宇宙世紀を振り返り、直感的なマップで作られる新「ガンダムシミュレーション」「エンブレム オブ ガンダム」プレイリポート&インタビュー(2/5 ページ)

» 2008年05月22日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]

バトンをつないで楽しめる複数の視点――ジオニストならシャア視点でプレイせよ!?

画像 どちらのバトンを選ぶかはプレイヤー次第だ

 芝村氏が言うように本作に“if”は存在せず、原作へ忠実に進む。しかし、ただ単に原作の各話を追っているような作りではない。本作には「バトン」と呼ばれるシステムがあり、物語に対する視点を変更しながらプレイを進めることができるのだ。

 物語に登場するキャラクターはすべて、いずれかの「バスケット」に所属している。バスケットは4つあり、各キャラ所属のバスケットは、物語を通して変わらない。プレイヤーはシミュレーションパートをプレイする前に2つある選択肢(バトン)からどちらかを選ばなくてはならない(関連記事参照)。

 序盤であれば連邦軍のキャラクターがいるバスケットを選ぶか、ジオン軍のキャラクターが多いバスケットを選ぶか、もっと砕けて言えばアムロ視点かシャア視点かなどの選択を迫られ、いずれかを選び、決定することでシミュレーションパートへと移行していく。そのステージで勝利した場合、選んだバスケットに所属するキャラ全員のレベルが一律で上昇する、というユニークなシステムが採用されている。

画像

 つまり、同じ話の流れでも、連邦側のバトンばかりを選択していけば、連邦のキャラが集中してレベルが上がっていく。逆に生粋の“ジオニスト”(ジオン軍ファン)なプレイヤーがジオン軍側のバトンを集中して選んでいけば、シャアほかジオン軍のキャラたちのレベルがぐんぐん上がっていくというわけだ。

 ただし注意していただきたいのは、プレイヤーはあくまでも“ストーリー上の主人公側”でプレイするということ。序盤であれば、ジオン軍キャラクターのバトンを選び続けると、味方よりも敵のレベルをひたすら上げていくことになる、という、何とも不思議な現象が起こりうる。そのあたりのバトンやバスケットについて、芝村氏に聞いてみた。

――バトンというシステムはどういったものなんでしょうか。

芝村 小説として考えた時に、原作では敵も味方も同じくらいのボリュームで描かれているんです。「一方その頃……」という表現を多用してみたんですが、並行して敵味方を描くのは難しいなと。そこで、“自分が読んでいるのはここなのだ”ということを明確にするため、「バトン」という形で分かりやすくしました。

 最初の企画としては、視点がばらけたほうがいいから、バトンを100個くらいにして40人くらいから証言を取るような形式はどうか、という案もあったんです。でもこの場合、1つのステージを何度も繰り返すようなプレイになってしまい、これはいかん(笑)。ということで、2つを選択しながらストーリーを紡いでいく形になりました。

 ただし、シャアのバトンばかり追っていったら、敵であるシャアがメチャクチャ強くなるようになっています。その場合、「じゃあシャアはなぜ負けたのか」という話になるんですが、そういったことも含めて楽しんでいただければと思います。ジオニストなら「だからシャアは強かったのだ!」という読み方もあるでしょうし。レベルの高いランバ・ラルやレベルの高いシャアに、墜とされてもいいユニットをつけたガンダムで何度も対戦して物資切れを狙って勝つとか……。

 本作は“ジオンサイドでも遊べるゲームにしてもよかったかな”とは思ったんですが、史実にあるセリフに忠実であろうとすると、正直なところ、ジオンサイドだけではセリフが足りなくなるんです。どうしても“if”を付けなくてはならないんですね。ジオニストとしては、ジオン軍がかっこいいのはジオン軍が敵だから、という、今回は敵に徹して“敵役の美学”を貫いて、ジオン軍のレベルを上げまくって挑戦してほしいですね。ただ、それではゲームバランスがあまりにもよくないので、中盤では連邦側のバトンを多くしたりして、逆転できるようにはしてあります。その間に連邦のレベルを上げてチャレンジしてもらえればと思います。

――バトンのバスケットは、どういった法則で分けられているんですか。

画像

芝村 人脈です。普通のゲームのように、各キャラの経験値を上げるタイプのものも検討したんですが、テストで作ってみたときに、みんなシャアとかキーキャラクターばかり育てるんです。いわゆる“脇役”の人たちのレベルは上げないんですね。例えばハヤトなんかは、初期レベルのまま最後まで行ったりしてたんです。史実にあてはめると、ソロモン戦でハヤトがやられてしまうと戦力がダウンした、というセリフがあるように、終盤はハヤトも活躍しています。そこで「アムロがレベルアップするときにハヤトもレベルアップすればいいんだ」と考え、みんなのレベルが上がるようにしました。シャア人脈にセイラさんがいるので、シャア側のバトンを選べばセイラさんが強くなったりします。

家弓 バトンを選択する際は、優先してシャア、そして宇宙の民人脈を選んでいき、ルート選択でティターンズルートを選ぶと“究極のマゾプレイルート”になります(笑)。普通はシャアのレベルを上げていれば、エゥーゴルートでシャアが強いという恩恵を受けられるんですが。自軍側のレベルはほとんど上がらず、それ以上に敵が強くなって……、かなり厳しいですね。社内のテストでも「ぎりぎりクリアできました……」という感じでした。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」