アニメ「亡念のザムド」、PLAYSTATION Storeで独占配信(2/2 ページ)

» 2008年07月18日 18時36分 公開
[今藤弘一,ITmedia]
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制作者・出演者が「亡念のザムド」について語る

 発表会にはボンズ代表取締役 南雅彦氏、監督の宮地昌幸氏、竹原アキユキ役の阿部敦さん、西村ハル役の折笠富美子さん、ナキアミ役の三瓶由布子さん、アクシバ役の小西克幸さんが登場した。そのときの一問一答をご紹介しよう。

――今回のプロジェクトが発足した経緯を教えてください。

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南雅彦氏(以下、敬称略) 個人的には今回のプロジェクトは“奇跡の出会い”だと思っています。監督を中心に、スタジオの方から企画書が上がってきた時から始まっているんですが、内容、ビジュアル含めて新しい作品が出来上がるなという予感がしました。ただ、これをどう言った形でユーザーに届けていくのか、悩む企画でもありました。そのときにSCEの方と会う機会があって、PLAYSTATION Networkでの企画を聞きましたが、これは「ザムド」のために作られたものではないか、と思うくらいに“出会い”を感じまして、一気に制作の方に進んでいったというのが最初です。

――PS3での独占配信に興味を持たれたきっかけは?

 独占配信と言うよりも、同じマシン、同じきっかけによって、世界中の人にこの作品を見てもらえるところに一番魅力を感じました。

――「亡念のザムド」は初監督作品ですね。

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宮路昌幸氏(以下、敬称略) 長い間仕事をしてきまして、自分と一緒にかかわってくれているスタッフと話していた時にモチーフが固まってきたのもあったんですが、ボンズのBスタジオの人たちとやりたいな、というのもありまして。

 作品のテーマは、初めにいくつか想定しているんですが、その通りに作っちゃうと矮小(わいしょう)化されてしまうというのは、初めの数話で起こっていまして。それよりもアニメーションは絵で描かれているので、喜怒哀楽から無頓着になっていける部分もあるんですね。それは捨てたくないなと。傷ついても翌週は元気に、みたいな。あとは人と人との関係というか、向田邦子さんが作ったような昔のドラマにはていねいに描かれていたものがなくなってきていたりするので、そういうこともやってみたいなというのは、初めのモチーフとしてありましたね。

――注目してもらいたいポイントはありますか?

宮路 すべて、と(笑)。音響もそうですし、声優さんの演技もそうなんですが、その陰で昼夜関係なく働いてくれている制作スタッフとか。懸命なものは人の心を打つだろう、という気分でやっています。喜んでいただけたらいいなと思います。

――阿部さんが演じるアキユキとはどんな男の子ですか?

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阿部敦さん(以下、敬称略) 年齢は16歳ということで、高校生なんですが、どの年代の人が見ても共感できる存在だと思うんです。友達とふざけあったりとか、母親に対して乱暴な言葉遣いをしたりとかっていうのは、男の子だったら誰しも、高校生くらいの時にはそういうところがきっとあったと思うんですよね。誰もが共感を得られる少年だと思います。

――初の主人公役ですが、決まった瞬間はどのようなお気持ちでしたか?

阿部 そうですね……オーディションの返事が来るのが遅かったので(笑)、最初は「……」という感じだったんですが、個人的にはボンズさんの作品が好きで、いつかは出てみたいな、できれば主役をやりたいなと思っていたらかなってしまいました。うれしかったですね。

――どのような意気込みで収録に向かわれていますか?

阿部 声優の経歴的なところで言うと、わたしが一番の新人なんですが、今のアニメではあまりない年齢の広さ、キャリアの広さがあって、すごい方もいっぱい出演されます。話自体も次の予想がまったくつかない作品なので、「ああ、この話はこうなっていくのか」というのが毎回楽しみです。とにかくぶつかっていくしかないなという気持ちです。アキユキもいろいろなところにぶつかって成長していくキャラクターだと思うので、そのあたりを共感しながら一生懸命やっていきたいですね。

――ハルはどんな少女でなのしょう。

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折笠富美子さん(以下、敬称略) アキユキの幼なじみなんですが、とても活発で気の強い女の子です。キャラクターの感情表現が非常にリアルなので、過剰にならないように気をつけて演じています。絵で見せていく演じ方と、自分の声で演じるというのがあるので、あまり自分の声が前に出てしまうのもよくないと思いますし……。作品の空気感を大切にしたいと思います。


――ナキアミはどのような性格の子なのでしょうか。

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三瓶由布子さん(以下、敬称略) ナキアミは北にある「テシク」という民族の出なんですが、ちょっと事情があってザンバニ号で育てられた女の子です。クールな感じなんですが、アキユキとかかわったり、ザンバニ号で生活していくことによって、彼女の考えがだんだんと分かってくるという……。

 ナキアミはザムドをコントロールする力を持っているので、今後はアキユキの面倒を見ていくという役ですね。ただ、現場では「もっと声を出してください」という時もあって、見た目はおとなしそうで何を考えているのか分からないという印象を受けるんですが、心の中で思っていることや、彼女なりに人間関係を考えていることがあるんだな、ということを踏まえて、大切に演じています。

――アクシバはどんな存在のキャラクターですか?

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小西克幸さん(以下、敬称略) ザンバニ号のクルーの1人で、学級にたとえると“クラスの中のお調子者”という立ち位置ですね。皆さんには「小西さんそのまんまだ」といわれています(笑)。そんなわけで自分と似通っているところが多いので、毎回アフレコは自由にやらせていただいています。

 あと、本編の予告ナレーションも担当しているんですが、12、3秒のコメントも毎週読み方を変えて、うたったりとか、句を詠むように読んだりいろいろしています。こちらも“フリーダム”な感じで(笑)。いただいたコメントは2パターンくらい考えて、監督と相談してどちらかを決めて演じたりするんですが、最近は早口で読んでもぱんぱんになるくらいの原稿を書いてくださるので、あまり遊べなくなってます(笑)。

――皆さんにメッセージをお願いします。

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小西 「亡念のザムド」は、オリジナルの設定、世界観で、物語にも伏線がいっぱいあったりするんですが、そういうことを置いといても、見て楽しくて、次が気になる作品だと思います。皆さんに見ていただいたらうれしいですね。予告までが「亡念のザムド」なので(笑)、そちらの方もよろしくお願いします。

三瓶 絵もきれいですが、すんでいるキャラクターが個性豊かで、ザンバニ号での会話を1つ取ってもキャラクターの色があって。見ていてにやっとする場面もあります。ナキアミはクールな感じではありますが、ちょっとした“いいこと”を言っている時もあるので、そこにも注目してみてください。

折笠 キャラクターの心や言葉、音楽、ハイクオリティな映像など、心に響く作品だと感じています。これは取ってもすごいことになるんではないかと思っていますので、世界中の人に勧めてください。よろしくお願いします。

阿部 最近のアニメとはひと味違った感じの作品に仕上がっています。セリフも、普段使わないような言葉があったとしても、一人一人の心の動きを的確に表していたり。1回見て終了と言うことではなく、1話を何回か見ることで違った部分が見えてくることもあると思いますので、そこにも注目してほしいですね。全年齢の方に見て楽しんでもらえる作品だと思いますので、配信を楽しみにしていてください。

宮路 普段ファンタジーものは好きじゃないという人の方が、見たら“面白い”と感じていただけると思います。世界同時に配信するので、会ったこともない世界中の人と一緒に見ているんだなと言うのはスリリングだと思いますし、そういう面も作品の中に入っていたりしますので、楽しみにしてください。

 新しい作品が新しい場所で生まれようとしています。自分の中でもすごくドキドキしていますし。監督を中心に、現場は制作まっただ中なのですが、最後まで皆さんに楽しんでもらえる作品を作ろうと思っていますので、楽しみにしてください。

(C)BONES / Sony Computer Entertainment Inc. , Aniplex


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