縦持ちプレイで“ミステリーを読む”感覚でプレイできるアドベンチャー:「アナタヲユルサナイ」レビュー(2/2 ページ)
人情味あふれる理々子の魅力
探偵アドベンチャーといっても、トリックを見破り犯人を追いつめていく謎解きタイプではなく、事件によって揺れ動くさまざまな人物の心を丁寧に描くドラマタイプに仕上がっている。
探偵事務所の仲間たちは個性的だが、人間として温かく、次第に絆が強まっていく様子に惹きつけられる。「依頼人に証拠を渡したら仕事はおしまいなんだよ。私情を挟むなよ」という夫・草薙のように探偵を仕事と割り切れない理々子。正体を偽って麻薬捜査官になりすまし、ターゲットと接触するなど、なりふり構わない強引ぶりだ。それもこれも依頼者になんとか喜んでもらいたいから。理々子の優しさが、本作の温かみにつながっている。
そしてその理々子を「相変わらず、ムチャするねえ」と冷静に支えるのがパートナーの木崎ユウジ。調査員としての仕事ぶりも的確、しかも感情の振り幅が激しい理々子をときに叱ったり慰めたりして落ち着かせる。右耳にゲイの証のピアスが光るユウジと、旦那に逃げられた理々子は、親友ともまた違う独特の新しい関係を見せてくれる。
名作探偵アドベンチャーには、「探偵・神宮寺三郎」シリーズの神宮寺三郎と御苑洋子、「ミッシングパーツ」の真神恭介と白石哲平のような名コンビがつきものだ。この2人もその仲間入りをしたのではないだろうか。
中盤からは、「不肖坂本。一所懸命の覚悟でお手伝いさせていただきます」と、坊主頭に背広の強烈キャラ、坂本くんも事務所のメンバーになる。あくの強い性格だが、うまくシナリオに絡み、笑いのエッセンスとして効いている。
実は、第1章はテンポがややスローで、ちょっと退屈と感じるかもしれない。しかしこれは計算だろう。章を追うごとに事件は複雑化し、息をもつかせぬ展開になる。最終章では理々子も命がけの戦いに巻き込まれる。
ゆっくりと立ち上がり、加速度を増していくストーリーに、いつしかのめり込んでしまう。とても練られた構成だ。
尾行に盗撮、盗聴……探偵としての調査
選択肢での分岐も少なく、プレイの基本は文章を読んでいくこと。会話パートでは、先ほども書いたとおり、相手の全身をアナログパッドを使って観察できる。怪しい部分はクローズアップされ、「Talk」アイコンが出れば、観察した結果を踏まえて話題を振ることもできる。たとえば、左手の薬指に光るダイヤの指輪に目を留めて「すてきな結婚指輪ですね」と話しかけると「まあ、あの人にしてはがんばったほうよね」と、結婚について話が発展していくという具合だ。
その人を疑うか、信じるか。「Talk」は選択肢代わりにもなり、選び方によってはバッドエンドになってしまう。どこに注目するかが重要だ。
会話以外では、調査中にちょっとしたミニゲームも発生する。たとえばアナログパッドでターゲットに見つからないようについていく「尾行」。口紅に仕込んだカメラでターゲットの写真をうまく撮る「撮影」などなど。探偵の雰囲気を盛り上げてくれる。
また、各事件の要所では、誰を調査するべきか、誰が事件の真相を知っているか、といった二択の選択を迫られることもある。ここできちんと推理して正しい答えを選ばないとやはりバッドエンドに。とはいえ、バッドエンドも面白いものが多く、探してコンプリートするのも楽しみのひとつだ。わざと変なところに注目したり、間違った選択をしたりしてみよう。
ゲーム性は薄いが読ませるシナリオ
本作をゲームとして見ると、評価は辛くなってしまうかもしれない。やり込み要素も薄く、「結局コマンドの総当たりで済む」という意見もあるだろう。しかし、これをPSPで読む&見る探偵ドラマとして考えれば文句のつけようがない。BGMはシーンごとにピッタリで、特に緊迫した場面では手に汗握る。所長はどこに消えてしまったのか? 夫の草薙が別れを切り出した理由とは? 理々子と事務所のメンバーを次々とピンチが襲い、そしてクライマックスには……。
最終章はかなりハードだが、それでも全般的には温かい空気に包まれている。理々子とユウジの、お互いを信頼しあっているやり取りが、なんだかほっとさせてくれるのだ。新たに誕生した理々子とユウジの異色探偵コンビ。次回作でも活躍を期待したいところだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」