2度の挫折を乗り超えた独身ガルカが見た「FFXI」の素晴らしき世界:【新連載】感じるヴァナ・ディール(1/3 ページ)
先月終了した「FFXI」の連載企画「ヴァナ・ディールをもう一度」を愛読してくれた皆様、どうも1カ月ぶりです。約束どおり、ガルカのアイツが帰ってまいりました。
新連載を始めるにあたって〜プロローグ的なもの〜
「ファイナルファンタジーXI」サービス開始からプレイを始めていたものの、途中で挫折して何年もヴァナ・ディールから離れていた1人のガルカ青年(=筆者)。その再起を描いたのが、約1年半に渡って連載を続けていた「ヴァナ・ディールをもう一度」である。度重なる拡張ディスクの発売やバージョンアップによって僕が知っている世界とはガラリと変わったヴァナ・ディールは、最初はとまどいもしたがとても新鮮で、過去に2度も挫折をしていたとは思えないほど夢中でプレイを継続していた。その冒険の中で知り会った大勢の仲間たちは僕にとってかけがえのない財産になり、ともに行動した日々は楽しかった思い出として深く記憶に刻み込まれている。その甲斐があってメインジョブ(戦士)がレベル75達成、大空に浮かぶ大陸「トゥー・リア地方」への到達という、僕の中の2大目標をクリアしたので、ひとまずの冒険の一区切りとして先月めでたく連載終了を迎えたわけだ。
振り返ってみると、これまでのヴァナ・ディールでの生活はかなり慌ただしかったように思う。いくら過去にプレイ経験があるとは言っても、再び一からキャラクターを育て直さなければならないので当然と言えば当然だ。レベル上げや金策だけではない。ヴァナ・ディールに散りばめられた物語を読み解くために、クエストやミッションもこなす必要もあった。それらはすべて僕のヴァナ・ディール・ライフを満喫するイベントとして今もなお継続中であるが、前述した2大目標を成し遂げた僕には、ある想いが頭をよぎった。
今や日本国内だけでなく世界にも拡大しているヴァナ・ディールという世界を、僕はどれだけ感じられているのだろう。ただひたすらに強さを求めるのに無我夢中だった頃は、のんびりとただ風景を眺めることなんてなかったかもしれない。でも、それも十分冒険と言えるのではないか。あてもなくフィールドを歩き、眼に映る風景からヴァナ・ディールから漂う匂いや風を感じたい。今の僕なら、それができるような気がする。そんなわけで、今月から始まる新連載は、このコンセプトに基づきヴァナ・ディールを散歩するという、僕のスローライフな冒険をつづろうかと思う。前回の連載のような派手な話は少ないだろうが、レベル上げやイベントなどで疲れた冒険者たちを「ほっ」と和ませる“癒し系連載”になってくれれば幸いだ。
女神像に祈りを捧げて……
前回の連載を読んでくれていた読者の方にはご承知のとおり(と断言するのはうぬぼれか)、僕のメインキャラクターはガルカ。そして所属国は工業が発達している「バストゥーク共和国」である。ワールドによって違いはあるとは思うが、どうもほかの2国(サンドリア王国、ウィンダス連邦)と比べて冒険者の人数が少なく活気がないように感じられる。だけど、モグハウスを経由すればチョコボ厩舎や競売所などの施設を行き来するのには最適な国なので、個人的には気に入っている。新連載スタート記念として、まずは愛すべき(近場の)所属国を散歩してみようと思い、とりあえずモグハウスを抜けて商業区へ出た。
商業区は大公房と呼ばれる、バストゥークの工業を支えていると言っても過言ではないエリアと隣接している。この場所で思いつく施設と言えば鍛冶ギルドやシドの研究室、大統領官邸などが主流だろうが、1つだけ忘れてはならないスポットがある。大公房にはひっそりと女神像が祭られている小さな礼拝堂があるのだ。そのことを急に思い出した僕は、これからの冒険を祈願する意味を込めて出発前に女神像を拝むことにした。1年半以上も「FFXI」もプレイしていて1度もやったことがない、ちょっとした神聖なイベントだ。
礼拝堂入口の手前には「Elayne」という女性のNPCが立っている。話を聞いてみるとバストゥークの市民は信仰心が薄いため、この場所を参拝する人は少ないらしい。ここはクエスト「七つの緻密なトリックを」をこなすために必須な場所であるため、これまでに多くの冒険者が足を運んできたはずだが、さすがに参拝目的で来ている冒険者にはお目にかかったことがない。この日は参拝者はもちろん、クエストクリア目的で来ている冒険者も数えるほどで、神聖な場所を独り占めすることができた。早速蝋燭の明かりに照らされた女神像の前に立ち、感情表現コマンドの「/kneel」で膝まづいて祈る。どうか、旅先で戦闘不能になりませんように……。
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