インタビュー
» 2008年06月27日 14時39分 公開

DSでフル動作するアナログシンセを作り出した人たち「KORG DS-10」開発者インタビュー(2/3 ページ)

[聞き手:松尾公也,ITmedia]

リアルタイム演奏も「うまく弾けるように」

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――同じコルグさんの携帯シンセサイザー、KAOSSILATORも大変なヒットですよね。並行してプロジェクトが動いていて、その機能の一部がDS-10にも含まれたという感じなんでしょうか?

佐藤 KAOSSILATORやKAOSS PADというのは、当社が長年培ってきたハードウェア楽器ならではの優れた操作性やサウンドを持っていると思います。その良さを採り入れたいと思ったので、タッチコントロールによる入力だとか、パラメータのコントロールといったところに採用したんですよ。その意味では、使われ方が違ってくると思うんです。両方ともその良さがあるんで、両方使ってほしいな、と思ってます。

――両方買って、同時に演奏してほしい、と。

佐藤 ぜひ!(笑)。

――DS-10は押したとたんに小節がスタートする、というのは可能ですか?

佐野 できますよ。

――それはすばらしい。ポータブルな楽器を作るときにはなにがなんでもDSでなければならないということはないのではと思いますし、ほかの選択肢もあったと思うのですが、DSを選んだ理由は?

佐野 最初は、まさにその形ですね。あとは2画面ですね。

岡宮 ガジェット自体の魅力ってあるじゃないですか。ニンテンドーDSというのはそういう魅力もあると思うんですよ。2画面あって、タッチペンというので。その結びつきが魅力的だと思いますね。タッチペンでパッチをニュっとつなげたりとか。

――あれはスタイラスがないと無理ですよね。パッチで1つ、疑問が。ホイール(オリジナルのMS-10には、キーボードの横に、音程や音色をコントロールできるコントロールホイールが付属していた)。

佐野 ハハハハハ。はい。いやー、なるほど。

――なんとかならんもんですかね。

佐野 それは取材ではなく、要望ですね(笑)。MS-10は、パッチを使わないというコントロールホイールが使えないという仕様でしたよね。

佐藤 レガシーコレクションでは、パッチを使わないとホイールが使えないというところは指摘がありましたね(笑)。

――それが正しいのに(音の高さを制御するパネルに、ホイールのパラメータをつなげるパッチをする必要があった)。

佐藤 新しい人たちはそれを知らないんですよ。故障だ、故障だ、という人が非常に多くて(笑)。

佐野 実は、中身的にパンパンなんですよね。画面もそうだし、処理的にもけっこうギリギリなんで(編集部注:製品版にホイール機能は入らないが、ホイールのような効果は、KAOSS PADモードを使えば可能だ)。

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――処理関係でもう1つ。タッチペンを押したときにリアルタイムで発音する仕組みではなくて、シーケンサーのタイミングに合わせて発音するようになっているんですよね。

井上 そうなっていますね。シーケンサーの頭で発音をとるようにしています。シーケンサーが止まった状態のときはタッチと同期して発音させることはできます。

佐野 レコーディングした後のことを考えて、プレイしているものとレコーディングした結果を同じにしよう、という考え方です。

――リアルタイムでクォンタイズ(演奏のタイミングのずれを修正する機能)がかかっているような感じですね。

佐野 そうです。楽器が上手でない人がこれを使うとうまくなったような気になるんです。そこに着眼して、気持ちよさを第一に、みたいな。

――細かい仕様的な部分ですが、ゲートアルペジエイターのパターンなどをプリセットで選ぶことはできるんですか?

井上 ゲートアルペジエイターはついていません。「ELECTRIBE」と同じように、音高と音長を操作できるようになっています。

――さらに細かいところで、VCAのLEVELとBOOSTと両方ある意味は?

井上 LEVELは音量調整で必要です。BOOSTは、ちょっと歪んだ汚れ音が作れなかったので追加しました。

――エフェクターに入れるのではなくて。

井上 エフェクターのほうに置くという選択肢もあったんですけど、いろいろ考えた結果、ここに置きました。

周辺機器の可能性は?

――次のシリーズについてはまだまだですよね。

岡宮 まずはこれに全力を投球したいですね。

佐野 もちろんこれが大ヒットしたらビッグビジネスですよね(笑)。

――わずか5000円弱で手に入る楽器なわけですからね。周辺機器も出たりとか。

佐野 いやー、夢見ますね。DSより大きい周辺機器とか(笑)。

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――ギターコントローラみたいのにDSをくっつけて、さらにリボンコントローラついてる、みたいな(笑)。

岡宮 そのアイデアもらっていいですか(笑)。

――ポート1にキーボードとか、スピーカーだとかつなげる、というのもありえますよね。

佐野 ステージ上にたくさん並べたりですとか。コンパクトではありますけど(笑)。

――ポリフォニックというのはほしいですかね? DSの仕様から言うと無理ですよね。

佐野 純粋な意味でのポリフォニックシンセですね。(往年のポリフォニックシンセ・コルグPS-3200を模して)DS-3200みたいな(笑)。

井上 いまシンセは2台入ってますけど、それを1台にして2ポリにするという手もありますけど。

佐野 4ポリはできるということですよね。DS-Mono/Polyみたいな(編集部注:4音ポリフォニックのコルグ製シンセ、Mono/Polyのこと)。

――6チャンネルのうち、メロディー部分に2チャンネルしか使えないのは理由があるんですか? 

佐藤 PCMを一切使っていない本物のアナログモデリングシンセサイザーなので、けっこうなCPUパワーを食うんですよ。それを2台動かしてるので。

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