堀内賢雄の“ぼくなつ愛”その2:「とにかく、監督を喜ばせたかった」:冬だからやりたい!「ぼくのなつやすみ3」
堀内さんが熱烈な“ぼくなつ愛“を告白した第1回目に続いてお届けする2回目では、アフレコ時の裏話などを聞いちゃいました。
――「ぼくのなつやすみ3 -北国篇- 小さなボクの大草原」(以下、ぼくなつ3)での堀内さんの役は、内地からやってきて牧場の婿養子になった若者(おじちゃん)、ということでしたが……。
堀内賢雄さん(以下、敬称略) やっぱり、僕のイメージとは違いますよね。
―― ……そうですね。
堀内 僕もそう思ってました。僕は若いときから、田舎の朴訥(ぼくとつ)とした青年役を振られると、だいたいダメだったんですよ。都会的すぎる声だって、言われ続けてきましたね。また、「ぼくなつ」の収録でも同じようなことを言われたら、どうしようって思ってました。
それに、誰でもそうだと思うけど、やりたいやりたいって言ってても、なかなか実現しないものでしょう? で、そうなったらなったで、うれしいけどやっぱりビビる。すごいプレッシャーでした。僕は、思いが強いと強いなりに、いろんなことを考えてしまうんです。
――ベテラン声優さんであっても、プレッシャーはある?
堀内 もちろん、ありますよ。そして、綾部監督を見た時には、もっとプレッシャーがかかりました。監督って「ぼくなつ」の世界観を体現されているような方なんですよ。監督が太陽のイメージなら、僕なんてミラーボール(笑)。まるで正反対。「監督が要求しているものを、本当に出せるのか?」って、本気で悩みました。僕はDJあがりですから、滑舌(かつぜつ)が良すぎるなんていわれた日には直せないですからね。
――でも、おじちゃんの設定は、北海道なまりを話す必要はなかったですよね
堀内 設定は理解してましたが、北海道なまりを練習しなくていいのか本番直前まで悩んでましたね。でも、僕は監督に言われたとおりにやろうと決めていたから、まあいいかと思えましたけど。“綾部ワールド”を絶対に壊さないように心がけてね。収録中、監督に「あぁ、いいですね」って言われるのが快感でした。とにかく、監督を喜ばしてあげたいっていうね。そうすることが、結局はあのゲームの役をやるって事なんです。
――以前、綾部和監督と直接話をする機会があって、堀内さんの印象について尋ねたら確かに「ニコリともせずに、誰とも口をきかずに、まじめに仕事をこなしていました」とおっしゃってました。
堀内 本当に、ホントに緊張してたんですよ(汗)。とにかく、ひとつでもいいセリフ言わなきゃっていう思いが強くて、かなり集中してやってました。
――堀内さんと言えば、周囲を和ませる人というイメージがあるだけに意外ですね。
堀内 まあ……確かにそういうところはあります。でも、「ぼくなつ」は自分との戦いでしたね。声の仕事を26年もやってますけど、なんか昔に戻ったような緊張感っていうのはありましたよね。なんか、「心でしゃべるんだぜ」、みたいな。
――わたしも聞きましたが、本当に、すばらしい演技でした。
堀内 ありがとうございます。でも、ひとつだけ不満が。
――それは、なんでしょう?
堀内 「ぼくなつ3」にでたら、次は出られないでしょう? 次は友情出演でもいい。監督に伝えてくださいよ。あー、「ぼくなつ4」に出たい!! また、出たい、でたい、出たい〜って言い続けてたら、出られるかなあ?
――そうなんですか? でも、綾部監督の堀内さんの印象はかなり高かったですよ。「超ベテランなのに、普通なら新人がやるシーンの数字読みも全部やってくださって、大変感謝してます。堀内さんほど、『ぼくなつ』にのめりこんでる人はいないんで、これからも仲良くしていきたいです」と綾部監督もおっしゃってました
堀内 それ、本当ですか? うわ、うれしいなあ!! 「綾部ファミリー」の一員として、いつまでもぼくなつワールドを支えていけたらって、本当に願ってるんですよ。監督、ぜひ次回作でもよろしくお願いします。
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