宇宙世紀を振り返り、直感的なマップで作られる新「ガンダムシミュレーション」「エンブレム オブ ガンダム」プレイリポート&インタビュー(5/5 ページ)

» 2008年05月22日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

かつての少年たちに宇宙世紀をもう一度

画像 オリジナル部隊では、あのキャラとこのキャラでこのモビルスーツ!という夢のユニットも実現する

 シミュレーションパートで見事ミッションをクリアすると、戦果ポイントを得ることができる。このポイントは、その後のプレイにおいてキャラクターの配属や、ユニットを購入するために使われる。購入したユニットを使ってオリジナルの部隊を編成することもできるのが熱い。強力な部隊をうまく作り出せば、戦闘がかなり楽になるだろう。もちろん骨太なシミュレーションファンや原作に忠実なプレイをしたい人ならば、オリジナル部隊なしで挑戦するのもいい。オリジナル部隊を導入しなくてもクリアできるようにはなっている。

 実際にプレイしてみて感じたのは、序盤が若干難しいということ。RPGでも、序盤で雑魚モンスターにやられまくって、少しずつレベルを上げて、中盤で安定するということはよくある。チュートリアルが終わったあたりの序盤プレイでいきなり詰まってしまって「先に進めるかな……」と不安にもなったが、コツをつかんできてからはなかなかの快進撃ができるようになった。逆に言えば、中盤以降は要領が分かりすぎるくらいに分かっているので、若干作業的なプレイになってしまうことも。ただ幸いなことに、筆者は30代中盤で「昔ガンダムは見ていたけど、最近はとんとガンダムから離れてるな」という男。つまり、芝村氏の言うところの本作のターゲット層の1人なのだ。そんな筆者にしてみれば、改めてファーストやZをプレイしながら思い起こし「ああ、こんなシーンあったな」とつぶやきながらプレイする本作、というのは、ツボにはまるところではあった。

 HPや命中率などの細かいステータスがないという点は、物足りないと思うところもあるが、取っ付きやすいというのも確か。気軽にライトに楽しめるガンダムシミュレーションとして、「Gジェネ」や「ギレン」との棲み分けはできているんではないか、という印象を受けた。コアなファンからすれば「もっとギレンみたいに濃ゆいのを〜!」と要望や不満も出るかもしれないが、逆に「ギレンは濃すぎる〜」と思っているくらいの人にちょうどいいように思う。そこから考えれば、ニンテンドーDSというライト層の多いハードでリリースされたというのもうなずける。

 ガンダムからしばし離れてしまった、かつての少年のみなさん。本作でひさびさに一年戦争やZガンダムに触れてみるのもいいんではないでしょうか。

――本作の内容が「機動戦士ガンダム」から「機動戦士Zガンダム」までなのはなぜですか?

画像

芝村 “宇宙世紀”を取り上げたガンダムシリーズだけでも数多くの作品があるわけですが、Zガンダム以降はMSの性能にインフレが起きてしまうんですね。「ZZガンダム」は大艦巨砲主義だし、超絶攻撃能力を持ったキャラクターがいますし……。だからZZも含めるなら“命中率”を付けてあげた方が親切なんです。「ギレン」みたいな方がいい。

 本作でも命中率をシステムに導入しようかと思ったんですが、初心者のことを考えたらそこまでやる必要があるのか、あえてゲームの項目を1つ増やして複雑にする必要があるのか、と思ったんです。もともと本作ではHPを排除して“生きてるか死んでるかだけでよし”としています。原作でも、ガンダムはパーツが破壊されてもやられないわけですが、ジムなんかだと“一発死”ですよね。HP、地形属性、命中率など要素が多いと、作戦を考える上でよく分からなくなる。マップ、ユニット、戦力、そして補給物資と、要素が4つもあれば十分難しいゲームになるんです。命中率やHPといった概念がなくても手ごわいゲームですので、本作ではルールをすべて駆使して戦ってほしい、と思います。

 また、ストーリーの構成を一年戦争だけに絞った方がいいかとも思ったんですが、Zガンダムは“After一年戦争”として、どうしても盛り込まざるを得なかったんです。

――本作の美しい戦い方としては、ガンダムのいろいろなシーンを想像して戦うべきなんでしょうか。

芝村 アニメを見て、それに沿った作戦を取ると、何となく上手にクリアできるようには作られています。難しい局面があったとしても、もう一歩プレイヤーが考えればクリアできるはずですね。


前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」