「FFIV」メインテーマライブで全員を泣かす――「FINAL FANTASY IV トーク&ミニLIVE」

スクウェア・エニックスは、DS版「ファイナルファンタジーIV」の発売を記念したイベントをHMV渋谷で開催。メインテーマボーカリストに選ばれた伊田恵美さんによる初のミニライブも行われた。

» 2007年12月20日 22時49分 公開
[加藤亘,ITmedia]
右から伊田恵美さん、植松伸夫氏、時田貴司氏

 スクウェア・エニックスは12月20日、ニンテンドーDS用ソフト「ファイナルファンタジーIV」の発売を記念したイベント「FINAL FANTASY IV トーク&ミニLIVE」を東京・渋谷にあるHMV渋谷3階イベントスペースにて開催した。

 イベントには、「月の明り」サウンドプロデューサーである植松伸夫氏と、ニンテンドーDS版「ファイナルファンタジーIV」ディレクターの時田貴司氏に加え、メインテーマ「月の明り-ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ-」を歌う伊田恵美さんが登場。伊田さんが一般公募から選考される際のエピソードなど披露された。

 今回、一般から主題歌ボーカリストを公募した理由について時田氏は、リメイクする際にボイスやビジュアル面の見直しをする中で、どうせならば当時ファイナルファンタジーIVを遊んでいたであろう一般の方々と一緒にやってみようと植松氏に提案したことが始まりだったのだそうだ。応募総数は800人ほどで、10代から60代までの幅広い年齢層の中から伊田さんが選ばれたのだとか。どうやら、英国で活動するプロの方からの応募もあったというから驚きだ。


伊田さんは札幌のCDショップで働いており、自分で自分のCDを売ることもあると明かす。まだFFを歌っている人とはバレていないとのこと。後半は、ピアノの演奏にメインテーマを編曲した福井健一郎氏が参加

 伊田さんは自分が選ばれたことが信じられなくて、3日間ほど寝込んでしまったと明かす。「FFが好きだったので、歌えるなんて夢みたい」と、8月に選ばれ、9月には収録に入った当時を振り返る。

 伊田さんは応募をするにあたり、Macを購入し、最初に打ち込んだ作品で勝負をかけた。できあがった作品には、なぜかバックにケータイの呼び出し音が入っており、それを聞いた植松氏や時田氏もその歌唱力と個性に光るものを感じながらも、「なぜケータイの呼び出し音?」と疑問に思っていた。伊田さんは、2曲をつなげての応募だったために、その“つなぎ”としてケータイの呼び出し音を使用したのであって、「狙いです」と編集などのミスではないことを強調して、会場を笑わす。

 植松氏は伊田さんの決め手として、FFIVへの思い入れと、なおかつ歌声がどれだけ個性的かの2つが大きな要因だったと説明する。並々ならぬ思い入れは、伊田さんが同封した手紙に見て取れると、伊田さんにはナイショでその手紙が公開されたのだが……、なぜかイラストがふんだんに使用されており、タモリの似顔絵まである一風変わったものだったのだとか。実物はオフィシャルブログに掲載されているので、そちらで雰囲気だけでも確認してもらいたい。

 植松氏は「数カ月前までは、彼女も今ここに来てくれている一般の方々と同じ場所にいたわけです。考えてみると、我々のようにオリジナルのFFIVに関わっていた人間と、当時遊んでいた人々が開発陣や伊田さんのように歌手として参加するといった、新旧入り乱れて“新しく作り直すFF”だったんじゃないか」と、本作を作るにあたってのひとつの大きなテーマだったんじゃないかと語る。

 リメイクの苦労について時田氏は「オリジナルを変えないとリメイクの意味はないし、かといって変えすぎるとそれはそれでよくないと、どこを変えてどこを変えないかという判断が難しかった」と延べ、伊田さんの「月の明り」が一番心に響いて思いが集約するところで流れると言及。期待してほしいと語った。

 「ワタシもFFが大好きだったので、尊敬している2人(時田氏と植松氏)が目の前にいるのが緊張しましたし、その緊張を取るのが苦労しました」(伊田さん)

 トークイベントのあとは、伊田さんによるライブが行われた。ピアノの演奏はメインテーマを編曲した福井健一郎氏が担当。「月の明り-ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ-」の収録の際、北海道の札幌で見る月をイメージして歌い上げた伊田さんは、言葉ひとつひとつを大事に、メロディーの起伏がない分、感情表現に気をつかったとのこと。

 収録時当初は硬かった伊田さんだが、植松氏に「歌いやすいように歌って」とアドバイスを受けると、「ボクたちがいらないじゃん」とあきれるほど、その後は順調に終えることができたという。

 「今回のライブでは、全員を泣かせるくらい気持ちで歌います」と伊田さんは、舞台に立って歌い上げた。

リハーサルを見ていた植松氏は、収録の時よりも格段に歌が自分のものになっていると絶賛したライブでは、会場にいるみんなを泣かせるくらいの思いをこめて歌ってくれた
初ライブのお祝いに、セシル役の程嶋しづマさん、ローザ役の甲斐田裕子さんが応援にかけつけた
なお、HMV渋谷でCD「月の明り-ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ-」か、ニンテンドーDS「ファイナルファンタジーIV」を購入した人には、先着で握手会に参加できた

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」