まず攻めさせろ。受け身に立ってこそ真髄が分かる異色アクション:「Heavenly Sword 〜ヘブンリーソード〜」レビュー(1/2 ページ)
圧倒的な数で襲いかかってくる敵軍。迎え撃つは深紅の髪をなびかせた女剣士。いざ豪快無双の活劇が始まる……と思いがちだが、ちょっと待った。ここにあるのは、リアル志向で、それゆえに華麗な一対多数の戦い。遮二無二に攻めまくるだけがアクションではない。
たくさんの敵に囲まれたら、どうやって戦う?
1人で多数を相手にした時、もっとも気をつけねばならないことは何だろうか。攻撃の正確さ、スピード、地形の取り方など、いくつかのポイントがあるが、とりあえず注意しておかねばならないのが、体力の消耗である。どんな達人でも疲れてしまえば勝ち目はない。そして多数であるということは、それだけ総合体力において有利なのだ。1人でそれらをすべて倒すなら、数に負けないだけの体力が不可欠となる。従って、自分の動きを最低限にし、疲れが来るのを極力遅くしなければならないのである。
とすると、どうなるか。もうお分かりだろう。敵に攻めさせるのである。仕掛けさせておいて、それを避けたり、カウンターを喰らわすことで相手を疲弊させていく。パンチ一発、蹴りの一撃を出すのにも体力はいる。それがカウンターなら相手の勢いを利用できるから、はるかに効率がいい。
この“攻めさせて疲れさせる”という発想はゲームではあまり採用されていない。何よりアクションとは攻めてナンボだし、爽快さの点でも、日頃のストレス発散という意味でも、守勢よりは攻勢に出ることを好むプレーヤーのほうが圧倒的に多いからだろう。リアルな一対多数の戦いは、ゲームとしては忌避されがちなのである。
カウンターへの徹底的なこだわり
ところが、あえてこのタブーに踏み込んでいるのが、プレイステーション 3ソフト「Heavenly Sword 〜ヘブンリーソード〜」(以下、ヘブンリーソード)だ。オープニングでは炎上する城をバックに膨大な敵とヒロインのチャンバラが描かれる。一見すれば、豪快な一騎当千タイプのアクションを連想するのが当然だろう。だが、そう思ってしまったら、のっけから驚くこと間違いなしだ。何しろ、このゲームの敵はこちらの攻撃をよくガードする。ザコ兵のうちでも下っ端の連中ですら、しっかりと受け止めるくらいだから、ボスクラスになると、ほとんど隙がない。剣戟の音は派手に鳴り響いていても、まったくダメージが通らない。押し寄せる敵をなぎ払うなんてプレイは到底不可能だろう。
そんなのつまんねぇよ、などという声が聞こえてきそうだが、これが意外に捨てたモンじゃないのだ。力任せに攻めてもラチが開かないなら、どうすればいいか。押してもダメなら引いてみろ、そう、攻めさせればいいのである。このゲームにはガード用のコマンドがない。何も入力しないで立っていれば、無条件で敵の攻撃をガードしてくれるのである。厳密に言えば、赤いオーラをともなった攻撃と飛び道具は不可なのだが、それらの攻撃はあまり喰らわないので、実質的にはガードが保障されているのに等しい。アクションゲーム、特に剣戟を主体にした作品では珍しいシステムだ。
もちろん、そうなっているのには理由がある。オートガードを採用することで、敵に攻めさせた際のデメリットをなくし、その分、受けに回れるようにしているのだ。しかも、この受け、守備のためのではない。攻撃のためにあるのだ。敵の攻撃させてスキを作り、そこへ反撃を加える。いわゆるカウンターの発想だ。これこそが、「ヘブンリーソード」を貫く大原則なのである。
カウンターこそ達人の証
格闘技に詳しい方ならご存知だろうが、カウンターというのは相当な実力差がないと決まらない。実際の試合でも、出会い頭で入ったような偶然の一発を除けば、あまり見る機会がない。せいぜい、ボクシングなどで大差がつき、余裕の出た側が意図的に狙う場合ぐらいだろう。それすら、そう簡単には決まらない。
つまり、カウンターを重視したアクションというのは、それだけ主人公の強さを際立たせる演出だと言うことができる。一騎当千タイプのアクションでも主人公が圧倒的に強いことは見せられるが、「ヘブンリーソード」は、それとは異なるアプローチで主人公の圧倒的な強さを表現しているのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」