本体の売上を牽引するとは誰も期待していなかった名作:「ガンダム オペレーショントロイ」レビュー(1/2 ページ)
発売前はガンダムマニアに不安視されていたソフトが、本体売上を牽引するという驚きの結果に。そしてフタを開けてみたらオンライン率が極めて高いという不可思議なソフト「ガンダム オペレーショントロイ」の真実に迫る!
オペレーショントロイはどんなゲーム?
バンダイナムコゲームスから発売されているXbox 360ソフト「ガンダム オペレーショントロイ」は、一兵卒となり戦場を生き抜くことが目的のFPS/TPSゲーム。兵士としてアサルトライフルを持って走り回ることもできれば、モビルスーツ(以下、MS)に搭乗して戦闘することもできる。他にもジープや戦車などの車両も利用することができる。今までのガンダムゲームでは存在し得なかった“兵士の視点”と“MSに搭乗する”という2つの部分が非常に大きな特徴になっている。
「シングルモード」(オフライン)ではジオン公国、もしくは地球連邦軍の兵士となって与えられるミッションをクリアしていく形式になっており、MSへ搭乗することもあれば兵士として建物内を占拠するなど、多様なミッションが要求される。
当然ながらXbox 360が得意としているオンラインでのマルチプレイ(「マルチモード」)にも対応しており、最大で10人まで同じ戦場で戦うことができる。つまり5vs5でのチームプレイが可能だということだ。当然ながらMS同士の殴り合いもあるし、兵士として足元で踏まれないように地雷をまきながら逃げ回ることも必要になってくる。
“もったいない”――どうしても見えてきてしまう不満点
これだけガンダム世界を表現することに注力しておりながら、どうして「ダメな子」扱いされてしまうのか。それはさまざまなところで“もったいない”部分が数多くあるからだ。
兵士であろうとMSであろうと、ダメージを受けた時のリアクションがあまりにも希薄で、気がつけば死亡寸前だったり、自分がなぜ死んだのか理解できないというのはFPS/TPSとしては致命的な部分になる。ほかにも戦車やジープなどで水に突っ込むとなぜか爆発するという部分。そして理不尽さしか感じないほど操作が難しい戦車と、コントロールできる気がしないジープの運転。「Halo 3」をはじめとして、Xbox 360のFPSでは乗り物が登場する者が多いが、ここまで操作が難しいものはない。
ほかにも、設置した地雷を除去する方法が一切ないという理不尽さ。忘れてはならないのがあまりにもしょぼいSE。ザクマシンガンの音がドアをノックする音にしか聞こえないというのはいただけない。このような“ちょっとしたこと”が作りこまれていないと、素晴らしいゲームがたくさん出ているXbox 360ユーザーからすれば中途半端なものにしか見えないのだ。この手の細かい作りこみに関しての不満はいくらでもでてくる。ここに記載したものはあくまでも一部でしかない。
オンライン/オフライン共通部分での不満点はさておき、オンラインのみに関しても致命的な問題点がある。オンラインプレイではスコアを積み重ねていくことで、より強いMSを使用できるようになるのだが、次の表を見てほしい。
使用できるモビルスーツ | ジオン公国軍 | 地球連邦軍 |
---|---|---|
最初から使用可能 | ザクII | ジム |
スコアを積み重ねていくと使用可能 | ザクI | ガンタンク |
ザクII改 | 陸戦型ガンダム | |
ゾック | ガンキャノン | |
グフ | 陸戦型ジム | |
ドム | ジムスナイパーカスタム | |
ゲルググ | - | |
これらが経験を積むことで使用できるようになるMSの一覧だ。他にも“連邦の白いやつ”や“赤い彗星”が使えたり、武器が増えたりといろいろとあるのだが、ここでは割愛する(関連記事参照)。
この表の問題点を眺めただけで気が付いた人は、かなりガンダムマニアに近い。重要なのは連邦軍の登場順だ。MS性能では圧倒的な陸戦型ガンダムが、性能の劣るガンキャノンや陸戦型ジムよりも先に使えるようになるのだ。ちなみにジオン軍で同時にアンロックされるのはザクIIの改造型でしかないザクII改。当然ながらMSは武装が異なると使い方が異なるので、一概にどれが高性能ということは言い切れないのだが、機動力、装甲の厚さ、ビームの破壊力などを考えると陸戦型ガンダムは表の中では最も高性能と言っていいだろう。陸戦型ジムと陸戦型ガンダムの登場順を逆にすると、極めてすっきりするし、ゲームのバランスもとれるのだ。
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