銃を撃つのはもう飽きた!?――多彩な特殊能力が楽しい新感覚アクションが登場:「ダークセクター」レビュー(1/3 ページ)
SIMPLE 2000シリーズでその名を馳せるディースリー・パブリッシャーから、完全新作の3Dアクションゲームがリリースされた。ブーメランのような特殊武器を使った戦闘は、いったいどんな感じなのか、さっそく遊んでみました。
骨太な作品!
ディースリー・パブリッシャーから、完全新作の3Dアクションゲーム「ダークセクター」が登場した。ディースリー・パブリッシャーといえば、「お姉チャンバラ」や「地球防衛軍」といったSIMPLE 2000シリーズが有名だが、本作はそれらとはまたおもむきを変えた、しっかりと作りこまれたフルプライス作品だ。
熱心なファンはすでにご存知のことと思うが、実はSIMPLE 2000シリーズは作品ごとに開発メーカーが異なり、実際にディースリー・パブリッシャーが開発しているわけではない。本作「ダークセクター」もそのとおりで、実際に開発を手がけているのは、海外のDigital Extremesという開発スタジオだ。
この開発スタジオ、日本での知名度はさほど高くないと思われるが、実は「Gears of War」で有名なEpic Gaesと一緒に、これまた有名なFPSの「アンリアル」シリーズを手がけてきたメーカー。他にも「Pariah」や「Warpath」といったオリジナルFPSを開発しており(ともに日本では未発売)、海外ソフトを積極的に調べているXbox 360ユーザーならば、メーカー名を聞いたことがなくとも、これらのソフトを知っている人は意外と多いのではなかろうか。というわけで、実は実績バリバリの開発スタジオが手がけた最新作なのである。
個人的には、本作の海外での発売元も、日本と同じくディースリー・パブリッシャーであることに注目したい。単に海外作品のローカライズではなく、ディースリー・パブリッシャーが本気で海外に進出していこうと思っているのか!? とか、いろいろ勘ぐってしまうのだ。もしかしたら、若干アメリカナイズされた「地球防衛軍」とか登場するのかなー、なんて妄想しちゃったりして。
……と筆者の妄想は置いておき、話をゲームに戻そう。本作はシングルプレイとマルチプレイの両モードが用意されているが、比重としてはシングルプレイの方がかなり大きい。どちらかといえば、FPSは1人でじっくり遊ぶのが好き、という人であろう。
なお今回のレビューではXbox 360版を取り上げているが、プレイステーション3でも2008年に発売予定だ。PS3ユーザーも、本レビューをチェキしていただけると幸いである。
エージェントとなって死の街に潜入せよ!
本作の主人公は、とある組織のエージェントであるヘイデン・テンノ。かつての上官であるメズナーが東欧の町ラスニアにて失踪、彼の消息を探り、場合によっては始末するという任務のため、ラスニアに潜入するのだ。
舞台となる街・ラスニアでは、謎のテクノサイト・ウイルスが蔓延している。このウイルスに犯された人は、ゾンビのように凶暴化し、また戦闘力も大幅に上昇する。この死の街にて、ヘイデンの地獄のような戦いが始まるのである。なおラスニアには、感染者となった人々に加え、その感染者を排除することが目的の軍隊も活動している。両者ともヘイデンに敵対しているため、三者が入り乱れた激しい戦いを乗り切らなくてはならない。
本作は、ゲームジャンル的には三人称視点のシューティング。自分のキャラクターが見える、あの手のアクションゲームだ。基本的なゲームルールや操作方法は一般的なアクションゲームに準じているので、ゲームファンならば戸惑うことなくすぐに楽しめるだろう。
シングルプレイの最初のチャプターは、ヘイデンがラスニアに潜入した直後が描かれる。このときヘイデンは普通の人間なのだが、ゲームを進めるとテクノサイト・ウイルスに感染してしまう。だが幸か不幸か、身体全体が犯されるわけではなく、ウイルスに犯されたのは右手のみだ。ここから、本作の物語は本格的にスタートする。
感染者となったヘイデンは、この右手からグレイヴとよばれる投てき武器を自在に出せるようになる。見た目は大きな手裏剣に近く、ブーメランのように投げると自動的に手元に戻ってくるスグレモノだ。ゲーム中の大半は、このグレイヴを中心に戦うことになる。
なおヘイデンは物陰に身を隠し、そこから身を乗り出すというアクションも行える。通常の戦闘では、安全な場所に身を隠し、敵の攻撃の隙を突いて身を乗り出し、グレイヴを投げる……というのが基本パターンになるだろう。銃と違い、グレイヴは着弾までに少し時間がかかるため、敵が身を乗り出す瞬間を予測して攻撃する必要がある。このため、他のゲームと似たようなアクションでも、プレイして見ると意外と違った楽しさが味わえる。
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