装着率に見る「Wii Fit」

2007年12月に世に出た任天堂の「Wii Fit」は、発売されて5カ月たった今でも毎週3万本ほど販売されている。では実際に続けているユーザーはどれほどのものなのか?

» 2008年05月02日 00時05分 公開
[加藤亘,ITmedia]

多いと判断するか、それとも少ないと判断するか

 5月1日、メディアクリエイトが発表した4月21日から4月27日までのソフト販売ランキングを確認するまでもなく、任天堂の「Wii Fit」が発売してから5カ月経った現在もコンスタントに毎週約3万本ずつ販売されている。

 「Wii Fit」は、いまだにテレビCMが放映されていることもあり、同じく長期に渡ってじわりじわりと販売本数を伸ばしている「Wii Sports」と同様に、息の長いタイトルとなった。Wiiの購入動機であったり、Wiiを購入した際のお約束ソフトといった感もある。


 健康管理やダイエットといった、時代に関係なく引きつける要素をうまくゲームとして成立させたことに関しては、さすがのひと言である。以前、ITmedia +D Gamesで集計した「『Wii Fit』購入後どうしている?」(約1000人から集計)というアンケートでは、64%が購入後起動したのち放置しているという、なんとももったいない結果が出ていた。しかし、22%はしっかり毎日計測し体重や健康維持に努めていることに注目したい。先の64%という数字でかすみがちだが、購入した5人に1人は毎日使用しているということになる。これはソフト装着率としては、ズバ抜けて優れているのではないだろうか?

 ほかのゲームタイトルでは、クリアしてしまえばそのソフトはお役御免とハードに装着されなくなる。常に新作が出るゲーム市場では、クリアするまで遊ぶユーザーもそう多くないのが実情だ。シミュレーションやコミュニケーション系のゲームでは、たまに起動させては地道に進めているプレイヤーもいるが、往々にしてホコリをかぶって放置されるのが常。そんな中、「Wii Fit」は発売されて5カ月経った今でも毎日起動しているユーザーがアンケートを参考にするならば5人に1人はいるというから驚きだ。

 もちろん、この22%がずっと「Wii Fit」だけを毎日やっているわけではない。携帯ゲーム機でも遊ぶだろうし、Wiiではないほかの家庭用コンソールにだってつなげている。とはいえ、こうして購入者の5人に1人はわざわざWiiを起動して自分の健康のために日々「Wii Fit」に触れているのだ。こんなソフトはなかなかない。

 2007年7月11日、北米サンタモニカで開催された「Nintendo Media Briefing」において発表された「Wii Fit」は、任天堂代表取締役専務の宮本茂氏によってこう紹介されている。「我々がWiiのコンセプトを考えた時、Wiiがリビングの中心にあり、ひとりでも多くの家族が関わり、そこからコミュニケーションが生まれることを想像した」と。

 家族の中でビデオゲームが大切なツールとなるべく、家族の“健康”を充実させる狙いは、見事に当たったわけだ。健康に注意を払うユーザーが、常に体重計に乗る代わりに「Wii Fit」へと誘導する企みは、Wiiというハードだからこそ成功したといえる。あとはこの購入後放置している64%をどう引きつけるかだろう。不思議なことに、2〜3日おきや週1で起動するユーザーは少なく、毎日やるか放置かの二極化しているのが見て取れる。なるほど。ダイエットも健康維持も、最新の器具やサプリメントなどを最初は勢いも手伝って購入するも、それで満足してしまい継続できない人がいるというのと同じではないか。惜しむらくはせっかく購入したのであれば、いま一度、夏に向けて引っ張り出してみるというのはいかがだろう。たぶん、「Wii Fit」から「5カ月ぶりですね」と、ちょとしたお小言がもらえるはずだ。

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