2度の挫折を乗り超えた独身ガルカが見た「FFXI」の素晴らしき世界【新連載】感じるヴァナ・ディール(1/3 ページ)

先月終了した「FFXI」の連載企画「ヴァナ・ディールをもう一度」を愛読してくれた皆様、どうも1カ月ぶりです。約束どおり、ガルカのアイツが帰ってまいりました。

» 2008年05月30日 10時35分 公開
[山本博幸(ねこひげLLC),ITmedia]

新連載を始めるにあたって〜プロローグ的なもの〜

 「ファイナルファンタジーXI」サービス開始からプレイを始めていたものの、途中で挫折して何年もヴァナ・ディールから離れていた1人のガルカ青年(=筆者)。その再起を描いたのが、約1年半に渡って連載を続けていた「ヴァナ・ディールをもう一度」である。度重なる拡張ディスクの発売やバージョンアップによって僕が知っている世界とはガラリと変わったヴァナ・ディールは、最初はとまどいもしたがとても新鮮で、過去に2度も挫折をしていたとは思えないほど夢中でプレイを継続していた。その冒険の中で知り会った大勢の仲間たちは僕にとってかけがえのない財産になり、ともに行動した日々は楽しかった思い出として深く記憶に刻み込まれている。その甲斐があってメインジョブ(戦士)がレベル75達成、大空に浮かぶ大陸「トゥー・リア地方」への到達という、僕の中の2大目標をクリアしたので、ひとまずの冒険の一区切りとして先月めでたく連載終了を迎えたわけだ。

 振り返ってみると、これまでのヴァナ・ディールでの生活はかなり慌ただしかったように思う。いくら過去にプレイ経験があるとは言っても、再び一からキャラクターを育て直さなければならないので当然と言えば当然だ。レベル上げや金策だけではない。ヴァナ・ディールに散りばめられた物語を読み解くために、クエストやミッションもこなす必要もあった。それらはすべて僕のヴァナ・ディール・ライフを満喫するイベントとして今もなお継続中であるが、前述した2大目標を成し遂げた僕には、ある想いが頭をよぎった。

 今や日本国内だけでなく世界にも拡大しているヴァナ・ディールという世界を、僕はどれだけ感じられているのだろう。ただひたすらに強さを求めるのに無我夢中だった頃は、のんびりとただ風景を眺めることなんてなかったかもしれない。でも、それも十分冒険と言えるのではないか。あてもなくフィールドを歩き、眼に映る風景からヴァナ・ディールから漂う匂いや風を感じたい。今の僕なら、それができるような気がする。そんなわけで、今月から始まる新連載は、このコンセプトに基づきヴァナ・ディールを散歩するという、僕のスローライフな冒険をつづろうかと思う。前回の連載のような派手な話は少ないだろうが、レベル上げやイベントなどで疲れた冒険者たちを「ほっ」と和ませる“癒し系連載”になってくれれば幸いだ。

女神像に祈りを捧げて……

 前回の連載を読んでくれていた読者の方にはご承知のとおり(と断言するのはうぬぼれか)、僕のメインキャラクターはガルカ。そして所属国は工業が発達している「バストゥーク共和国」である。ワールドによって違いはあるとは思うが、どうもほかの2国(サンドリア王国、ウィンダス連邦)と比べて冒険者の人数が少なく活気がないように感じられる。だけど、モグハウスを経由すればチョコボ厩舎や競売所などの施設を行き来するのには最適な国なので、個人的には気に入っている。新連載スタート記念として、まずは愛すべき(近場の)所属国を散歩してみようと思い、とりあえずモグハウスを抜けて商業区へ出た。

 商業区は大公房と呼ばれる、バストゥークの工業を支えていると言っても過言ではないエリアと隣接している。この場所で思いつく施設と言えば鍛冶ギルドやシドの研究室、大統領官邸などが主流だろうが、1つだけ忘れてはならないスポットがある。大公房にはひっそりと女神像が祭られている小さな礼拝堂があるのだ。そのことを急に思い出した僕は、これからの冒険を祈願する意味を込めて出発前に女神像を拝むことにした。1年半以上も「FFXI」もプレイしていて1度もやったことがない、ちょっとした神聖なイベントだ。

 礼拝堂入口の手前には「Elayne」という女性のNPCが立っている。話を聞いてみるとバストゥークの市民は信仰心が薄いため、この場所を参拝する人は少ないらしい。ここはクエスト「七つの緻密なトリックを」をこなすために必須な場所であるため、これまでに多くの冒険者が足を運んできたはずだが、さすがに参拝目的で来ている冒険者にはお目にかかったことがない。この日は参拝者はもちろん、クエストクリア目的で来ている冒険者も数えるほどで、神聖な場所を独り占めすることができた。早速蝋燭の明かりに照らされた女神像の前に立ち、感情表現コマンドの「/kneel」で膝まづいて祈る。どうか、旅先で戦闘不能になりませんように……。

明る過ぎず暗過ぎず……が、ちょうど良い小さな礼拝堂。万が一、悪事を働いたら懺悔しに来ます
礼拝堂を出ると入口付近に1人の冒険者を発見。もしかして参拝の順番待ちだったとか!?
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」