本体の売上を牽引するとは誰も期待していなかった名作「ガンダム オペレーショントロイ」レビュー(1/2 ページ)

発売前はガンダムマニアに不安視されていたソフトが、本体売上を牽引するという驚きの結果に。そしてフタを開けてみたらオンライン率が極めて高いという不可思議なソフト「ガンダム オペレーショントロイ」の真実に迫る!

» 2008年07月11日 20時01分 公開
[Alexander服部,ITmedia]

オペレーショントロイはどんなゲーム?

 バンダイナムコゲームスから発売されているXbox 360ソフト「ガンダム オペレーショントロイ」は、一兵卒となり戦場を生き抜くことが目的のFPS/TPSゲーム。兵士としてアサルトライフルを持って走り回ることもできれば、モビルスーツ(以下、MS)に搭乗して戦闘することもできる。他にもジープや戦車などの車両も利用することができる。今までのガンダムゲームでは存在し得なかった“兵士の視点”と“MSに搭乗する”という2つの部分が非常に大きな特徴になっている。

 「シングルモード」(オフライン)ではジオン公国、もしくは地球連邦軍の兵士となって与えられるミッションをクリアしていく形式になっており、MSへ搭乗することもあれば兵士として建物内を占拠するなど、多様なミッションが要求される。

 当然ながらXbox 360が得意としているオンラインでのマルチプレイ(「マルチモード」)にも対応しており、最大で10人まで同じ戦場で戦うことができる。つまり5vs5でのチームプレイが可能だということだ。当然ながらMS同士の殴り合いもあるし、兵士として足元で踏まれないように地雷をまきながら逃げ回ることも必要になってくる。

画像画像画像

“もったいない”――どうしても見えてきてしまう不満点

 これだけガンダム世界を表現することに注力しておりながら、どうして「ダメな子」扱いされてしまうのか。それはさまざまなところで“もったいない”部分が数多くあるからだ。

 兵士であろうとMSであろうと、ダメージを受けた時のリアクションがあまりにも希薄で、気がつけば死亡寸前だったり、自分がなぜ死んだのか理解できないというのはFPS/TPSとしては致命的な部分になる。ほかにも戦車やジープなどで水に突っ込むとなぜか爆発するという部分。そして理不尽さしか感じないほど操作が難しい戦車と、コントロールできる気がしないジープの運転。「Halo 3」をはじめとして、Xbox 360のFPSでは乗り物が登場する者が多いが、ここまで操作が難しいものはない。

 ほかにも、設置した地雷を除去する方法が一切ないという理不尽さ。忘れてはならないのがあまりにもしょぼいSE。ザクマシンガンの音がドアをノックする音にしか聞こえないというのはいただけない。このような“ちょっとしたこと”が作りこまれていないと、素晴らしいゲームがたくさん出ているXbox 360ユーザーからすれば中途半端なものにしか見えないのだ。この手の細かい作りこみに関しての不満はいくらでもでてくる。ここに記載したものはあくまでも一部でしかない。

 オンライン/オフライン共通部分での不満点はさておき、オンラインのみに関しても致命的な問題点がある。オンラインプレイではスコアを積み重ねていくことで、より強いMSを使用できるようになるのだが、次の表を見てほしい。

使用できるモビルスーツ ジオン公国軍 地球連邦軍
最初から使用可能 ザクII ジム
スコアを積み重ねていくと使用可能 ザクI ガンタンク
ザクII改 陸戦型ガンダム
ゾック ガンキャノン
グフ 陸戦型ジム
ドム ジムスナイパーカスタム
ゲルググ -

 これらが経験を積むことで使用できるようになるMSの一覧だ。他にも“連邦の白いやつ”や“赤い彗星”が使えたり、武器が増えたりといろいろとあるのだが、ここでは割愛する(関連記事参照)。

 この表の問題点を眺めただけで気が付いた人は、かなりガンダムマニアに近い。重要なのは連邦軍の登場順だ。MS性能では圧倒的な陸戦型ガンダムが、性能の劣るガンキャノンや陸戦型ジムよりも先に使えるようになるのだ。ちなみにジオン軍で同時にアンロックされるのはザクIIの改造型でしかないザクII改。当然ながらMSは武装が異なると使い方が異なるので、一概にどれが高性能ということは言い切れないのだが、機動力、装甲の厚さ、ビームの破壊力などを考えると陸戦型ガンダムは表の中では最も高性能と言っていいだろう。陸戦型ジムと陸戦型ガンダムの登場順を逆にすると、極めてすっきりするし、ゲームのバランスもとれるのだ。

画像画像画像
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」