグファイトを楽しむ「エースコンバット」シリーズ最新作がXbox 360にて登場、どの辺が進化したのかを確かめてきました。

» 2007年11月22日 14時00分 公開
[板橋舟人,ITmedia]

待望のシリーズ最新作が次世代機でついに登場

 F-15やF-117など、実在の戦闘機が多数登場するフライトシューティングの「エースコンバット」シリーズ。この手のフライトシューティングについてはその歴史も古く、筆者的には、大本は1990年代前半にアーケードゲームとして登場した「エアーコンバット」シリーズであるような気がしている。当時のアーケードゲームは、家庭用ゲーム機よりも性能が比べものにならないほど高く、自宅では味わえない大迫力のバトルをゲームセンターで楽しんだものだった。ちなみにPC-9800(昔のパソコン)でも同タイトルのフライトシューティングゲームが登場しているが、そちらは全くの別物である。

 時は流れてプレイステーションが登場し、家庭用でも本格的に3Dゲームの時代が訪れた1995年。シリーズの初代作品である「エースコンバット」が、プレイステーションにて登場したのだ。以後シリーズを重ね、ついに登場した最新作が「エースコンバット6 解放への戦火」だ。今までは、主にプレイステーション系のハードで登場していたシリーズだが、本作では初めてXbox 360にてリリースされる。

エメリア共和国に平和を取り戻せ!

 まずは本作のストーリーを紹介しよう。架空の大陸である「アネア大陸」。この地域には、「エメリア共和国」と「エストバキア連邦」という2つの国家が存在していた。

 時をさかのぼること16年前、無数の隕石がアネア大陸を襲った。エメリア共和国は被害が少なかったため、復興の道を歩んだが、エストバキア連邦は壊滅的な被害を被り、内戦状態へと陥ってしまった。時は2015年、エストバキア連邦は軍事政権によって再統一され、平和が訪れたかに見えた。だが、エストバキア連邦は突如としてエメリア共和国を襲撃する。プレーヤーは、エメリア共和国空軍のパイロットとなり、「ガルーダ隊」を指揮してエストバキア連邦に立ち向かうことになる。

 本作はこれまでのシリーズ同様、ミッション形式でゲームが進んでいく。各ミッションの前後に挿入されているムービーパートにて、ストーリーを楽しめるという仕組みだ。このムービーパートでは、主人公についてはほとんど触れられず、戦争に巻き込まれた一般人やエストバキア連邦の士官、エメリア共和国の戦車隊など、主人公以外の物語が語られるのが大きな特徴である。単なる主人公のサクセスストーリーではなく、2国間における戦争に巻き込まれた人々による喜怒哀楽の物語が楽しめるというわけだ。

画像 ゲーム中のムービーはクオリティが高い。“天使とダンスでもしてな”は、ストーリーを語る上で重要なキーワードだ
画像 ミッション前後のムービーでは、戦争に巻き込まれた人々の心情が明らかに。単なる勧善懲悪が語られる、というワケではない

作り込まれた映像に驚愕

 本作をプレイして驚いたのは、その映像だ。なんかXbox 360のゲームを遊んでいると、毎回映像に驚いている気もするが、本作は見事に期待以上のクオリティに仕上がっている。特に目を見張るのは、ミッション前後のムービーシーンだろう。主役である戦闘機たちは緻密にモデリングされており、エンジン付近はエンジンの熱によって空気がゆがむ表現まで再現されている。

 ゲーム中では、戦闘機のコックピット内部が再現されており、その視点で遊ぶこともできる。ステージ背景は実在の航空写真かと思えるほどのクオリティで、雲の中も飛ぶことができる。このように、細部に至るまで緻密に作り込まれており、大空を飛んでいる感覚をバッチリ体感できるのだ。処理落ちナシで実現しているのも、爽快感に一役買っており、個人的にポイントが高い。技術的に目新しいことはおそらくやってないと思われるが、ムービーシーンのカメラワークなどとにかく見せ方が上手で、このあたりは十分に評価していきたい。

画像 とにかく多数の戦闘機が登場するため、迫力は大幅アップ。大規模な戦いをしている臨場感は満点だ
画像 こちらはシリーズでおなじみのリプレイシーン。格好いい戦い方ができたら、それを後からじっくり鑑賞できるのだ。ただし尺が短く、ミッション全部のリプレイを鑑賞できないのは残念

より大規模なバトルが楽しめるようパワーアップ

 実際のゲームは、ミッションを順次こなしていくタイプ。ミッション3から、複数のオペレーションで構成される「ダイナミックミッション」システムが登場するのが大きな特徴だ。例えば、敵地上部隊を攻撃することが目的のオペレーションAとB、敵航空部隊のせん滅が目的のオペレーションC、敵の艦船部隊を倒すことが目的のオペレーションDという、4つの作戦が同時に展開されるのである。

 各オペレーションは、主人公以外の部隊がそれぞれ遂行しており、主人公はいずれかのオペレーションに協力する、という仕組み。素早く敵を倒さなければ、味方の部隊が倒されて撤退することもある。また、ミッションによっては全てのオペレーションをこなす必要はなく、5つあるオペレーションのうち3つを成功させればOK、という内容もある。

画像 これはミッション06のブリーフィング画面。全部で6つのオペレーションが同時進行し、うち3つを自身で攻略すればクリアとなる
画像 ミッション開始時には、出撃ポイントを選べることも。参加したいオペレーションから、最も近い場所から出撃するのがセオリーだろう

 自分以外の多数の機体が戦闘に参加しているため、大規模な戦闘の雰囲気を楽しめるのは非常に良い。数十機が入り乱れて戦う戦闘シーンは、いわゆる「無双系」とはまたひと味違う大軍勢感を楽しめるだろう。本作はミサイルのエフェクトも凝っており、数十発のミサイルが白煙を出しながら入り乱れるその様は、文句なく格好いい。これで敵機を撃墜できた日には、「俺ってサイキョー!」な気分を満喫できることだろう。

 また、オペレーション制は、ゲーム的にもメリットがある。どこに参加するかは自由なので、あるオペレーションが難しくてクリアできない場合は、他のオペレーションに参加してミッションをクリアすることもできるのだ。

画像 同時に登場する機体は、敵味方問わずシリーズ最大だろう。入り乱れるミサイルが、いかにも空中戦っぽい雰囲気を出していて盛り上がる
画像 各オペレーションは、“TGT”と記された敵機をすべて撃破すると、クリアとなる。それ以外の敵を倒してもクリアには影響しないが、ハイスコアを狙う際には確実に倒していきたい

 ちなみに筆者は、大きな敵をちょっとずつ破壊する、というシチュエーションが大好き。そのため、巨大な航空機が登場しまくるミッション9は猛烈に楽しめた。ちょっとネタバレになってしまうが、このミッションでは、長距離の巡航ミサイルを発射する空中母艦のような、巨大な飛行機がターゲットだ。その大きさは、通常の戦闘機の数十倍で、戦闘機の離発着までサポートしているというトンデモ機体なのだ。

 この巨大な空飛ぶ要塞に近づき、多数あるエンジンを少しずつ破壊し、これまた多数ある砲台をちょっとずつ壊していく……というのが大変面白く、かつ盛り上がった。敵の攻撃が激しくて何度もやり直すことになったのだが、それでも「次は絶対に倒してみせる!」と思わせるバランスはさすがである。このミッションの場合、その後にどんでん返しが待ち受けているのだが、それでもクリアしたときの達成感は素晴らしかった。

画像 ミッション09の攻撃目標である、重巡航管制機アイガイオン。飛行機というより、空に浮かぶ巨大な要塞である
画像 アイガイオンの護衛機もかなりデカい。エンジンや砲塔をプチプチ倒していくのが個人的にお気に入り
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」