2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(最終回)ヴァナ・ディールをもう一度(2/2 ページ)

» 2008年04月18日 17時36分 公開
[山本博幸(ねこひげLLC),ITmedia]
前のページへ 1|2       

 BF戦終了後、白魔道士である友人がレイズで蘇生してくれ、出現した「Armoury Crate」という戦利品が入った宝箱を開ける。するとそこには競売で高値で取引きされているインフィブルトルクとエレメンタルトルクの両方が入っていた。印章BFでは基本的にオーブを提供した者がすべての戦利品を獲得するという分配ルールがプレイヤー同士の主流になっているようで(印章BFを主催する人によって分配ルールはさまざま)、つまり僕が戦利品を総取りする権利がある。今回は初めての印章BFの雰囲気を楽しむことが目的で、戦利品は特に気にしていなかっただけに、高額で売れる装備品が手に入った瞬間は喜びもひとしおだ。このあと、ほかのメンバーもオーブを提供して繰り返し同様のBF戦に挑戦。2回目以降は誰も戦闘不能者が出ず安全かつ確実に勝利することができた。しかし戦利品の内容はあまりパッとしなかったらしく、終わってみれば僕が入手したアイテムがもっとも「儲かる」とのこと。これが自分の命を(強引に)差し出した結果だとすれば、たまには戦闘不能になるのも悪くはない……かも。

これがそのときの戦利品(宝箱に入っているタルタルはご愛敬)。印章BFイベント終了後、早速競売所へ出品して合計で約80万ギルをゲット。初めて持った大金に笑いがこぼれた

ついに熟練者の仲間入り!? レベル75に到達

 レベル70を超えると1レベル上げるために必要な経験値が30000〜40000以上にもなる。レベル上げに時間がかかるのはオンラインゲームに限らずすべてのRPGにおける通過儀式のようなもので、ヴァナ・ディールに存在するレベル75の冒険者は皆この長い道のりを越えてきたのだろう。僕もその道程を少しずつ邁進してきたのだが、ついに悲願を達成した。メインジョブの戦士が現状のカンストレベルである75に上がったのである。

レベル70以上の狩り場はアトルガンエリアの「カダーバの浮沼」が多く、そこに生息するインプ族が対象になっているようだ。アビリティ封じと魔法封じの特殊技がかなり厄介だが、比較的倒しやすい敵だ
レベル75になると頭装備の「ワラーラターバン」が装備できるようになる。ヘイスト+5パーセント効果がある優れた一品で、個人的には見た目も気に入っている。入手するには「アトルガン青銅貨」を1000枚、特定のNPCにトレードしなければならない

これが友人のタルタル族。学者のAF(アーティファクト)は実装されてから1日ですべて揃えたらしい。どこまでもスゴイヤツだぜ!

 ミッションやクエスト、金策などをこなしながらコツコツと野良パーティに参加し、ときには浮気心で戦士以外のジョブのレベルを上げて過ごした約1年半。本当にこの日が来るとは思ってもみなかった。ちなみに友人は2007年11月22日に発売した追加拡張ディスク「アルタナの神兵」で実装されたジョブである学者を年明けにはレベル75にしたと言っていた。つまり約1カ月ほどでカンストまで成長させたということになる。僕の約1/18の時間だ。こういう話を聞くと「この1年半はいったい何だったんだろう……」と一瞬呆けてしまいそうになるが、「FFXI」のサービス開始からプレイしている人と比べる必要はない。もはやスタートラインが違いすぎるのだ。友人もきっと、軽くレベル上げできるようになるまで苦労したに違いない。

 少しヒガミ根性を見せてしまったが、時間がかかっただけにレベル75になったことは本当に喜ばしいことだ。これでようやく、僕も見た目だけは一人前の冒険者として足を踏み入れることができたと思いたい。しかし、レベル75にしただけでは本当の強さを手に入れたことにはならないことを僕は知っている。相応の装備品やプレイヤースキルが求められることももちろんだが、これからは「メリポ」道が待っている。

 メリポとは冒険者のなかで言われている俗称のようなもので正式名称は「メリットポイント」。レベル75になるとジュノ大公国のル・ルデの庭にいるNPC「Nomad Moogle」から「リミットブレイカー」なるだいじなものをもらえるのだが、これを作動させると敵を倒したときに得られる経験値の代わりに「リミットポイント」が蓄積される。リミットポイントは10000貯めた時点で1メリットポイントに変換され、それを各種ステータスに振り分けてパラメータやアビリティを強化、さらには新たなアビリティや魔法を習得することができる……とリミットブレイカーをくれたNomad Moogleが言っていた。まだ実際にはメリポ稼ぎを行っていないのだが、話を聞くだけでもレベル上げに匹敵する、もしくはそれ以上の修行の旅が待ち構えていることは間違いないだろう。これからはレベル75に恥じない強さを手に入れるための努力を怠らないように精進しようと思う。当分はレベル75になった喜びにドップリと浸るつもりだ。

最初のカテゴリーでメリットポイントを振り分けられる各種ステータスやスキル、ジョブが選択可能。ジョブは習得済みのアビリティを強化できる「グループ1」と、新たなアビリティや魔法を習得できる「グループ2」に分けられており、グループ2で習得したアビリティも強化できるようだ。どのカテゴリーからポイントを振り分けようか今から悩む……

あとがきっぽいもの

 2007年2月からスタートして約1年4ヵ月に渡って連載してきた「ヴァナ・ディールをもう一度」。冒頭でもお伝えしたように今回でめでたく(?)最終回を迎えることになった。「FFXI」サービス開始と同時にプレイするも途中でドロップアウトし、さらに数年後にプレイを試みるも再び挫折という、MMORPGに対して筋金入りの「根性なし」だった僕が1年以上経った今でもプレイし続けているのは「仕事だから」という理由もあるが、何より僕自身が楽しんでプレイしているのが大きい。

 思えば挫折を繰り返した昔は、僕自身MMORPGの楽しみかたをよく分かっておらず、単にレベル上げや金策に時間がかかって面倒くさいと言うだけだった。今はその先にある「苦労したからこそ目標を達成したときに得られる喜び」を知り、充分に満喫している。そして顔も名前も知らない人との運命的な出会いから生まれる喜び。僕にとっては今のLSに誘ってくれたメンバーと出会えたことが、プレイし続けている一番の理由だと思う。

 オフラインRPGはシステム面やストーリーの出来でモチベーションが上下するが、MMORPGは加えて「人のつながり」という要素も関わってくる。1人ではクリアが困難なイベントが多いし、大勢でプレイしたほうが達成感が遥かに大きいからだ。頭では分かっていたことなのだが、それを実感させてくれたのが僕が初めてMMORPGをプレイした「FFXI」だった。3度目にしてようやくおもしろさに気付いたのは遅すぎかもしれない。今回で連載は終了するが挫折した時間を取り返すべく、これからもヴァナ・ディールを放浪するつもりだ。

今までどうもありがとうございました!

 最後に。ダラダラと連載してきたが、僕の駄文を毎回読んでくれた読者に心より感謝します(いたら、の話だが)。ひょっとしたら来月あたりに別の形で新たな連載がスタートするとかしないとか……。

(C)2002-2008 SQUARE ENIX CO.,LTD All Rights Reserved.


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」