Wiiでチョコボと大冒険! 10年目の不思議なダンジョンは時を忘れてやり込める:「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮」レビュー(3/3 ページ)
不思議なダンジョンのライバルは、不思議なカードバトルだ
街の中にはチョコボの冒険を助ける施設が多く存在する。預かり所に行けば2匹のデブチョコボがアイテムやお金を預かってくれる。ダンジョンで倒れたときに装備品以外は失ってしまうので、冒険になくてはならない施設だ。フレイアの鍛冶屋ではツメやクラの強化と合成が可能。武器と防具の強化は冒険の難易度に直結している大事な要素なので、ここでしっかりと鍛えておこう。呪われたアイテムがあれば教会へ持って行くことで呪いを解いてもらえる。
また、街の中の施設で一際異彩を放っているのが、フレイアの鍛冶屋の向かいにあるモグハウスだ。ここではポップアップデュエル、バットシューター、キックダーツなどのミニゲームが遊べるのだ。
ポップアップデュエルはニンテンドーDS用ソフト「チョコボと魔法の絵本」にも収録されていたカードバトル。あちらとほぼ同じものだと思ってもらっていい。自分が作ったデッキからカードをポップアップ(登場させる)し、マッチング(戦闘)をするというシンプルなルールながら、カードの組み合わせによっていろいろなコンボや戦略が存在し、カード枚数も豊富なので、これだけでもかなり遊べるものになっている。正直なところ「チョコボの不思議なダンジョン」ではなく「チョコボの不思議なダンジョンと不思議なカード」とタイトルを変えてもいいんじゃないかというくらいに、ミニゲームの範疇を越えている気がする。なんせこのポップアップデュエル、Wi-Fiで対戦できてしまうのである!
1人でプレイする場合はCPU相手のトレーニングで腕試し、そしてWi-Fi対戦ではフレンド対戦、レート対戦(戦績の近い人と対戦できる)、ワールド対戦(ランダムに対戦相手が選ばれる)という3つのモードが存在する。また、本編のダンジョン探索中にカードを入手できたり、さまざまな条件でレアなカードが入手できるなど、とにかくミニゲームとしては破格の充実っぷり。カードのために本編をプレイする、なんて人もいるんではなかろうか、というほどだ。バットシューターとキックダーツは、それぞれWiiリモコンのポインティング機能を活かしたミニゲームなのだが、こちらもいいスコアをたたき出すとカードがもらえるようになっている。カード内容は「ファイナルファンタジー」ファンにはなじみの深いモンスターたちなので、集め甲斐もあるだろう。大充実のポップアップデュエルは、本作の大きな魅力のひとつだ。
そのほかにも、釣りができたり、牧場に“不思議な種”を植えて花を育てることができたり、と楽しい寄り道が盛り込まれている。また、牧場のあるポイントで「ロマンチックフレーズ」(要はパスワード)なるものを入力すると珍しいカードが手に入ったり、珍しいダンジョンが登場するというオマケもある。フレーズはゲーム内のイベントで知ることができるほか、公式サイトなど今後さまざまな告知で入手することもできるようなので、非常に楽しみなところだ。
時忘れの迷宮へようこそ じっくり腰を据えてプレイしてほしい一作
入るたびに地形が変わる「不思議のダンジョン」は、今までさまざまなキャラが挑んでいる。本家で言えばトルネコ、シレン、アスカ、そして他社とのコラボレーションで言えば、ポケモンもダンジョンへともぐった。そして本作ではチョコボが不思議なダンジョンに3度目の挑戦である。
基本的なシステムは変わらないが、本作ではジョブチェンジやミニゲームとの連動など、チョコボならでは、スクウェア・エニックスならではの要素がしっかりと入っている。そのあたりに心惹かれる人、そしてそれ以前にチョコボを愛する人、不思議のダンジョンを愛する人にはぜひプレイしていただきたいタイトルだ。
チョコボのホームグラウンドである「ファイナルファンタジー」シリーズもそうだが、スクウェア・エニックスのRPGはいずれもやり込み要素が充実しているという印象がある。本作も例にもれず、ぎっしりとプレーヤーを楽しませる、夢中にさせる要素がつまっているのだ。その点に関しては太鼓判を押してもいい。冬休みのあいだ、腰を据えてじっくりとRPGをやりたいというゲームファンは、この1本だけでも年を越せるのではなかろうか。ダンジョンに詰まったらカード、カードに詰まったらダンジョン、というようにダンジョンとカードバトルが2大柱のようになっていて、ハマればやめどきが見つからなくなるだろう。“時忘れの迷宮”に迷い込んでしまうのはチョコボではなくプレーヤー自身かもしれない。なんつて。おあとがよろしいようで。
「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮」 | |
対応機種 | Wii(クラシックコントローラ対応) |
ジャンル | ダンジョンRPG |
発売日 | 2007年12月13日 |
価格(税込) | 6800円 |
CERO | A区分(全年齢対象) |
CHARACTER DESIGN/Toshiyuki Itahana
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